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縱横
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じゆうわう
門は
例の
通り
開つ
放しだから
敲く
世話も
入ず、
二人はずん/\と
内へ
入つて
見たが
草木が
縱横に
茂つて
居るのでラクダルの
居所も
一寸知れなかつた。
封じ
目ときて
取出せば
一尋あまりに
筆のあやもなく、
有難き
事の
數々、
辱なき
事の
山々、
思ふ、
戀ふ、
忘れがたし、
血の
涙、
胸の
炎、
此等の
文字を
縱横に
散らして
彼はそれでも
根よく
白い
瓦斯絲を
縱横に
畑の
上に
引つ
張つてひら/\と
燭奴を
吊つて
威して
見た。
水谷幻花氏と
同じ
社に
居る
縱横杉村廣太郎氏は、
兒島翁とも
知り、
又令息とも
交際られて
居るので、
談、
邸内の
遺跡に
亘つた
時に、
吾社にこれ/\の
人が
居るといふ
事から
話が
進んで
兎角する
間に
今迄は、
其邊を
縱横に
暴廻つて
居つた
沙魚は、
其氣味惡き
頭を
南方に
向けて、
恰も
矢を
射るやうに
駛り
出した。
端艇も
共に
曳かれて、
疾風のやうに
駛るのである。
私はいよ/\
必死だ。
時に
神學の
議論まで
現はれて一しきりはシガーの
煙を
熢々濛々たる
中に
六七の
人面が
隱見出沒して、
甲走つた
肉聲の
幾種が
一高一低、
縱横に
入り
亂れ、これに
伴ふ
音樂はドスンと
卓を
打つ
音
斷崖の
尖端に
立ち、
聲を
限りに
叫びつゝ
火光を
縱横に
振廻した。