大金持おおがねも)” の例文
ほんとうに、毎日まいにちはたらいても、つまらないはなしだ。大金持おおがねもちになれはしないし、また、これという安楽あんらくもされない。ばかばかしいことだ。
天下一品 (新字新仮名) / 小川未明(著)
けれども、うまくずのばんをやりとおせば、そのたからものも手にはいって、貧乏人びんぼうにんでもたちまち大金持おおがねもちになれるのです。
なにっ、大金持おおがねもちになりたいだと? 諭吉ゆきち、おまえは、それでもさむらいのか。さむらいのというものは、おかねもうけなどかんがえてはならんぞ。
それからというものは、かぜでちりをきためるように、どんどんおかねがたまって、とうとう大金持おおがねもちになりました。
一本のわら (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
汽船きせんがこのしまきました。そのふねには、一人ひとり大金持おおがねもちがっていましたが、上陸じょうりくすると、庭園ていえん主人しゅじんのところにやってきました。
花咲く島の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そうですね。まあ、日本にっぽん一の大金持おおがねもちになって、おもうぞんぶんおかねをつかってみたいものですね。」
おかあさんは、この子がどうしてこんな大金持おおがねもちになったかを、ききますと、もうひとりのみにくいなまけものの子にも、おなじしあわせをさずからせてやりたいと思いました。
わずかのにくず大金持おおがねもちになりました。
文福茶がま (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
世間せけんに、そのこえたほどの大金持おおがねもちでありましたから、いい医者いしゃという医者いしゃは、いずれも一んで、みてもらいました。
金の魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
諭吉ゆきちや、かあさんは、このあいだから、おまえにいってきかせようとおもっていたことがあります。おまえは、にいさんに、なんになるつもりだときかれて、大金持おおがねもちになりたいとこたえましたね。
あねは、これまでこんなことをいったものが、幾人いくにんもありましたから、またかとおもいましたが、その大尽だいじんというのは、こえている大金持おおがねもちだけに
港に着いた黒んぼ (新字新仮名) / 小川未明(著)
よく世間せけんには、小判こばんはいった大瓶おおびんしたといううわさがあるが、おれも、なにかそんなようなものでもさなければ、大金持おおがねもちとはならないだろう。
天下一品 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「さあ、たからりあてて、大金持おおがねもちになるか、貧乏びんぼうをして、はだかになるか、うんだめしだ。ちからのつづくかぎりやってみよう。のるもそるも人間にんげんの一しょうだからな。」
「これが、おれのものだったら、どんなに大金持おおがねもちになれるだろう……。」と、トムきちは、残念ざんねんがりました。
トム吉と宝石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうど、このふねなかに、南洋なんようへいく、大金持おおがねもちがっていました。金持かねもちは、おおきなはらかかえるように、ゆったりとしたあしどりで、甲板かんぱんうえてきました。
船の破片に残る話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
大金持おおがねもちになったといううわさをたてられているだけに、明日あすから、また田圃たんぼて、くさにもなれず、おとこは、二つの仏像ぶつぞうをいまいましそうににらんで
天下一品 (新字新仮名) / 小川未明(著)
大金持おおがねもちが、どこかへいってしまうようなことはない。ちょっと近所きんじょへいったので、すぐにかえってくるだろう。」といって、みんなはうちまえっていました。
金の魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「もし、わたしが、成功せいこうをして大金持おおがねもちになったら、きっとあなたのまちへたずねてゆきます。そして、あなたを、おたすけいたします。どうか、お達者たっしゃでいてください。」
トム吉と宝石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
幸作こうさくゆめました。それは、った小判こばんがほんとうの金銀きんぎん小判こばんで、自分じぶん大金持おおがねもちになったというゆめたのであります。かれおどろきとよろこびからをさましました。
金銀小判 (新字新仮名) / 小川未明(著)
大金持おおがねもちだというけれど、もとは、みんな貧乏びんぼうひとたちをできるだけやすはたらかして、もうけたかねなのだから、かんがえれば、わたしどもは、ちっともうらやましいことはないのさ。
万の死 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、このおとこは、いつかだれらぬものがないほどの大金持おおがねもちとなったのであります。
船でついた町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
このしまは、その、はたして、大金持おおがねもちのいったように有名ゆうめいになりました。
花咲く島の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いま二人ふたりは、こうしておなじように貧乏びんぼうをしているが、これから、あちらのまちいて、あの曲玉まがたまが、宝石商ほうせきしょうられたら、そのときから、このおとこは、もう貧乏人びんぼうにんでなく、大金持おおがねもちになれるのだ。
トム吉と宝石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、その大金持おおがねもちはいいました。
花咲く島の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)