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嬉
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うれし
ふりがな文庫
“
嬉
(
うれし
)” の例文
この
日
(
ひ
)
から、
少年
(
せいねん
)
のちいさい
胸
(
むね
)
には
大
(
おほ
)
きな
黒
(
くろ
)
い
塊
(
かたまり
)
がおかれました。
妬
(
ねた
)
ましさににて
嬉
(
うれし
)
く、
悲
(
かな
)
しさににて
懐
(
なつか
)
しい
物思
(
ものおもひ
)
をおぼえそめたのです。
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
今日
文
(
ふみ
)
の来て
細々
(
こまごま
)
と優き事など
書聯
(
かきつら
)
ねたらば、
如何
(
いか
)
に我は
嬉
(
うれし
)
からん。なかなか同じ処に居て飽かず顔を見るに
易
(
か
)
へて、その
楽
(
たのしみ
)
は深かるべきを。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
これがお源には言うに言われない得意なので、お徳がこの風を見せた時、お清が磯に丁寧な言葉を使った時など
嬉
(
うれし
)
さが込上げて来るのであった。
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
聞
(
きゝ
)
彌々
(
いよ/\
)
氣の毒に思ひ此事に於ては我等證人と也申すべきにより急ぎ御奉行所へ願ひ出で申さる
可
(
べ
)
しと云にぞ七右衞門は
最
(
いと
)
嬉
(
うれし
)
く
直樣
(
すぐさま
)
彼の
駕籠舁
(
かごかき
)
久七を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
どっち
路
(
みち
)
、
嬉
(
うれし
)
くない事は知れていますがね、前のは、
先
(
ま
)
ず先ずと我慢が出来る、
後
(
あと
)
のは、
堪忍
(
かんにん
)
がなりますまい。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
心持
俯向
(
うつむ
)
いていらっしゃるお顔の
品
(
ひん
)
の好さ! しかし奥様がどことなく
萎
(
しお
)
れていらしって
恍惚
(
うっとり
)
なすった御様子は、トント
嬉
(
うれし
)
かった昔を忍ぶとでもいいそうで
忘れ形見
(新字新仮名)
/
若松賤子
(著)
十日も
苅
(
か
)
り
溜
(
ため
)
し草を一日に
焼
(
やい
)
たような心地して、尼にでもなるより外なき身の行末を
歎
(
なげき
)
しに、
馬籠
(
まごめ
)
に御病気と聞く途端、アッと驚く
傍
(
かたわら
)
に
愚
(
おろか
)
な心からは看病するを
嬉
(
うれし
)
く
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
所
(
ところ
)
で
奴
(
やつ
)
、
突然
(
とつぜん
)
僕
(
ぼく
)
の
内
(
うち
)
にやつて
來
(
き
)
やがつて、『どうも五
個月間
(
かげつかん
)
の
葉書攻
(
はがきぜめ
)
には
閉口
(
へいこう
)
しました。あなたの
根氣
(
こんき
)
には
實際
(
じつさい
)
驚
(
おどろ
)
きました』なんて
云
(
い
)
やがつて、三十
圓
(
ゑん
)
の
金
(
かね
)
を
置
(
お
)
いて
行
(
い
)
つたが、
僕
(
ぼく
)
ア
實
(
じつ
)
に
嬉
(
うれし
)
しかつたよ。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
何ですか、今の妻君は、あれはどうだから、かう為るとか、ああ為るとか、好いやうな
嬉
(
うれし
)
がらせを言つちやをりましたけれど
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
云聞せ
明朝
(
みやうてう
)
は其家に至り尋ぬべしと云れたり
翌朝
(
よくてう
)
夫婦共に彼是と
世話
(
せわ
)
し
件
(
くだん
)
の
茗荷屋
(
みやうがや
)
源兵衞の町所を
委
(
くはし
)
く
書認
(
かきしたゝ
)
めて渡されしにぞ寶澤は
態
(
わざ
)
と
嬉
(
うれし
)
げに書付を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それよりは家賃を
廉
(
やす
)
くして
私等
(
わっちら
)
が自力で一杯も飲めるようにしてくれた方がほんのこと
難有
(
ありがて
)
えや。へこへこ御辞儀をして物を貰うなあちっとも
嬉
(
うれし
)
くねえてね。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
優鈿
(
うでん
)
大王
(
だいおう
)
とか
饂飩
(
うどん
)
大王
(
だいおう
)
とやらに頼まれての
仕事
(
しわざ
)
、仏師もやり損じては大変と額に汗流れ、眼中に
木片
(
ききれ
)
の
飛込
(
とびこむ
)
も構わず、恐れ
惶
(
かしこ
)
みてこそ作りたれ、
恭敬三昧
(
きょうけいざんまい
)
の
嬉
(
うれし
)
き者ならぬは
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「おおおお、あれあれ! これは
嬉
(
うれし
)
い、自然とお前さんの首が段々細くなつて来る。ああ、それそれ、今にもう落ちる」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
嬉
(
うれし
)
さ、おん
可懐
(
なつかし
)
さを存ずるにつけて……夜汽車の和尚の、
室
(
へや
)
をぐるりと廻った姿も、同じ日の事なれば、
令嬢
(
おあねえさま
)
の、袖口から、いや、その……あの、絵図面の中から
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
見廻しけるに首は
落
(
おち
)
ず何事も無
健全
(
まめ
)
息災
(
そくさい
)
なり依て我が家へ立歸りしぞと
物語
(
ものがた
)
りしかば娘は
嬉
(
うれし
)
く是全く
金毘羅樣
(
こんぴらさま
)
の御
利益
(
りやく
)
ならんと早々
嗽
(
うが
)
ひ
手水
(
てうず
)
にて身を
清
(
きよ
)
めて金毘羅の掛物を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
行儀学問も追々覚えさして
天晴
(
あっぱれ
)
の
婿
(
むこ
)
取り、
初孫
(
ういまご
)
の顔でも見たら夢の
中
(
うち
)
にそなたの母に
逢
(
あ
)
っても
云訳
(
いいわけ
)
があると今からもう
嬉
(
うれし
)
くてならぬ、それにしても髪とりあげさせ、
衣裳
(
いしょう
)
着かゆさすれば
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
撫子 その返り咲が
嬉
(
うれし
)
いから、どうせお流儀があるんじゃなし、綺麗でさえあれば
可
(
い
)
い、
去嫌
(
さりぎら
)
い構わずに、根〆《ねじめ》にしましょうと思ったけれど、白菊が糸咲で、私、常夏と覚えた花が
錦染滝白糸:――其一幕――
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ただ
悪戯
(
いたずら
)
にさえ
嬉
(
うれし
)
い処を、うしろに瓜畑があります。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「おかみさんに、お、お前それが
嬉
(
うれし
)
いの。」
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“嬉”の解説
嬉(うれし)は、大阪府富田林市南東部の一地域。同市域の石川右岸、金胎寺山西麓にあたる(富田林市嬉)。
(出典:Wikipedia)
嬉
漢検準1級
部首:⼥
15画
“嬉”を含む語句
嬉々
嬉敷
嬉笑
嬉戯
嬉遊笑覧
嬉遊
心嬉
嬉涙
嬉野
嬉泣
御嬉
嬉気
游嬉
陳嬉
相嬉
遊嬉
佚楽戯嬉
嬉貌
嬉色
嬉石
...