本分ほんぶん)” の例文
貴樣達きさまたちはあのとき中根なかね行爲かうゐわらつたかもれん。しかし、中根なかねまさしく軍人ぐんじんの、歩兵ほへい本分ほんぶんまもつたものだ。えらい、えらい‥‥」
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
「すでに伊那丸君いなまるぎみがごさいごとわかった以上いじょうは、いさぎよくおともをして、臣下しんか本分ほんぶんをまっとういたしとうござります」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、このうはさはやくも軍艦ぐんかん」の全體ぜんたいつたはつたが、れもその本分ほんぶんわすれて「どれ、どんなをとこだ」などゝ、我等われらそばんでやう不規律ふきりつことすこしもく。
編者未だ識別しきべつすることあたざれどもしはたしてしんならしめば吉宗よしむねぬしが賢明けんめいなるは言計いふばかりもなくにせにせとして其のあくあばかんすきぞくめつするは之奉行職の本分ほんぶんなれば僞者にせものの天一坊を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其所そこは、一ぱうおいては、新聞記者しんぶんきしや職務しよくむもつて、一ぱうおいては、太古遺跡研究會幹事たいこゐせきけんきうくわいかんじ本分ほんぶんもつて、坪井博士監督つぼゐはかせかんとくもとおこなはれる所謂いはゆる穴樣大發掘あなさまだいはつくつ參觀さんくわん出張しゆつちやうすることとはなつた。
さればとて香爐峯かうろほうゆきみすをまくの才女さいぢよめきたるおこなひはいさゝかも深窓しんそうはるふかくこもりて針仕事はりしごと女性によしやう本分ほんぶんつく心懸こゝろがまこと殊勝しゆしようなりき、いへ孝順かうじゆんなるはいでかならず貞節ていせつなりとか
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
榎本氏が主戦論をとりて脱走だっそうし、ついに力きてくだりたるまでは、幕臣ばくしん本分ほんぶんそむかず、忠勇の功名なりといえども、降参こうさん放免ほうめんのちに更に青雲の志を発して新政府のちょう富貴ふうきを求め得たるは
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
つくせや男児だんじ本分ほんぶんを、赤心せきしん
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
みんな本分ほんぶんをつくせばいいんだ