“生汗”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なまあせ85.7%
あせ14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
声も立て得ないままを大きく見開いているその猫のタマラナイ姿を一生懸命の思いで、生汗なまあせをかきかき正視しているうちに、私は
冗談に殺す (新字新仮名) / 夢野久作(著)
どちらの額からも、生汗なまあせがダラダラと流れ落ちているが、もう二十分近くも、刀を合わせたきり、あえぎ喘ぎ、同じ言葉を投げあっているだけだ。その言葉も、今はくぐもったうめき声に変っている。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
青年はたちまさっと赤くなった。そうしてまた急に青白くなって、房々した頭髪の下に隠れている白い額にニジンダ生汗あせを、平手でジックリと拭い上げた。
女坑主 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
私は見る見る血の気をうしなって行く自分自身を自覚した。タマラナイ興奮と、恐怖のために全身ビッショリと生汗あせを流しながら、身動き一つ出来ずにいた。
けむりを吐かぬ煙突 (新字新仮名) / 夢野久作(著)