ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『詩では凡庸ということぐらい悪いことはありませんよ。それにあの男ときたら、一歩も凡庸以上に出ていないんですからね』
絵のない絵本:01 絵のない絵本 (新字新仮名) / ハンス・クリスチャン・アンデルセン(著)
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア (旧字旧仮名) / シャーロット・ブロンテ(著)
彼が学校にいるかぎり、彼の意識の底には、いつもその眼があり、古ぼけた校舎もそれで光っていたし、彼の教室に出て来る凡庸な先生たちにも、それでいくらか我慢が出来ていたのである。
次郎物語:03 第三部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
奴隷の卑劣さは専制君主から直接に生まれ出たものである。主人の姿を反映するそれらの腐敗した良心からは一種の毒気が立ち上り、公衆の権威は汚れ、人の心は小さく、良心は凡庸で、魂は臭い。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌 (新字新仮名) / ヴィクトル・ユゴー(著)
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
たまに、「私」を出すことがあっても、それは凡庸な、おっとりした歯がゆいほどに善良な傍観者として、物語の外に全然オミットされるような性格として叙述されて在る。
又甲乙ない成績に戻ったのである。五年で僕は早稲田大学、東金君は慶応大学の入学試験を受けたが、二人とも恨みっこなしに不合格だった。凡庸なところ、小学校時代から伯仲の間にある。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
丹下左膳、もとより凡庸の剣士ではない。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
彼がそれをあんなにしばしば憎んだのは、それが凡庸な魂のうちにおいて、偽善偽君子的愚劣さの源泉となってるからであった。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
「おそれいりまする。この凡庸を、いかなるお眼がねによってか、破格なるお取立てにあずかり、何をもって、おこたえ申し上げんやと、越前、身のほどもおそろしく存じまする」
彼は愛情と尊重とをほしがってはいたが、喜びも苦しみも空気もない閉じこもった凡庸な生活では、息がつけなかったろう。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
ただ数人の小説家だけが、パレスとアナトール・フランスとの数冊の書が、凡庸の潮の上に浮き出して彼の手に達した。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
私は元来、取るに足らない凡庸です。周都督のご遺言といい、君命もだし難く、一応おうけ致したものの、決して天下人なきわけではありません。ぜひ、孔明にも勝るところの人物を
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わずかなことで満足する音楽上の無造作さと、世界で最も音楽的だといわれる人種のうちに充満してる完成した凡庸さとを、彼らはそなえていた。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
クリストフがかくも凡庸な魂を愛するということは、不可解なまたあまり名誉でないことのように彼女には思われた。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)