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些
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いさゝか
ふりがな文庫
“
些
(
いさゝか
)” の例文
微かにして
恃
(
たのみ
)
なく、濁りて響かず。紳士。この喉には
些
(
いさゝか
)
の修行の痕あるに似たれど、氣の毒なるは聲に力なきことなり。われ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
艇
(
てい
)
は
些
(
いさゝか
)
も
空氣
(
くうき
)
の
缺乏
(
けつぼう
)
を
感
(
かん
)
ずる
事
(
こと
)
なく、十
時間
(
じかん
)
でも二十
時間
(
じかん
)
でも、
必要
(
ひつよう
)
に
應
(
おう
)
じて
海底
(
かいてい
)
の
潜行
(
せんかう
)
を
繼續
(
けいぞく
)
する
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
るのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
固
(
もと
)
より
些
(
いさゝか
)
も無氣味と思ふ樣子もなければ、
汚
(
きた
)
ないと思ふ樣子も無い。
眞個
(
まツたく
)
驚くべき入神の妙技で、此くしてこそ自然の祕儀が
會得
(
ゑとく
)
せられようといふものである。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
原稿には次第に種々な事を書き入れたので、
啻
(
たゞ
)
に
些
(
いさゝか
)
の空白をも残さぬばかりでなく、文字と文字とが重なり合つて、他人が見てはなんの
反古
(
ほご
)
だか分からぬやうになつた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
彼れ人生に於て
些
(
いさゝか
)
の通ずる所なくして、徒に之を
空※
(
くうけう
)
なる腹中に
索
(
もと
)
む、斯の如きは固より其所なり。若し彼をして真に人情世故に通ぜしめば豈に是のみにして止まらんや。
詩人論
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
▼ もっと見る
些
(
いさゝか
)
の清い空気をだに得ることの出来なかつた自分は、長野の先の
牟礼
(
むれ
)
の停車場で下りた時、その下を流るゝ鳥居川の清渓と
四辺
(
あたり
)
を囲む青山の姿とに、既に
一方
(
ひとかた
)
ならず心を奪はれて
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
次
(
つぎ
)
の
日
(
ひ
)
には
空
(
そら
)
は
些
(
いさゝか
)
の
微粒物
(
びりふぶつ
)
も
止
(
とゞ
)
めないといつたやうに
凄
(
すご
)
い
程
(
ほど
)
晴
(
は
)
れて、
山
(
やま
)
も
滅切
(
めつき
)
り
近
(
ちか
)
く
成
(
な
)
つて
居
(
ゐ
)
た。しつとりと
落付
(
おちつ
)
いた
空氣
(
くうき
)
を
透
(
とほ
)
して、
日光
(
につくわう
)
が
妙
(
めう
)
に
肌膚
(
はだ
)
へ
揉
(
も
)
み
込
(
こ
)
むやうに
暖
(
あたゝ
)
かで
且
(
か
)
つ
暑
(
あつ
)
かつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
是
(
これ
)
に
由
(
よ
)
つて
人智
(
じんち
)
は、
人間
(
にんげん
)
の
唯一
(
ゆゐいつ
)
の
快樂
(
くわいらく
)
の
泉
(
いづみ
)
となつてゐる。
然
(
しか
)
るに
我々
(
われ/\
)
は
自分
(
じぶん
)
の
周圍
(
まはり
)
に、
些
(
いさゝか
)
も
知識
(
ちしき
)
を
見
(
み
)
ず、
聞
(
き
)
かずで、
我々
(
われ/\
)
は
全然
(
まるで
)
快樂
(
くわいらく
)
を
奪
(
うば
)
はれてゐるやうなものです。
勿論
(
もちろん
)
我々
(
われ/\
)
には
書物
(
しよもつ
)
が
有
(
あ
)
る。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
流石
(
さすが
)
は公家の出である。病弱の身体で、あの気紛れな——今は大へんよくなったが——癇癪持ちの夫に仕えて、
些
(
いさゝか
)
の不満も現わさず、唯々諾々として忠実を守っている姿は涙ぐましいものがある。
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
私は、彼に對して恐れも、また
些
(
いさゝか
)
の
羞
(
はぢ
)
らひも感じなかつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
既
(
すで
)
に
夜
(
よる
)
深
(
ふか
)
く、
加
(
くわ
)
ふるに
當夜
(
このよ
)
は
浪
(
なみ
)
穩
(
おだやか
)
にして、
船
(
ふね
)
に
些
(
いさゝか
)
の
動搖
(
ゆるぎ
)
もなければ、
船客
(
せんきやく
)
の
多數
(
おほかた
)
は
既
(
すで
)
に
安
(
やす
)
き
夢
(
ゆめ
)
に
入
(
い
)
つたのであらう、たゞ
蒸滊機關
(
じようききくわん
)
の
響
(
ひゞき
)
のかまびすしきと
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
些
(
いさゝか
)
の繕ふことなく有の儘に、我とアヌンチヤタとの中を語り、我が一たび絶望の境に陷りて後、今又慰藉を自然と藝術とに求むるに至れる
顛末
(
てんまつ
)
を敍して
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
自體
國家
(
こくか
)
とは動く人間に
依
(
よ
)
つて
組織
(
そしき
)
されるのであるから、國家は
些
(
いさゝか
)
も此の
種
(
しゆ
)
の
不生産的
(
ふせいさんてき
)
の人間を要しない。國家の要しないやうな人間は、何所の家庭にだツて餘り
歡迎
(
くわんげい
)
される
筈
(
はず
)
が無い。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
洞穴の周圍には灌木、草綿など少しく生ひ出でゝ、この寂しき景に
些
(
いさゝか
)
の生色あらせんと
勉
(
つと
)
むるものゝ如し。われ等は番兵の前を過ぎて、ポムペイの
市
(
まち
)
の口に入りぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
些
漢検準1級
部首:⼆
7画
“些”を含む語句
些少
些々
些事
些細
些末
些子
些程
些中
些細事
露些
一些事
今些
些額
些許
些計
些箇
些末事
些末主義
些技
些小
...