トップ
>
羅宇
>
らう
ふりがな文庫
“
羅宇
(
らう
)” の例文
そして、持っていた
煙管
(
パイプ
)
の
羅宇
(
らう
)
で燻っている洋灯の心を直しながら(もう夜になっていたので、)再びその煙管を口へ持って行った。
クリスマス・カロル
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
南は新しい
長裾
(
ざんさい
)
を濡らしては困ると思った。南は鞭の代りに持っている
羅宇
(
らう
)
の長い
煙管
(
きせる
)
を驢に加えた。其処は
晋陽
(
しんよう
)
の郊外であった。
竇氏
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
ふと見ると、屏風の蔭に、友禅の小蒲団をかけて、枕元に、朱
羅宇
(
らう
)
のきせるを寄せ、黒八を掛けた丹前にくるまって居た男がある。
大衆文芸作法
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
神尾主膳は、同じ家の
唐歌
(
からうた
)
という遊女の部屋に納まって、
太夫
(
たゆう
)
と
禿
(
かむろ
)
とを
侍
(
はんべ
)
らせて、
朱
(
あか
)
い
羅宇
(
らう
)
の長い
煙管
(
きせる
)
で煙草をふかしていると、
慌
(
あわただ
)
しく
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「と、とんでもございません。私はただの
羅宇
(
らう
)
なおしの
作爺
(
さくじい
)
で、お歴々の前に、身分を明かすなんのと、そんな——」
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
社
(
やしろ
)
の裏手で崖の中段にちょろ/\
煙管
(
きせる
)
の
羅宇
(
らう
)
から出る様な清水が溜って、月が映っている、
兄
(
あに
)
い
彼処
(
あすこ
)
の水は
旨
(
うめ
)
えな
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
煙脂
(
やに
)
で
塞
(
ふさ
)
がらうとして
居
(
ゐ
)
る
羅宇
(
らう
)
の
空隙
(
くうげき
)
を
透
(
とほ
)
して
煙
(
けぶり
)
が
口
(
くち
)
に
滿
(
み
)
ちる
時
(
とき
)
はつんとした
厭
(
いや
)
な
刺戟
(
しげき
)
を
鼻
(
はな
)
に
感
(
かん
)
ずるのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
引摺廻されたり、
羅宇
(
らう
)
のポッキリ折れたまで、そないに打擲されやして、
死身
(
しにみ
)
になって堪えなはったも、誰にした辛抱でもない、皆、美津さんのためやろな。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「どういう人に成って行くかサ」とお種は更に
吾子
(
わがこ
)
のことを言出して、長い
羅宇
(
らう
)
の
煙管
(
きせる
)
で
煙草
(
たばこ
)
を吸付けた。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そこで、長い
羅宇
(
らう
)
に紐を巻いて、花火筒の手軽なもののような鉄砲をつくり、中へ
煙硝
(
えんしょう
)
を
詰
(
つ
)
めて、
鏨
(
たがね
)
を鉛玉の代りに撃ち出すことを考えた。——火皿などは要らない。
銭形平次捕物控:297 花見の留守
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
はっしと火鉢をうちたる勢いに、煙管の
羅宇
(
らう
)
はぽっきと折れ、
雁首
(
がんくび
)
は空を飛んではたと
襖
(
ふすま
)
を破りぬ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
早くも右門はその逐電先が遠方でないことを知って、なお入念に調べてみると、そのときはしなくも目についたのは長火ばちの向こうにころがっていたなまめかしい朱
羅宇
(
らう
)
です。
右門捕物帖:10 耳のない浪人
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「
瓢箪
(
ひようたん
)
のやうな
恰好
(
かつこう
)
のお煙管で、さうして
羅宇
(
らう
)
の
本
(
もと
)
に
些
(
ちよつ
)
と紙の巻いてございました」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
そうして彼の意味を読もうとしたが、主人は煙管が詰ったと見えて、敬太郎の
火箸
(
ひばし
)
で
雁首
(
がんくび
)
を掘っていた。それが済んでから
羅宇
(
らう
)
の疎通をぷっぷっ試した上、そろそろと説明に取りかかった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
魚、玩具、菓子等の固定式及び移動式の呼び売人、
羅宇
(
らう
)
屋、靴直し、飾り立てた箱を持つ理髪人——これ等はそれぞれ異った呼び声を持っているが、中には名も知れぬ鳥の啼声みたいなのもある。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
その稈は
煙管
(
きせる
)
の
羅宇
(
らう
)
あるいは壁の骨などに使用する最も多し。すなわちメダケに次で有用の竹なり。この竹はメダケの姉妹種なれば、その花の状ほとんど全く相同じ。すなわち第五図に示すが如し。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
商売用の
羅宇
(
らう
)
のなおし道具は、隅に押しこめられて、狭い部屋いっぱいに、
鉋屑
(
かんなくず
)
が散らばっているんです。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
狙ひは定めてある。寸毫の狂ひは無い。主人は信心に夢中で、線香の匂ひなどは氣にもしない。長い經が始まつた。丁度潮時、眞晝の鐘が鳴る頃、
羅宇
(
らう
)
の鐵砲は鏨の玉を
銭形平次捕物控:297 花見の留守
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼
(
かれ
)
は
又
(
また
)
煙草
(
たばこ
)
を
吸
(
す
)
ひつけようとしては
羅宇
(
らう
)
に
罅
(
ひゞ
)
が
入
(
い
)
つたのを
知
(
し
)
つた。
彼
(
かれ
)
はくた/\に
成
(
な
)
つた
紙
(
かみ
)
を
袂
(
たもと
)
から
探
(
さぐ
)
り
出
(
だ
)
してそれを
睡
(
つば
)
で
濡
(
ぬ
)
らして
極
(
きは
)
めて
面倒
(
めんだう
)
にぐる/\と
其
(
そ
)
の
罅
(
ひゞ
)
を
捲
(
ま
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
……手ン手が手本を控えて、節づけと
目張
(
めっぱ
)
りッこで、謡ばかり聞いている。夢中で浮かれ出すと、ウウウと頭を
掉
(
ふ
)
って、
羅宇
(
らう
)
の中を
脂
(
やに
)
が通るような声を出すんだから
堪
(
たま
)
りゃしません。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
自分の孫が夏休で学校の方から帰って来たかのように、お婆さんは捨吉に話し聞かせて、長い
羅宇
(
らう
)
の
煙管
(
きせる
)
で一服やった。このお婆さんが細君のことを話す調子には実の娘を思う親しさが
籠
(
こも
)
っていた。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
羅宇
(
らう
)
の長き
煙管
(
きせる
)
にて
国分
(
こくぶ
)
をくゆらしいたる母は目を
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
狙いは定めてある。
寸毫
(
すんごう
)
の狂いはない。主人は信心に夢中で、線香の匂いなどは気にもしない。長い経が始まった。ちょうど潮時、真昼の鐘が鳴るころ、
羅宇
(
らう
)
の鉄砲は鏨の玉を
銭形平次捕物控:297 花見の留守
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼
(
かれ
)
は
煙管
(
きせる
)
を
手
(
て
)
にすることが
慾念
(
よくねん
)
を
忘
(
わす
)
れ
得
(
う
)
る
方法
(
はうはふ
)
でないことを
知
(
し
)
つて、
彼
(
かれ
)
は
丁度
(
ちやうど
)
他人
(
たにん
)
に
對
(
たい
)
する
或
(
ある
)
憤懣
(
ふんまん
)
の
情
(
じやう
)
から
當
(
あ
)
てつけに
自分
(
じぶん
)
の
愛兒
(
あいじ
)
を
夥
(
したゝ
)
かに
打
(
う
)
ち
据
(
す
)
ゑる
者
(
もの
)
のやうに
羅宇
(
らう
)
を
踏
(
ふ
)
み
潰
(
つぶ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
羅宇屋
(
らうや
)
の作爺さん……上に
煙管
(
きせる
)
を立てた、
抽斗
(
ひきだし
)
つきの箱を背負って、街へ出る。きせるの長さは、八寸にきまっていたもので、七寸を
殿中
(
でんちゅう
)
といった。価は八
文
(
もん
)
、長煙管の
羅宇
(
らう
)
は、十二
文
(
もん
)
以上の
定
(
さだ
)
め。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「
羅宇
(
らう
)
が出来たけえ、……持って来たですッ。」
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
二尺も長い
羅宇
(
らう
)
をすげた煙管が、一本や二本はありましょう
銭形平次捕物控:297 花見の留守
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
羅宇
(
らう
)
が
真中
(
まんなか
)
から折れた。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
二尺も長い
羅宇
(
らう
)
をすげた煙管が、一本や二本はありませう
銭形平次捕物控:297 花見の留守
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「その
羅宇
(
らう
)
の鐵砲を誰が何處へ隱したんでせう、親分」
銭形平次捕物控:297 花見の留守
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
羅
常用漢字
中学
部首:⽹
19画
宇
常用漢字
小6
部首:⼧
6画
“羅宇”で始まる語句
羅宇屋
羅宇直
羅宇屋煙管
羅宇木介