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豫定
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よてい
それで一
般會計には
國債を
計上しない、
特別會計では
國債を
豫定の
半額に
減ずる、
斯う
云ふ
方針を
立てたのであつた。
既に
塔の
建立も
終つたので、
最早歸途に
向ふ
一方である。
往復五日の
豫定が、
其二日目には
首尾よく
歸終に
就くやうになつたのは、
非常な
幸運である。
夜は
汽船で
明けたがどうしたのか
途中で
故障が
出來たので
土浦へ
着いたのは
豫定の
時間よりは
遙に
後れて
居た。
土浦の
町で
勘次は
鰯を
一包み
買つて
手拭で
括つてぶらさげた。
「どうだか、またいつもの
豫定だけなんでせう」
さうすると
本年の三
月の
年度末には
日本の
國債は六十
億圓になる、さうして
特別會計の
國債の
豫定の
半額は
昭和五
年度には五千五百五十
萬圓であるが
其處で
秘密藥品の
買入れや、
船舶の
雇入れに
五日間を
費すとして
吾等が
橄欖島に
赴く
事の
出來るのは、
本月の廿四
日から廿七八
日迄の
間と
豫定せらるゝから
まゝよ、
一分でも
乘後れたら
停車場から
引返さう、それが
可い、と
目指す
大阪を
敵に
取つて、
何うも
恁うはじめから
豫定の
退却を
畫策すると
云ふのは、
案ずるに
懷中のためではない。
見渡す
限り
雲煙渺茫たる
大空に
漂蕩して、
西も、
東も
定めなき
今、
何時大陸に
達して、
何時橄欖島に
赴き
得べしといふ
目的もなければ、
其内に
豫定の廿五
日も
※ぎ
尚ほ
昭和五
年度豫算の
編成に
當たつては八千五百
萬圓の
國債が一
般會計に
豫定されて
居つたのを一
切止めることにして、一
般會計には
國債は一
文も
計上しない
豫算を
作つたのである。