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揉込
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もみこ
ふりがな文庫
“
揉込
(
もみこ
)” の例文
頬桁
(
ほおげた
)
へ両手をぴったり、慌てて目金の柄を、鼻筋へ
揉込
(
もみこ
)
むと、
睫毛
(
まつげ
)
を
圧
(
おさ
)
え込んで、驚いて、指の尖を
潜
(
くぐ
)
らして、
瞼
(
まぶた
)
を
擦
(
こす
)
って
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
やがて針医の
揉込
(
もみこ
)
む針は
頸
(
くび
)
の真中あたりへ入り、肩へ入り、背骨の両側へも入った。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
此奴
(
こいつ
)
ら、大地震の時は弱ったぞ——
啄
(
ついば
)
んで、
嘴
(
はし
)
で、仔の口へ、
押込
(
おしこ
)
み
揉込
(
もみこ
)
むようにするのが、
凡
(
およ
)
そ
堪
(
たま
)
らないと言った形で、
頬摺
(
ほおず
)
りをするように見える。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
わ、と立騒ぐ
群集
(
ぐんじゅ
)
の中へ、丸官の影は
揉込
(
もみこ
)
まれた。一人
渠
(
かれ
)
のみならず、もの見高く、
推掛
(
おしかか
)
った両側の千人は、一斉に
動揺
(
どよみ
)
を立て、悲鳴を揚げて、泣く、叫ぶ。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
噛り着いていた
小児
(
こども
)
は、それなり、薄青い襟を分けて、真白な胸の中へ、頬も口も
揉込
(
もみこ
)
むと、
恍惚
(
うっとり
)
となって、もう一度、ひょいと母親の腹の内へ安置され
終
(
おわ
)
んぬで
霰ふる
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
其
(
それ
)
も
唯
(
たゞ
)
、
苦
(
くる
)
しいので、
何
(
なん
)
ですか
夢中
(
むちう
)
でしたが、
今
(
いま
)
でも
覺
(
おぼ
)
えて
居
(
を
)
りますのは、
其時
(
そのとき
)
、
錐
(
きり
)
を、
貴方
(
あなた
)
、
身節
(
みふし
)
へ
揉込
(
もみこ
)
まれるやうに、
手足
(
てあし
)
、
胸
(
むね
)
、
腹
(
はら
)
へも、ぶる/\と
響
(
ひゞ
)
きましたのは
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
突然
(
いきなり
)
どんつくの
諸膚
(
もろはだ
)
を
脱
(
ぬ
)
いだ
勢
(
いきほひ
)
で、
引込
(
ひつこ
)
んだと
思
(
おも
)
ふと、
髯
(
ひげ
)
がうめ
方
(
かた
)
の
面當
(
つらあて
)
なり、
腕
(
うで
)
の
扱
(
しご
)
きに
機關
(
ぜんまい
)
を
掛
(
か
)
けて、
爰
(
こゝ
)
を
先途
(
せんど
)
と
熱湯
(
ねつたう
)
を
注
(
つ
)
ぎ
込
(
こ
)
む、
揉込
(
もみこ
)
む、
三助
(
さんすけ
)
が
意氣
(
いき
)
湯煙
(
ゆげむり
)
を
立
(
た
)
てて
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
既
(
すで
)
に
膝
(
ひざ
)
に
乘
(
の
)
つて、
噛
(
かじ
)
り
着
(
つ
)
いて
居
(
ゐ
)
た
小兒
(
こども
)
は、
其
(
それ
)
なり、
薄青
(
うすあを
)
い
襟
(
えり
)
を
分
(
わ
)
けて、
眞白
(
まつしろ
)
な
胸
(
むね
)
の
中
(
なか
)
へ、
頬
(
ほゝ
)
も
口
(
くち
)
も
揉込
(
もみこ
)
むと、
恍惚
(
うつとり
)
と
成
(
な
)
つて、
最
(
も
)
う
一度
(
いちど
)
、ひよいと
母親
(
はゝおや
)
の
腹
(
はら
)
の
内
(
うち
)
へ
安置
(
あんち
)
され
終
(
をは
)
んぬで
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
たかだか目的地まで三時間に足りないのだけれど、退屈だなと思いましたが、どうして、退屈などと云う贅沢は言っていられない、品川でまた一もみ
揉込
(
もみこ
)
んだので、苦しいのが先に立ちます。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
飛びもしないのに、おやおやと人間の目にも隠れるのを、……こう捜すと、いまいた塀の
笠木
(
かさぎ
)
の、すぐ裏へ、頭を
揉込
(
もみこ
)
むようにして縦に
附着
(
くッつ
)
いているのである。脚がかりもないのに
巧
(
たくみ
)
なもので。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ものの
切尖
(
きっさき
)
に
痩
(
や
)
せた
頤
(
おとがい
)
から、耳の根へかけて
胡麻塩髯
(
ごましおひげ
)
が栗の
毬
(
いが
)
のように、すくすく、
頬肉
(
ほおじし
)
がっくりと落ち、小鼻が出て、窪んだ目が赤味走って、額の
皺
(
しわ
)
は小さな
天窓
(
あたま
)
を
揉込
(
もみこ
)
んだごとく刻んで深い。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
口の
莟
(
つぼみ
)
が動いたと思うと、
睫毛
(
まつげ
)
が濃くなって、ほろりとして、振返ると、まだそこに、看護婦が立っているので、慌てて
袂
(
たもと
)
を取って、
揉込
(
もみこ
)
むように顔を隠すと、美しい眉のはずれから、
振
(
ふり
)
が
飜
(
ひるがえ
)
って
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
揉
漢検1級
部首:⼿
12画
込
常用漢字
中学
部首:⾡
5画
“揉”で始まる語句
揉
揉手
揉上
揉合
揉烏帽子
揉事
揉消
揉立
揉潰
揉療治