“慾念”の読み方と例文
読み方割合
よくねん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
実に当然のおしえであるが、かく述べられた太子の心底には、醜怪な政争や人間の無残な慾念よくねんが、地獄絵のごとく映じていたのでもあろうか。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
お前さんの慾念よくねんが深いからだ、だが、災難はもうすぎたらしい、これから杭州に帰って、修身立命の人にならなくてはいけない、もし再びこんなことがあったら
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
血気な男が、かかる折から、おのずから猟奇と好色の慾念よくねんおどって、年の頃人の妻女か、素人ならば手でなさけを通わせようし、夜鷹よたかならば羽掻はがいをしめて抱こうとしたろう。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)