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輩
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ばら
ふりがな文庫
“
輩
(
ばら
)” の例文
急に、役人
輩
(
ばら
)
が、こそこそし始めると、もう商売になっている。松井兄弟は、台本にできているセリフを大声でよみ始めるのである。
田崎草雲とその子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
力持のおせいさんはこれに励まされて、持っていた莚を
抛
(
ほう
)
り出し、
素手
(
すで
)
になって、登り来る折助
輩
(
ばら
)
の
鼻向
(
はなむき
)
、
眉間
(
みけん
)
、
真向
(
まっこう
)
を突き落し撲り落す。
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
警視庁二局では武東警部が——後年鬼武東と
謳
(
うた
)
われて日本全国の悪人
輩
(
ばら
)
から鬼神の如く恐れられた
処
(
ところ
)
の鋭敏の頭脳を働かせ乍らじっと黙想に
更
(
ふ
)
けっていたが
国事犯の行方:―破獄の志士赤井景韶―
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
第三発の放たれしを、避けつつわざと撃たれし体にて
叢
(
くさむら
)
に僵れしに、果せるかな悪人
輩
(
ばら
)
は
誑死
(
そらじに
)
に
欺
(
あざむ
)
かれぬ。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これ
手前
(
てまい
)
は
銭金
(
ぜにかね
)
を無心に参ったのではないが、村方の
商人
(
あきんど
)
が難渋を致す処から再度掛合に参っても侍を権にかい、土民
輩
(
ばら
)
と
侮
(
あなど
)
って不法な挨拶をして帰すので、村方の
商人
(
あきゅうど
)
が難渋致すによって
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
帝都の真中で密売淫や強姦を十分に取締る事の出来ぬ警察力や、待合の二階で醜業婦共に鼻毛を読まれている当世の大臣や役人
輩
(
ばら
)
に、盆踊り位をとやかくいう権能は余りあるまいテ、馬鹿な話である。
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
道理
外
(
はず
)
れた憎しみ
猜
(
そね
)
みで。
彼奴
(
きゃつ
)
が邪魔じゃと思うた揚句が。何のおぼえもない人間をば。巫女や坊主や役人
輩
(
ばら
)
に。
賄賂
(
わいろ
)
使うて引っ
括
(
くく
)
らせます。
有無
(
うむ
)
を言わさずキチガイ扱い。国の
掟
(
おきて
)
の死刑にさせます。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「僕は、成金
輩
(
ばら
)
の
粟
(
ぞく
)
を
食
(
は
)
むを
潔
(
いさぎよ
)
しとしないのです。ハヽヽヽ。」
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
いや、待て待て。ほかの子も抱いて、その辺りから、見物しておるがよい、寄手のやつ
輩
(
ばら
)
も、長陣に
倦
(
う
)
むまいとして、戯れておるものを
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
実
(
げ
)
にや詩人というものは、美の創造をするといって、物の真相を
眩
(
くら
)
ませている。何んの何んの王昭君が、彼等詩人
輩
(
ばら
)
の想像しているような可哀そうな生活なんかしたものか」
沙漠の美姫
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
たっぷり昼寝した八十何名かの武者
輩
(
ばら
)
は、
蜩
(
ひぐらし
)
の声がいっぱいに聞える山の大日堂のまわりに、再び、今朝のように影を集めていた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なんの、あのことは、
蔡将軍
(
さいしょうぐん
)
の仕業ではありません。おそらく
末輩
(
まっぱい
)
の小人
輩
(
ばら
)
がなした企みでしょう。私はもう忘れております」
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
同じ年配に近い同族の老人さえこう云って歯がみをすると、なおさら、子息や孫の若武者
輩
(
ばら
)
は、もう敵として立つ決意さえ眸に
研
(
と
)
ぎたてて
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「讒者。……ムム、梶原景時の
類
(
たぐい
)
か。とはいえ、あれほどご聡明な鎌倉殿が、小人
輩
(
ばら
)
の
讒言
(
ざんげん
)
などに動かされてとは考えられぬ」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
迫って来た堀
麾下
(
きか
)
、小川麾下の武者
輩
(
ばら
)
は、さすがに、一応、
戒
(
いまし
)
め合った。——この頃、
堂木山砦
(
だんぎやまとりで
)
の木下半右衛門の手勢五百も、この追撃に合し
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこには生田馬場の敗辱に気を腐らせた京極家の若侍
輩
(
ばら
)
が、
鬱憤
(
うっぷん
)
ばらしに飲み散らした酒の
宴莚
(
むしろ
)
が狼藉になってあった。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「しかし、三島あたりの町沙汰でも、義貞はじめ、官軍の公卿大将
輩
(
ばら
)
、みな勝ちに酔って、はや
凱旋凱歌
(
がいせんがいか
)
の
有頂天
(
うちょうてん
)
とあるのは事実にござりまする」
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
抛
(
ほう
)
り出すように駕を地へおろして、駕かきも
周
(
まわ
)
りの若者
輩
(
ばら
)
も、いっせいに手拭をつかみ、魚の肌みたいに濡れている胸毛の汗を拭く、顔をこする。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この若者
輩
(
ばら
)
にたいしては、相当、つね日頃から官兵衛は、苦言や
鞭撻
(
べんたつ
)
を加えている。ときどき、仲間へ入って来て
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
残る雑兵
輩
(
ばら
)
を追いちらして、趙雲は糜竺を
扶
(
たす
)
けおろした。そして敵の馬を奪って、彼を掻き乗せ、また甘夫人も別な駒に乗せて、長坂橋のほうへ急いだ。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
争って出て来たのは、みな年少の小姓
輩
(
ばら
)
であった。福島市松はその中にいない。いま
免
(
ゆる
)
しが出たので
朋輩
(
ほうばい
)
と
裸体
(
はだか
)
になって谷川へ行水を浴びに行ったという。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
するとそれを侍たちは
鞭
(
むち
)
を上げて追いかけ、
勅勘
(
ちょっかん
)
の
流人
(
るにん
)
が
布
(
ふ
)
れる説教を聞くやつ
輩
(
ばら
)
は同罪に処すぞ! ——こう呶鳴りながら、追いまわすのでございました
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「はしなく、途中の三
昧
(
まい
)
谷
(
だに
)
で、行き会うたのでおざりました。——こなたへ降って来る
御舎弟
(
ごしゃてい
)
と、若者
輩
(
ばら
)
に」
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし陳達の指揮下にある賊も、「なんの百姓
輩
(
ばら
)
が」と、門へ向って馬群をおめかせ、また
脅
(
おど
)
しの
早鉦
(
はやがね
)
だの
銅鑼
(
どら
)
を打ち鳴らした。ところが、どうして相手は
手強
(
てごわ
)
い。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
寺僧の群れと一緒に明智軍の中を駈け抜けても、武者
輩
(
ばら
)
は婦女子になど目もくれなかったであろうが、怖ろしくて近づきも得ず、ただ火の下を逃げ
惑
(
まど
)
ったのはぜひもない。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「主膳、そちは老臣
輩
(
ばら
)
をたすけて、留守役にまわれ。なにかと言いおいたこと、忘れるな」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
警板
(
けいばん
)
や
銅鑼
(
どら
)
を合図に、たちまち、九紋龍の家には小作人や
荘戸
(
しょうこ
)
(村人)の若者
輩
(
ばら
)
が、まるでよく訓練された兵隊のように集まってきて、たちまち守りを固めてしまったという。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それでも、募りに応じてきた若者
輩
(
ばら
)
は、元気に兵隊となって、劉備、関羽らの命に服した。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
卑怯な法師
輩
(
ばら
)
じゃ、学問の上のことは、当然、学問をもって
反駁
(
はんばく
)
するがよいに、
公
(
おおやけ
)
の講堂では論議せずに、暴力をもって、途上に、範宴どのを要して、無法なまねをいたすとは
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そういっても、友だち
輩
(
ばら
)
にはわかっていた。——この秋には、天皇、上皇おそろいで、ふたたび
仁和寺
(
にんなじ
)
に
行幸
(
みゆき
)
の
内儀
(
ないぎ
)
があり、同日同所において、競馬を
覧給
(
みたも
)
うと、さたされている。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なるほど、法師
輩
(
ばら
)
も、弁当をつこうておる。——法師も飯を喰うものとみえる」
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
梶原
景茂
(
かげもち
)
たちの若殿
輩
(
ばら
)
が押しかけて、酒興のあげく、景茂が静へ、
猥
(
みだ
)
らなまねに及び、かえって、静に面罵された事実は、吾妻鏡では、鶴ヶ岡の盛事があってから後日のことになっている。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
山間
(
やまあい
)
を流れてゆく水だの、ここらの山や谷のたたずまいは、麻
生
(
お
)
う
往古
(
むかし
)
、平氏や源氏のつわもの
輩
(
ばら
)
が、野に生れた道の——武家発生の
故郷
(
ふるさと
)
だった時代の景色を——何とはなく感じさせるものが
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
若い武者
輩
(
ばら
)
は、口をそろえ、玄蕃のことばのあとから玄蕃を支持した。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「その御油断こそ、院中の不平もの
輩
(
ばら
)
が
窺
(
うかが
)
う隙でござります」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「が、それを
繞
(
めぐ
)
る公卿、武家
輩
(
ばら
)
。これは一概に申せませぬ」
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あやしい奇蹟のような恐怖感に
囚
(
とら
)
われた山門下の武者
輩
(
ばら
)
は
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
山伏は、列座の法師
輩
(
ばら
)
に、一応の辞儀をして
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と返事して返し、祐筆
輩
(
ばら
)
と播磨守へ
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「えい、なんのおのれ
輩
(
ばら
)
に!」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おそらくは、側近
輩
(
ばら
)
も
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
輩
常用漢字
中学
部首:⾞
15画
“輩”を含む語句
吾輩
奴輩
朋輩
儕輩
年輩
徒輩
傍輩
彼輩
若輩
同年輩
児輩
友輩
我輩
手輩
末輩
同輩
此輩
汝輩
所化輩
前輩
...