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拷問
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ごうもん
ふりがな文庫
“
拷問
(
ごうもん
)” の例文
「その方の衣服と扇子は、それで判っておるが、その
余
(
あまり
)
の
贓物
(
ぞうぶつ
)
は、どこへ隠してある、早く云え、云わなければ、
拷問
(
ごうもん
)
にかけるぞ」
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
人命は明日を期しがたきもの故、早く罪を定めんとするが第二の理由である。これ人が人を
審判
(
さば
)
くに当って
拷問
(
ごうもん
)
の起る理由である。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
なんでたまろう
解
(
かい
)
兄弟の調べもほんの形ばかり、
拷問
(
ごうもん
)
、
爪印
(
つめいん
)
の強制、大牢送りの宣告と、わずか二日ほどのうちにかたをつけられ
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこで長いあいださまざまの偉大な苦行を積んだ結果、ついに認められて信仰のための
拷問
(
ごうもん
)
を受け、殉教者として死に
就
(
つ
)
くこととなった。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
余り
拷問
(
ごうもん
)
が厳しいので、自分もつい苦しくって
堪
(
たま
)
りませんから、すっかり白状をして、早くその苦痛を助りたいと思いました。
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
いくら
拷問
(
ごうもん
)
にかけられても、知らない事は申されますまい。その上わたしもこうなれば、
卑怯
(
ひきょう
)
な隠し立てはしないつもりです。
藪の中
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
拷問
(
ごうもん
)
同様の目に逢わせてみても、口がいよいよ固くなるばかりだ。のみならず、大抵の責め道具では、あいつには利かない。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
異様の風体で、山中を
徘徊
(
はいかい
)
して居たものだから、てっきり官軍の間諜と目星を指されて、追究
拷問
(
ごうもん
)
至らざるは無しである。
田原坂合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
そこで彼等は拷問せられて、廃太子道祖王、黄文王は杖に打たれて
悶死
(
もんし
)
をとげ、古麿と東人も
拷問
(
ごうもん
)
に死んだ。生き残った人々は流刑に処された。
道鏡
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
無理を通そうとするから苦しいのだ。つまらない。
自
(
みずか
)
ら求めて苦しんで、自ら好んで
拷問
(
ごうもん
)
に
罹
(
かか
)
っているのは馬鹿気ている。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これでは、将校がやろうとしていた
拷問
(
ごうもん
)
というものどころのさわぎでなく、直接の殺害だ。旅行者は両手をのばした。
流刑地で
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
また、ある程度まで其の品質に見るべきものがあるような脚本を書き得る人は、鉈や鱠の
拷問
(
ごうもん
)
に堪えられなかった。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それがためにチベット政府は非常の疑いを増して、
無辜
(
むこ
)
の知人を獄に下し大いに
呵責
(
かしゃく
)
拷問
(
ごうもん
)
して居るということです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
▲支那や朝鮮では今でも
拷問
(
ごうもん
)
をするそうだが自分はきのう以来昼夜の別なく五体すきなしという拷問を受けた。誠に話にならぬ苦しさである。(十二日)
子規居士と余
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
「ふうむ、恐ろしい牢屋じゃわい。古代
西班牙
(
イスパニア
)
の
拷問
(
ごうもん
)
部屋もこれにはなかなか及びそうもない。よくこの中で今日まで市之丞殿は活きておられたものだ」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
警察署でマリアは二人の士官から恐ろしい
拷問
(
ごうもん
)
を加えられた。そのため彼女の顔は、裁判のとき、これは人がちがうと証人が言ったほどの変りかたをしていた。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
「これは
拷問
(
ごうもん
)
の見本だから、そのへんで許してやろう。お前たちの年頃は、わけもわからずに生意気でいけない。そう生意気な連中には拷問が一番ききめがある」
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
○支那や朝鮮では今でも
拷問
(
ごうもん
)
をするさうだが、自分はきのふ以来昼夜の別なく、五体すきなしといふ拷問を受けた。誠に話にならぬ苦しさである。(九月十二日)
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
まさか
拷問
(
ごうもん
)
にかけるわけにも行かず、二三日の後には、石原の利助も少し持て余し気味になりました。
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
伏見の城に
薨
(
こう
)
じ、つづいて秀頼も大阪夏冬の両陣に破れて自害したことを聞くと、さめざめと涙を流して泣き、それ以来、さまざまな
拷問
(
ごうもん
)
や、牢屋の責苦に
遇
(
あ
)
ったが
秘境の日輪旗
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
殿の屋形に
著
(
つ
)
いてからの姫は日夜
拷問
(
ごうもん
)
の
責苦
(
せめく
)
に
遇
(
あ
)
い、その
果
(
はて
)
はとうとう屋形のうしろの断崖から突き落されてこと切れた。
無慚
(
むざん
)
な伝説であるが、伝説はまだ終らない。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
西光
(
さいこう
)
殿をあらゆる
残酷
(
ざんこく
)
な
拷問
(
ごうもん
)
によって白状させたあとで、その口を引きさいて首をかけたほどの清盛です。あゝ彼らは父を殺すのにどんな恥ずべき手段を用いたことか!
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
例えば毒殺の嫌疑を受けた十六人の女中が一室に監禁され、明日残らず
拷問
(
ごうもん
)
すると
威
(
おど
)
される、そうして一同新調の
絹
(
すずし
)
のかたびらを着せられて幽囚の一夜を過すことになる。
西鶴と科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「左様でござります、よく存じておりますが、それを申し上げましては侍の道が立ちませぬ。たといどのような
拷問
(
ごうもん
)
を受け、骨をひしがれましょうとも、決して白状いたしませぬ」
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
勿論
(
もちろん
)
この
儀
(
ぎ
)
は
拷問
(
ごうもん
)
の苦痛に堪へかね偽りの申立を致候事なれど、いづれに致せ、賽銭を盗み候儀は明白に御座候間、そのまゝ
入牢
(
じゅろう
)
と相きまり候処、十日ばかりにて牢内において病死致候。
榎物語
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
皆さんに余計なご苦労をかけたことをお
詫
(
わ
)
びします。しかし、最後にひとことだけ、申上げたいことがあります。あなた方のやり方は、からだの
拷問
(
ごうもん
)
ではありませんが、心の拷問でした。
月と手袋
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
(ほんとうは
拷問
(
ごうもん
)
で殺されたのだが、新聞には心臓まひで死んだと報じられた)
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
それは私以外の人達が一人も気付いてお出でにならない……そうして同時にタッタ一人私だけを
苛責
(
いじ
)
め、威かすために
執行
(
とりおこな
)
われた、世にも恐ろしい、長たらしい
拷問
(
ごうもん
)
だったのですから……。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「ところがねえ」と法水は苦笑して、「実は、僕の
恫愒
(
どうかつ
)
訊問には、妙な
言
(
ことば
)
だが、一種の生理
拷問
(
ごうもん
)
とでも云うものが伴っている。それがあったので、初めてあんな素晴らしい効果が生れたのだよ。 ...
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「このごろずっとあんなふうだ、あれは稽古じゃあない、
拷問
(
ごうもん
)
だ」
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
これは何かの
拷問
(
ごうもん
)
なのだという想念が浮かんだ。
紅い花
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
「夜ごと日ごと、問罪所の
白洲
(
しらす
)
で、
拷問
(
ごうもん
)
にかけられておるそうな。——常磐を
匿
(
かく
)
したに違いあるまい。義朝と
生
(
な
)
した子供等の行方を云えと」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ま、どうでしやう。余り
拷問
(
ごうもん
)
が
厳
(
きび
)
しいので、自分もつひ苦しくつて
堪
(
たま
)
りませんから、すつかり白状をして、早くその苦痛を助りたいと思ひました。
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
そんなことはございませんと言いわけをしますと、どうでございましょう、若主人を引きつれてあの宿屋へ行って
拷問
(
ごうもん
)
にかけているのでございます。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
彼は神に苦めらるるが如く感じつつあったのである。実に彼は神が
己
(
おのれ
)
を
拷問
(
ごうもん
)
にかけていると思ったのである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
自分が先き立ちになってお此を責めたのではあるが、蛇責めのむごい
拷問
(
ごうもん
)
には彼女もさすがに驚かされた。
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
船虫
(
ふなむし
)
が
瞽婦
(
ごぜ
)
に身をやつして、
小文吾
(
こぶんご
)
を殺そうとする。それがいったんつかまって
拷問
(
ごうもん
)
されたあげくに、
荘介
(
そうすけ
)
に助けられる。あの段どりが実になんとも申されません。
戯作三昧
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「見たまえ。チャンウーの足を……あの足を炭火のうえにのせ、
拷問
(
ごうもん
)
していたんだ。ひどいことをするやつもあればあるもんじゃないか。まったく鬼だよ、悪魔だよ」
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
『われわれの国に
拷問
(
ごうもん
)
があったのは、中世においてだけでした』とか、おっしゃるでしょう。
流刑地で
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
拷問
(
ごうもん
)
でよほど痛めつけられたらしいよろよろした足どりで、重野は鉄格子の扉をくぐって
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
いうまでもなく用人相沢半之丞の妾お組というのが、
雁字
(
がんじ
)
がらめにされて、水をブッかけられたり、弓の折れで打たれたり、芝居の責めをそのままの
拷問
(
ごうもん
)
にかけられているのです。
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
こんな
拷問
(
ごうもん
)
に近い
所作
(
しょさ
)
が、人間の徳義として許されているのを見ても、いかに根強く我々が生の一字に
執着
(
しゅうちゃく
)
しているかが解る。私はついにその人に死をすすめる事ができなかった。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そうですから容易に
迯
(
に
)
げることも出来ずその石牢の中で苦しんで居るので、折々この世の日影を見るような事が出来ると、必ず打ち叩かれるか恐ろしい
拷問
(
ごうもん
)
に遇わされるそうです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
で、その五つになる女の子を教養ある両親がありとあらゆる
拷問
(
ごうもん
)
にかけるのだ。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
そのたんびに腹立たしさがジリジリと倍加して行く。しまいにはその寝息の一つ一つが、極度に残忍な
拷問
(
ごうもん
)
か何ぞのように思われて来て、
身体
(
からだ
)
中にビッショリと
生汗
(
なまあせ
)
がニジミ出て来るのです。
狂人は笑う
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
なにか、
拷問
(
ごうもん
)
のような恐ろしいことを、はじめるのではないでしょうか。
魔法博士
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
あなたが西八条に
捕
(
とら
)
われていらっしたあと、平氏の役人どもが
館
(
やかた
)
に押し寄せて近親のかたがたをことごとくからめとり、連れかえって
拷問
(
ごうもん
)
し、
謀叛
(
むほん
)
の
次第
(
しだい
)
を白状させてことごとく首をはねました。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
セヴィリアの公刑所には、十字架と
拷問
(
ごうもん
)
の刑具と相併立せり。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
一口に、山屋敷といえば、水責め火責めの
拷問
(
ごうもん
)
道具に、異人の血と陰火が燃えているように、外部の者は想像していますが、それは昔の話。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
せめて、朝に晩に、この
身体
(
からだ
)
を
折檻
(
せっかん
)
されて、
拷問
(
ごうもん
)
苛責
(
かしゃく
)
の
苦
(
くるしみ
)
を受けましたら、何ほどかの罪滅しになりましょうと、それも、はい、後の世の地獄は恐れませぬ。
山吹
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“拷問”の解説
とは、被害者(拷問を受ける者)の自由を奪った上で、肉体的・精神的に痛めつけることにより、相手の意思や尊厳を破壊し、加害者(拷問を行う側)の要求に従うように強要する事。
特に拷問を受ける側の持つ情報を自白させる目的で行われる。
(出典:Wikipedia)
拷
常用漢字
中学
部首:⼿
9画
問
常用漢字
小3
部首:⼝
11画
“拷問”で始まる語句
拷問倉
拷問具
拷問器
拷問所
拷問法
拷問蔵
拷問部屋