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赤黒
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あかぐろ
ふりがな文庫
“
赤黒
(
あかぐろ
)” の例文
広田先生は又立つて書斎に
入
(
い
)
つた。
帰
(
かへ
)
つた時は、手に一巻の書物を持つてゐた。表紙が
赤黒
(
あかぐろ
)
くつて、
切
(
き
)
り
口
(
くち
)
の
埃
(
ほこり
)
で
汚
(
よご
)
れたものである。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
じゅくしたイチゴの
実
(
み
)
ばっかり、もうすっかり
赤黒
(
あかぐろ
)
くうれているのがいっぱい、雪のなかからあらわれてきたではありませんか。
森のなかの三人の小人
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
そのために、うちわの
絵
(
え
)
の
描
(
か
)
いてある
表
(
おもて
)
が、
赤黒
(
あかぐろ
)
く
焦
(
こ
)
げてしまったのです。そして、
正
(
しょう
)
ちゃんのお
母
(
かあ
)
さんも
焦
(
こ
)
げてしまいました。
遠方の母
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
十時を過ぎた頃、
一呼吸
(
ひといき
)
吐
(
つ
)
かせて、もの音は静まったが、裾を捲いて、
雷神
(
はたたがみ
)
を乗せながら、
赤黒
(
あかぐろ
)
に黄を交えた雲が
虚空
(
そら
)
へ、舞い舞い
上
(
あが
)
って、昇る
気勢
(
けはい
)
に、雨が、さあと
小止
(
おや
)
みになる。
霰ふる
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
かかるとき、
偶偶
(
たまたま
)
に
煤
(
すゝ
)
けたる
赤黒
(
あかぐろ
)
き空氣の幕が
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
▼ もっと見る
赤黒
(
あかぐろ
)
い島
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
おじいさんと、おばあさんは、その
赤黒
(
あかぐろ
)
い
粉
(
こな
)
を
飯
(
めし
)
にかけて
食
(
た
)
べました。しかし、その
香
(
にお
)
いほど、あまり、うまくはありません。
片田舎にあった話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
十
時
(
じ
)
を
過
(
す
)
ぎた
頃
(
ころ
)
、
一呼吸
(
ひといき
)
吐
(
つ
)
かせて、もの
音
(
おと
)
は
靜
(
しづ
)
まつたが、
裾
(
すそ
)
を
捲
(
ま
)
いて、
雷神
(
はたゝがみ
)
を
乘
(
の
)
せながら、
赤黒
(
あかぐろ
)
に
黄
(
き
)
を
交
(
まじ
)
へた
雲
(
くも
)
が
虚空
(
そら
)
へ、
舞
(
ま
)
ひ/\
上
(
あが
)
つて、
昇
(
のぼ
)
る
氣勢
(
けはひ
)
に、
雨
(
あめ
)
が、さあと
小止
(
をや
)
みに
成
(
な
)
る。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
御米
(
およね
)
のぶら/\し
出
(
だ
)
したのは、
秋
(
あき
)
も
半
(
なか
)
ば
過
(
す
)
ぎて、
紅葉
(
もみぢ
)
の
赤黒
(
あかぐろ
)
く
縮
(
ちゞ
)
れる
頃
(
ころ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
みんなは、
毎日
(
まいにち
)
、
潮風
(
しおかぜ
)
にさらされているとみえて、
顔
(
かお
)
の
色
(
いろ
)
が、
火
(
ひ
)
に
映
(
う
)
って、
赤黒
(
あかぐろ
)
かった。
大きなかに
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
冬
(
ふゆ
)
の
事
(
こと
)
での、
其
(
そ
)
の
前兆
(
ぜんてう
)
べい、
八尺余
(
はつしやくよ
)
も
積
(
つも
)
つた
雪
(
ゆき
)
が
一晩
(
ひとばん
)
に
融
(
と
)
けて、びしや/\と
消
(
き
)
えた。あれ
松
(
まつ
)
が
蒼
(
あを
)
いわ、と
言
(
い
)
ふ
内
(
うち
)
に、
天
(
てん
)
も
地
(
ち
)
も
赤黒
(
あかぐろ
)
く
成
(
な
)
つて、
活
(
い
)
きものと
言
(
い
)
ふ
活
(
いき
)
ものは、
泥
(
どろ
)
の
上
(
うへ
)
を
泳
(
およ
)
いだての。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
すこしくると、
魚屋
(
さかなや
)
がありました。
店
(
みせ
)
さきの
台
(
だい
)
の
上
(
うえ
)
に、
大
(
おお
)
きな
切
(
き
)
り
身
(
み
)
がおいてありました。その
肉
(
にく
)
の
色
(
いろ
)
は、おどろくばかり
毒々
(
どくどく
)
しく、
赤黒
(
あかぐろ
)
くて、かつて、
魚
(
さかな
)
では、こんなのを
見
(
み
)
たことがありません。
太陽と星の下
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
鐵
(
てつ
)
の
棒
(
ぼう
)
の
杖
(
つゑ
)
をガンといつて、
尻
(
しり
)
まくりの
逞
(
たくま
)
しい
一分刈
(
いちぶがり
)
の
凸頭
(
でこあたま
)
が「
麹町
(
かいぢまち
)
六丁目
(
ろくちやうめ
)
が
燒
(
やけ
)
とるで!
今
(
いま
)
ぱつと
火
(
ひ
)
を
吹
(
ふ
)
いた
處
(
ところ
)
だ、うむ。」と
炎天
(
えんてん
)
に、
赤黒
(
あかぐろ
)
い、
油
(
あぶら
)
ぎつた
顏
(
かほ
)
をして、
目
(
め
)
をきよろりと、
肩
(
かた
)
をゆがめて
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
赤
常用漢字
小1
部首:⾚
7画
黒
常用漢字
小2
部首:⿊
11画
“赤黒”で始まる語句
赤黒子