すは)” の例文
原稿げんかうく、もちよくふではこぶので夢中むちうになつた、その夢中むちうましたこゑねこである、あら座蒲團ざぶとんすはつて、すましてゐる。
ねこ (旧字旧仮名) / 北村兼子(著)
うそおもふなら、退屈たいくつせずに四日よつか五日いつかわし小屋こや対向さしむかひにすはつてござれ、ごし/\こつ/\と打敲ぶつたゝいて、同一おなじふねを、ぬしまへこさへてせるだ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かゝるをりしも人々のすはりゐたるうしろの方にたかきあかり窓ありしが、きびしき音ありてまどをやぶり、ほりあげの雪がら/\とくづれおちたる中に人のりくだりければ
おろすまちにからころと駒下駄こまげたおとさしてゆきかふひとのかげ分明あきらかなり、結城ゆふきさんとぶに、なんだとてそばへゆけば、まあ此處こゝへおすはりなさいとりて、あの水菓子屋みづぐわしやもゝがござんしよ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
彼女かれは、それをじつとつめてゐると、また昔處女むかしゝよぢよであつたをりに、やまひめにつねさびしかつた自分じぶんこゝろ思出おもひだしたのであつた。まちあしは、十六のをはころからひとなみにすはることが出來できなかつた。
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
嘉十かじふいたあしをそつとげて、こけうへにきちんとすはりました。
鹿踊りのはじまり (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
盥の上には子供すはれり
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
おどろいてめたが、たしかにねここゑがする、ゆめかいか、はねきてたらまくらもとにはれい兒猫こねこすはつてゐた、どこからしのんでたのやら。
ねこ (旧字旧仮名) / 北村兼子(著)
ねむうなつたのかい、もうおか、)といつたがすはなほつてがついたやうに四辺あたりみまはした。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)