くじ)” の例文
また罪ある魂の失へる場所を補はんとてくじにてマッティアを選べる時、ピエルもほかの弟子達でしたちも彼より金銀をうけざりき 九四—九六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
国大夫人蜜を米に塗り金盤に盛り自ら擎げ持ちて食わせ、第一の大臣は一番貧乏くじで親ら金のを執りて智馬の糞を受けるのだ。
という四本のくじれが出ても差支無しという涼しい料簡で、それで木村父子と氏郷とを鎖で縛ってにかわけたようにしたのかも知れない。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「同じ君に仕え、同じ忠義を尽さんとするのに、何の主将副将の差別があろう。では、先陣後陣のことはくじを引いてそれに従おうではないか」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それから一年程経つて失敗に失敗を重ねて、茫然ぼんやり田舎に帰つて行つた相だが、間もなく徴兵のくじが当つて高崎の兵営に入つたといふうはさを聞いた。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
甲「アヽ、泣くよ本当に嬉しいのだ、真に喜んで泣くよ偽乞食にせこじきでないから、お遣りお前は小花こばなくじが当ったからみんなお遣りよ何を愚図/\して居るのだ」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
貧乏くじを引きけて井谷に会い、何とか諒解りょうかいを求めるより仕方がないが、でもどんな風に云ったらよいものか。
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
成らぬ成らぬ、それは駄目じゃ。そのように大勢で行こうものなら、出かかった狐めも引っ込んでしまう。何んで化け比べなどするものぞ。それよりお互いにくじ
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と露骨ないやしい愚痴を言うものもあり、とにかく女房を連れておそるおそるお白洲しらすに出ると、板倉殿は笑いながら十人の者にくじ引きをさせて、一、二の順番をきめ
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
宮はたれと組み、富山は誰と組むらんとは、人々の最も懸念けねんするところなりけるが、くじの結果は驚くべき予想外にて、目指されし紳士と美人とは他の三人みたりとともに一組になりぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ただその中において何らかの事情から貧乏くじを引き当てた、最も不運のもののみが、或いは鬼筋だの、護法胤だのと呼ばれて、他から差別的の目で見られる事になるのであるが
くじ頭屋とうやをきめ、酒食を中心とした村の集会であることは、関東のビシャとも似ている。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
しかも向うが二人前ならこっちも二人前と云いてえが、片っ方が禿頭はげあたまの赤ッ鼻のノスタレじゃ問題にならねえ。若さといい、男前といい、一番くじ本鬮ほんくじはドッチミチこっちのもんだがハテ。
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
勧業銀行にて債券の応募者にくじを引かせ、その一等に当たりたるものには千円ずつ与うることになっている。そこで、どうか千円の鬮のあたるように祈祷して下さいというのがあるそうだ。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
先日余の引いた凶のくじ穴守様あなもりさまで流してもらふたとわざわざ鼠骨そこつの注進。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
Lot くじ、命、柵、人集じんしゅう、Tin すず、鉄板、貨幣、State 形勢、大臣、国家、Branch 枝柯しか、学派、血統、Arm 腕、力、よろい、Type 活字、記号、病候びょうこう、Lime 石灰
平仮名の説 (新字新仮名) / 清水卯三郎(著)
中に二條のくじを入れ、之を搖がし兩人の
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
くじとりて菜飯なめしたたかす夜伽よとぎかな 木節
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
くじとりて菜飯たかする夜伽よとぎかな 木節ぼくせつ
俳句とはどんなものか (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
くじのさだめをのがれあへず
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
くじは遂に残者のこりものに落ちた。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
くじ引くごとし
「一握の砂」序 (新字旧仮名) / 藪野椋十(著)
くじくごとし
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
三人よれ文珠もんじゆさへ授けぬ奸智かんち智慧袋ちゑぶくろはたいたそこやぶれかぶれ爲術せんすべつき荒仕事あらしごと娘にあはすと悦ばせて誘引おびき出すは斯々と忽ちきまる惡計にさしさゝれつ飮みながらとは云ふものゝまくは餘り感心かんしんせぬ事成れば姉御あねごと己とくじにせんと紙縷こよりひねつて差出せばお定は引て莞爾につこりわら矢張やつぱり兄貴あにきが當り鬮と云はれて三次は天窓あたま
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たゞ我等をば宇宙を治め給ふ聖旨みむねしもべとなす尊き愛ぞ、汝の視るごとく、こゝにてくじわかつなる。 七〇—七二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
起すなど是非によらず、どちらもみにくしと人にいわれよう。——それよりは拙者がいま、くじを作るから、鬮を引いて、先鋒と後詰めの任をきめられては如何か
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お蔭で妙子は前より一層自由気儘きままな境遇に置かれているのであったが、それだけに、雪子に貧乏くじかせて自分ひとりうまいことをしているような、済まない気がしていたので
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「のうお爺さん、昨日のように、術くらべをしようじゃあるまいか。伊賀流とかいう忍術と、わしが勝手に発明した吹矢流という忍術とどっちが勝つかくじひくか、くらべて見ようじゃあるまいか」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
貧乏くじを引いているのであります。
「組はくじだから為方しかたが無いわ」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「いかさまこれはもっともじゃ。それではくじを引くことにしようぞ」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「さらば、くじをひけ」と責任をのがれた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「貧乏くじお引きやしたなあ」
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
と、くじにあらわれた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
くじ
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
くじ
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)