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三河
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みかわ
ふりがな文庫
“
三河
(
みかわ
)” の例文
それは
三河
(
みかわ
)
のくに岡崎の水野けんもつ
忠善
(
ただよし
)
から献納されたものであった。
枠
(
わく
)
に
嵌
(
は
)
めて十本ずつ十重ねになっている箱が五つある。
日本婦道記:箭竹
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
松本から
三河
(
みかわ
)
、
尾張
(
おわり
)
の街道、および甲州街道は彼ら中馬が往還するところに当たり、木曾街道にも
出稼
(
でかせ
)
ぎするものが少なくない。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
三河
(
みかわ
)
の
宝蔵寺
(
ほうぞうじ
)
産の麻の上物を
酢煮
(
すに
)
にして、三
繰
(
く
)
りにしたのを
彼
(
あ
)
の
家
(
うち
)
では用いているのだが、成程これは普通のとは違って丈夫だ
死剣と生縄
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
「冬の木枯しは、
三河
(
みかわ
)
名物だ。風のひどいのは、こよいだけではない。今夜にかぎって、灯をともすなとは、どういう
仔細
(
しさい
)
か」
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「恭一はな」と、
鶏
(
にわとり
)
に
餌
(
えさ
)
をやりに出てきたおばさんが、きかしてくれました。「ちょっとわけがあってな、
三河
(
みかわ
)
の親類へ
昨日
(
きのう
)
、あずけただがな」
小さい太郎の悲しみ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
▼ もっと見る
ここで中部と名づけるのは便宜上、
美濃
(
みの
)
、
飛騨
(
ひだ
)
、
尾張
(
おわり
)
、
三河
(
みかわ
)
、
遠江
(
とおとうみ
)
、
駿河
(
するが
)
、
伊豆
(
いず
)
、
甲斐
(
かい
)
、
信濃
(
しなの
)
の九ヵ国を指します。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
信州は北の
境
(
さかい
)
の
下水内
(
しもみのち
)
郡、
美濃
(
みの
)
の
山県
(
やまがた
)
郡、
三河
(
みかわ
)
の
宝飯
(
ほい
)
郡などでも、以前の稲扱道具をコバシと呼んでいたことが、それぞれの郡の方言誌に見えている。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
三河
(
みかわ
)
万歳の鼓でもなし、どうもさる回しのたたくやつじゃないかと思うんですが、それをまたどうしたことなんだか、井上のおだんながひどくお
堪能
(
たんのう
)
でね
右門捕物帖:19 袈裟切り太夫
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
またむかし
武田勝頼
(
たけだかつより
)
が
三河
(
みかわ
)
の
長篠城
(
ながしのじょう
)
を囲み、城中
食
(
しょく
)
尽
(
つ
)
きもはや
旬日
(
じゅんじつ
)
を支え得なかった時、
鳥居強右衛門
(
とりいすねえもん
)
が
万苦
(
ばんく
)
を
冒
(
おか
)
して重囲を
潜
(
くぐ
)
り、
徳川家康
(
とくがわいえやす
)
に
見
(
まみ
)
えて救いを乞い
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
この時に当りて徳川家の一類に
三河
(
みかわ
)
武士の
旧風
(
きゅうふう
)
あらんには、
伏見
(
ふしみ
)
の
敗余
(
はいよ
)
江戸に帰るもさらに
佐幕
(
さばく
)
の諸藩に令して
再挙
(
さいきょ
)
を
謀
(
はか
)
り、再挙三拳ついに
成
(
な
)
らざれば
退
(
しりぞい
)
て江戸城を守り
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
伊予の
緋
(
ひ
)
の蕪及び絹皮ザボン、大阪のおこし、京都の
八橋煎餅
(
やつはしせんべい
)
、
上州
(
じょうしゅう
)
の
干饂飩
(
ほしうどん
)
、
野州
(
やしゅう
)
の
葱
(
ねぎ
)
、
三河
(
みかわ
)
の魚煎餅、
石見
(
いわみ
)
の
鮎
(
あゆ
)
の卵、大阪の奈良漬、
駿州
(
すんしゅう
)
の
蜜柑
(
みかん
)
、仙台の
鯛
(
たい
)
の粕漬、伊予の鯛の粕漬
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
隣国の
美濃
(
みの
)
や
三河
(
みかわ
)
では、武者押しや合戦に日夜を暮らし、新年も新玉も祝わばこそ、人々は四方に馳せ廻わり、家を焼かれ畑を荒らされ、士農工商一日として安穏の日がないのであるが
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
場所
美濃
(
みの
)
、
三河
(
みかわ
)
の国境。山中の
社
(
やしろ
)
——奥の院。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
近国の諸侯で尾州藩に属し応援を命ぜられたのは、
三河
(
みかわ
)
の八藩、
遠江
(
とおとうみ
)
の四藩、
駿河
(
するが
)
の三藩、美濃の八藩、
信濃
(
しなの
)
の十一藩を数える。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
また
紋次郎君
(
もんじろうくん
)
とこのお
婆
(
ばあ
)
さんの
話
(
はなし
)
によると、この
鐘
(
かね
)
を
鋳
(
い
)
た
人
(
ひと
)
が、
三河
(
みかわ
)
の
国
(
くに
)
のごんごろうという
鐘師
(
かねし
)
だったので、そう
呼
(
よ
)
ばれるようになったんだそうだ。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
三河
(
みかわ
)
の北部でカシアゲコと謂い、越後の
中蒲原
(
なかかんばら
)
あたりでコシモチというのも是らしいが、普通にはカイモチと称して蕎麦だけをそうして食うことになっている。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
唯
是
(
こ
)
れ関ヶ原の降参武士のみ、常々たる
三河
(
みかわ
)
譜代の八万騎、何の面目あれば彼の降参武士に膝を届すべきやなんて、
大造
(
たいそう
)
な剣幕で、薩長の賊軍を東海道に
邀
(
むか
)
え
撃
(
うた
)
んとする者もあれば
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
また、側面には
甲斐
(
かい
)
の武田。——京へ伸びんとする足の先には
三河
(
みかわ
)
の
松平
(
まつだいら
)
。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三河
(
みかわ
)
の国では岡崎地方で出る「
三河木綿
(
みかわもめん
)
」が有名ですが、水車紡績で織ったものはもうほとんどなく、機械の仕事に任せましたので特色は薄らぎました。東加茂郡旭村の「
足助紙
(
あすけがみ
)
」は今も続きます。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
「へえい、さようで——二十騎町から市ガ谷のお見付のほうへぬけていくちょうど四つつじですよ。のれんに
三河
(
みかわ
)
屋という屋号が染めぬいてありましたから、たぶん生国もその屋号のほうでござんしょうがね」
右門捕物帖:04 青眉の女
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
三河
(
みかわ
)
にもらわれていったって、いつかまた帰ってくることもあるでしょう。しかしおとなの世界にはいった人がもう子どもの世界に帰ってくることはないのです。
小さい太郎の悲しみ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
三河
(
みかわ
)
の山村ではこういうさいに、七ヵ所で水を浴びるので
七瀬垢離
(
ななせごり
)
といい、遠州の
気多川
(
けたかわ
)
すじではまた五十瀬百瀬などといって、だんだん上流のほうへ場所を変えて
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
幕府では
三河
(
みかわ
)
、
尾張
(
おわり
)
、
伊勢
(
いせ
)
、
近江
(
おうみ
)
、
若狭
(
わかさ
)
、
飛騨
(
ひだ
)
、
伊賀
(
いが
)
、
越後
(
えちご
)
に領地のある諸大名にまで別のお書付を回し、筑波辺の賊徒どものうちには所々へ散乱するやにも相聞こえるから
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
三河
(
みかわ
)
へ。三河の岡崎へ。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三河
(
みかわ
)
にもらわれていったって、いつかまた帰ってくることもあるでしょう。しかし、おとなの世界にはいった人が、もう子どもの世界に帰ってくることはないのです。
かぶと虫
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
途方もなく古い話だが、私は明治三十年の夏、まだ大学の二年生の休みに、
三河
(
みかわ
)
の
伊良湖崎
(
いらござき
)
の突端に一月余り遊んでいて、このいわゆるあゆの風の経験をしたことがある。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
古い生活の
痕
(
あと
)
の消えてしまうのも遠くはあるまいが、それでも自分などの旅をした頃までは、
三河
(
みかわ
)
の
作手
(
つくで
)
のような静かな山村でなくとも、四国九州の海辺や鉄道沿線にも
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
なかのよかった恭一君が、海のむこうの
三河
(
みかわ
)
のある村に、もらわれてしまったというのです。
かぶと虫
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
崑崙
(
こんろん
)
人の船が
三河
(
みかわ
)
の海岸に漂着した時に、その船の中には棉の種子があったということが、歴史の上には見えているけれども、その時の棉はまだ広く全国には普及しなかったようで
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「ちょっとわけがあってな、
三河
(
みかわ
)
の親類へきのう、あずけただがな。」
かぶと虫
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
三河
(
みかわ
)
の
長篠
(
ながしの
)
のおとら狐に至っては、近世その暴虐ことに甚だしく住民はことごとく
切歯扼腕
(
せっしやくわん
)
しているのだが、人に
憑
(
つ
)
くときは必ず
鳶巣城
(
とびのすじょう
)
の故事を談じ、なお進んでは山本勘助の智謀
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「
三河
(
みかわ
)
のごんごろという
鐘師
(
かねし
)
がつくったと
書
(
か
)
いてねえかン。」
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
私の知っている
三河
(
みかわ
)
の或る山村では、
氏神
(
うじがみ
)
の祭礼に
金的
(
きんてき
)
を
射
(
い
)
あてる神事がある。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
“三河”の意味
《固有名詞》
三河(みかわ)
旧国名。東海道に位置する。三河国。現在の愛知県東部。
(出典:Wiktionary)
三
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
河
常用漢字
小5
部首:⽔
8画
“三河”で始まる語句
三河島
三河武士
三河屋
三河勢
三河国
三河守
三河万歳
三河路
三河町
三河後風土記