留守番るすばん)” の例文
瓜子姫子うりこひめこはあとに一人ひとり、おとなしくお留守番るすばんをして、あいかわらず、とんからりこ、とんからりこ、ぎいぎいばったん、はたっていました。
瓜子姫子 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
それからはぼくにうちで留守番るすばんさせて、このスープの見張みはりを言いつけた。毎朝出て行くまえに肉と野菜やさいをなべに入れて、ふたにじょうをかってしまう。
そして、よるは、この学校がっこうまって、留守番るすばんをしていました。ゆきがたくさんにもると、老先生ろうせんせいも、ふゆあいだだけ、学校がっこう寄宿きしゅくされることもありました。
空晴れて (新字新仮名) / 小川未明(著)
いわば、いつも留守番るすばんをしたり、送りむかえをしてくれる二人の息子をなぐさめるための計画であり、久しぶりに月給をもらったひそかな心祝いでもあった。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
「あのなかの、小幡民部こばたみんぶ咲耶子さくやこ山県蔦之助やまがたつたのすけなどは、小太郎山こたろうざんのとりでに、留守番るすばんをしているそうです」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
途法とはふにくれた蘿月らげつはおとよの帰つて来るまで、否応いやおうなく留守番るすばんにとうちの中に取り残されてしまつた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
別荘には留守番るすばんじいさんが一人いましたが、これは我々と出違でちがいに自分のうちへ帰りました。それでも拭掃除ふきそうじのためや水を汲むために朝夕あさゆう一度ぐらいずつは必ず来てくれます。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
B ぼく友人いうじんには、旅行中りよかうちう毎日まいにちかならず三留守番るすばん細君さいくん葉書はがきひとがあるよ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
「ああ、それがいい。じゃあ、お母さんに留守番るすばんを願って、三人で表へ出ましょう」
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
私は寝ている娘を起して留守番るすばんをさせ、すぐ外套がいとうをひっかけて出ていった。F病院の表戸はもうしまっていたので私は裏口うらぐちへまわり、足音をしのばせるようにして二階の病室へあがった。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
そして一人留守番るすばんのときの用心に、いつものように入口にかぎをかけ、電燈でんとうを消して、蚊帳かやの中に這入はいり、万一しのむものがあるときのおどしに使う薄荷はっか入りの水ピストルを枕元まくらもとへ置いた。
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
留守番るすばんのばあやは金を貰っていながら、気味きみわるがっています。昨夜ゆうべもそうです。蝋山教授をだまして、不明の目的のために四郎の屍体したいを解剖させているうちに、怪漢かいかんを呼んで屍体を奪わせた。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ひとり坐りし留守番るすばんのそのおうなこそさみしけれ。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
どれどれ、ちょっとうらの山へ行ってまきをってますから、おぼうさま、しばらく退屈たいくつでもお留守番るすばんをおたのもうします。
安達が原 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
女ばかりでよる不用心ぶようじんだから銀行の整理のつくまで泊りに来て留守番るすばんをしてくれ、小説が書きたければ自由に書くがいい、図書館へ行くなら弁当を持って行くがいい、午後はを習いに行くがいい。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ある日、和尚おしょうさんは、御法事ごほうじばれて行って、小僧こぞう一人ひとりでお留守番るすばんをしていました。おきょうみながら、うとうと居眠いねむりをしていますと、玄関げんかん
和尚さんと小僧 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ある日おとうさんとおかあさんは、らへお百姓ひゃくしょうのしごとをしに行くときに、女の子を一人ひとり留守番るすばんのこして
山姥の話 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
女の子はそのに木の上からりて、ぬまきしのくまざさをけて、げて行きますと、一けん小屋こやがありました。中へはいると、わかい女の人が一人ひとり留守番るすばんをしていました。
山姥の話 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「おとうさん、おとなしくお留守番るすばんをしますから、おみやげをってきてくださいな。」
松山鏡 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
おかあさんはまちまでものに行ってます。じきかえってますから、三にんなかよくお留守番るすばんをするのですよ。をしっかりしめて、みんなでおとなしくうちの中にはいっておいでなさい。
物のいわれ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
瓜子姫子うりこひめこ、よくお留守番るすばんをしていたね。さぞさびしかったろう。」
瓜子姫子 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)