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燃
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もゆ
ふりがな文庫
“
燃
(
もゆ
)” の例文
此地火一に
陰火
(
いんくわ
)
といふ。かの
如法寺村
(
によほふじむら
)
の陰火も
微風
(
すこしのかぜ
)
の
気
(
き
)
いづるに
発燭
(
つけぎ
)
の火をかざせば
風気
(
ふうき
)
手
(
て
)
に
応
(
おう
)
じて
燃
(
もゆ
)
る、
陽火
(
やうくわ
)
を
得
(
え
)
ざれば
燃
(
もえ
)
ず。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
燃
(
もゆ
)
るよろこびよ。その
響
(
ひびき
)
空気をつんざく。神経は破れて死ぬべくも覚えつゝ、いかにせん、又生きんとする願ひになやむ。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
徐大盡
(
じよだいじん
)
眞前
(
まつさき
)
に、ぞろ/\と
入
(
はひ
)
ると、
目
(
め
)
も
眩
(
くら
)
むやうな
一面
(
いちめん
)
の
櫨
(
はじ
)
の
緋葉
(
もみぢ
)
、
火
(
ひ
)
の
燃
(
もゆ
)
るが
如
(
ごと
)
き
中
(
なか
)
に、
紺青
(
こんじやう
)
の
水
(
みづ
)
あつて、
鴛鴦
(
をしどり
)
がする/\と
白銀
(
しろがね
)
を
流
(
なが
)
して
浮
(
うか
)
ぶ。
画の裡
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
林は全く
黄葉
(
きば
)
み、
蔦紅葉
(
つたもみぢ
)
は、
真紅
(
しんく
)
に染り、霧起る時は
霞
(
かすみ
)
を
隔
(
へだて
)
て花を見るが如く、日光直射する時は露を帯びたる葉毎に幾千万の真珠碧玉を連らねて全山
燃
(
もゆ
)
るかと思はれた。
空知川の岸辺
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
狂ひ出でんずる息を
厳
(
きびし
)
く閉ぢて、
燃
(
もゆ
)
るばかりに
瞋
(
いか
)
れる
眼
(
まなこ
)
は放たず名刺を見入りたりしが、さしも内なる千万無量の思を
裹
(
つつ
)
める一点の涙は不覚に
滾
(
まろ
)
び
出
(
い
)
でぬ。こは怪しと思ひつつも婆は
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
余はただ心の中に
燃
(
もゆ
)
る
思念
(
おもい
)
に強いられ止むを得ず筆を執ったのである。
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
燃
(
もゆ
)
る
滴
(
したたり
)
。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
此地火一に
陰火
(
いんくわ
)
といふ。かの
如法寺村
(
によほふじむら
)
の陰火も
微風
(
すこしのかぜ
)
の
気
(
き
)
いづるに
発燭
(
つけぎ
)
の火をかざせば
風気
(
ふうき
)
手
(
て
)
に
応
(
おう
)
じて
燃
(
もゆ
)
る、
陽火
(
やうくわ
)
を
得
(
え
)
ざれば
燃
(
もえ
)
ず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
満面に
燃
(
もゆ
)
るがごとき怒気を含んで、頂の方を仰ぎながら、靴音を沈めて、石段を
攀
(
よ
)
じて、松の
梢
(
こずえ
)
に隠れたのがあった。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
地平線の上に
腕
(
かいな
)
を長くさしのべなば、われは
燃
(
もゆ
)
るかの土と
紅色
(
くれない
)
の
石榴
(
ざくろ
)
とに触れもやせん。
金光
(
きんこう
)
燦爛
(
さんらん
)
たる国土かな。鳥飛ばず、曇りもえせず、色もあせざる空の下。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
と声をかけて、と見るとこれが音に聞えた、
燃
(
もゆ
)
るような朱の唇、ものいいたさを先んじられて紅梅の花
揺
(
ゆら
)
ぐよう。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此書
(
このしよ
)
の前編上の
巻
(
まき
)
雪中の火といふ
条
(
くだり
)
に、六日町の(魚沼郡)西の山手に
地中
(
ちちゆう
)
より火の
燃
(
もゆ
)
る事をしるせしが、地獄谷の火の㕝をもらせしゆゑこゝにしるす。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
今秋不思議にも災禍を
免
(
まぬか
)
れたわが
家
(
や
)
の庭に冬は早くも音ずれた。筆を
擱
(
お
)
いてたまたま窓外を見れば半庭の斜陽に、熟したる梔子
燃
(
もゆ
)
るが如く、人の来って摘むのを待っている……。
十日の菊
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
此書
(
このしよ
)
の前編上の
巻
(
まき
)
雪中の火といふ
条
(
くだり
)
に、六日町の(魚沼郡)西の山手に
地中
(
ちちゆう
)
より火の
燃
(
もゆ
)
る事をしるせしが、地獄谷の火の㕝をもらせしゆゑこゝにしるす。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
迎うるごとく、送るがごとく、窓に
燃
(
もゆ
)
るがごとく見え
初
(
そ
)
めた妙義の
錦葉
(
もみじ
)
と、
蒼空
(
あおぞら
)
の雲のちらちらと白いのも、ために、
紅
(
べに
)
、
白粉
(
おしろい
)
の
粧
(
よそおい
)
を助けるがごとくであった。
革鞄の怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
燃
(
もゆ
)
る氷塊。凍る
焔
(
ほのお
)
。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
火燧
(
ひうち
)
をもて
発燭
(
つけぎ
)
に火を
点
(
てん
)
じ
試
(
こゝろみ
)
に池中に
投
(
なげ
)
いれしに、
池中
(
ちちゆう
)
火を
出
(
いだ
)
せし事
庭燎
(
にはび
)
のごとし。水上に火
燃
(
もゆ
)
るは妙法寺村の火よりも
奇
(
き
)
也として
駅中
(
えきちゆう
)
の人々
来
(
きた
)
りてこれを
視
(
み
)
る。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
対
(
むこ
)
うなる、海の
面
(
おも
)
にむらむらと
蔓
(
はびこ
)
った、鼠色の濃き雲は、
彼処
(
かしこ
)
一座の山を包んで、まだ
霽
(
は
)
れやらぬ
朝靄
(
あさもや
)
にて、もの
凄
(
すさま
)
じく空に
冲
(
ひひ
)
って、
焔
(
ほのお
)
の
連
(
つらな
)
って
燃
(
もゆ
)
るがごときは、やがて九十度を越えんずる
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
上より
自在
(
じざい
)
をさげ、此火に酒の
燗
(
かん
)
をなしあるひは
茶
(
ちや
)
を
煎
(
せんじ
)
、夜は
燈火
(
ともしび
)
とす。さて
熟
(
つら/\
)
此火を視るに、
筩
(
つゝ
)
をはなるゝこと一寸ばかりの上に
燃
(
もゆ
)
る、扇にあふげば
陽火
(
やうくわ
)
のごとくに
消
(
きゆ
)
る。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
燃
常用漢字
小5
部首:⽕
16画
“燃”を含む語句
燃料
燃燒
燃立
燃火
燃尽
燃木
燃上
燃殻
燃滓
燃焼
燃残
頭燃
再燃
燃草
燃出
燃盛
如救頭燃
航空用燃料
白燃鉄
燃進
...