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しゆもく
ふりがな文庫
“
撞木
(
しゆもく
)” の例文
客があると叩くやうに、でつかい
撞木
(
しゆもく
)
をその板の上の釘に掛けてある、それを誰か二つ三つ氣ぜはしく叩くんだ。
銭形平次捕物控:209 浮世絵の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
袴
(
はかま
)
を
着
(
つ
)
けた
男
(
をとこ
)
は、
臺
(
だい
)
の
上
(
うへ
)
にある
撞木
(
しゆもく
)
を
取
(
と
)
り
上
(
あ
)
げて、
銅鑼
(
どら
)
に
似
(
に
)
た
鐘
(
かね
)
の
眞中
(
まんなか
)
を
二
(
ふた
)
つ
程
(
ほど
)
打
(
う
)
ち
鳴
(
な
)
らした。さうして、ついと
立
(
た
)
つて、
廊下口
(
らうかぐち
)
を
出
(
で
)
て、
奧
(
おく
)
の
方
(
はう
)
へ
進
(
すゝ
)
んで
行
(
い
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
かう言つて、其人達は
撞木
(
しゆもく
)
を握つて、鐘を撞いた。鐘は震へるやうな響をあたりに漲らせた。
百日紅
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
曉
(
あかつき
)
の
霜
(
しも
)
を
裂
(
さ
)
き、
夕暮
(
ゆふぐれ
)
の
霧
(
きり
)
を
分
(
わ
)
けて、
山姫
(
やまひめ
)
が
撞木
(
しゆもく
)
を
當
(
あ
)
てて、もみぢの
紅
(
くれなゐ
)
を
里
(
さと
)
に
響
(
ひゞ
)
かす、
樹々
(
きゞ
)
の
錦
(
にしき
)
の
知
(
し
)
らせ、と
見
(
み
)
れば、
龍膽
(
りんだう
)
に
似
(
に
)
て
俯向
(
うつむ
)
けに
咲
(
さ
)
いた、
半鐘
(
はんしよう
)
の
銅
(
あかゞね
)
は、
月
(
つき
)
に
紫
(
むらさき
)
の
影
(
かげ
)
を
照
(
て
)
らす。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
かん/\と
凍
(
こほ
)
つて
鳴
(
な
)
る
鉦
(
かね
)
の
音
(
ね
)
が
沈
(
しづ
)
んだ
村落
(
むら
)
の
空氣
(
くうき
)
に
響
(
ひゞ
)
き
渡
(
わた
)
つた。
希望
(
きばう
)
と
娯樂
(
ごらく
)
とに
唆
(
そゝの
)
かされて
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
た
老人等
(
としよりら
)
は
悉皆
(
みんな
)
、
其
(
そ
)
の
左
(
ひだり
)
の
手
(
て
)
に
提
(
さ
)
げて
撞木
(
しゆもく
)
で
叩
(
たゝ
)
いて
居
(
ゐ
)
る
鉦
(
かね
)
の
響
(
ひびき
)
を
後
(
おく
)
れるな
急
(
いそ
)
げ/\と
耳
(
みゝ
)
に
聞
(
き
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
撞木
(
しゆもく
)
は非常に重く感じられた。栄蔵の腕が細かつたのである。だんだん撞木に勢がついて来たところで、最後の一振りを大きく振ると、体もともにぶつけるやうに撞木と一緒に走つて、一つきついた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
小
(
ち
)
さき鐘
撞木
(
しゆもく
)
とりそへ
吊
(
つる
)
したりこの
家
(
や
)
のはひりすがしとも見よ
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
病人と
撞木
(
しゆもく
)
に寝たる
夜寒
(
よさむ
)
かな
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
入口の響板の上に
撞木
(
しゆもく
)
を吊してあるだらう、一本の凧糸をその撞木に引つかけて、
庇
(
ひさし
)
の下をそつと縁側に引き、小半次は縁側へ出てお前と話しながら、その糸を引いたのさ。
銭形平次捕物控:209 浮世絵の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
人
(
ひと
)
のする
如
(
ごと
)
くに
鐘
(
かね
)
を
打
(
う
)
つた。しかも
打
(
う
)
ちながら、
自分
(
じぶん
)
は
人並
(
ひとなみ
)
に
此
(
この
)
鐘
(
かね
)
を
撞木
(
しゆもく
)
で
敲
(
たゝ
)
くべき
權能
(
けんのう
)
がないのを
知
(
し
)
つてゐた。それを
人並
(
ひとなみ
)
に
鳴
(
な
)
らして
見
(
み
)
る
猿
(
さる
)
の
如
(
ごと
)
き
己
(
おの
)
れを
深
(
ふか
)
く
嫌忌
(
けんき
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
に、
次手
(
ついで
)
に
主人
(
あるじ
)
が
話
(
はな
)
して
聞
(
き
)
かせたんです……
私
(
わたし
)
はたゞ
其
(
そ
)
の
鉦
(
かね
)
の
音
(
ね
)
が
耳
(
みゝ
)
について
耳
(
みゝ
)
に
着
(
つ
)
いて、
少
(
すこ
)
しでも、うと/\としようとすれば、
枕
(
まくら
)
に
撞木
(
しゆもく
)
を
當
(
あ
)
てて、カン/\と
鳴
(
な
)
るんですもの……
昔
(
むかし
)
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
小
(
ち
)
さき鐘
撞木
(
しゆもく
)
とりそへ
吊
(
つる
)
したりこの
家
(
や
)
のはひりすがしとも見よ
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
歌が
巧
(
たく
)
みで、踊りの地もあり、身輕な藝は不得手ですが、水藝や小手先の手品、さう言つたもので客を呼び、妹のお玉の方は十六七、これは
輕捷
(
けいせふ
)
な身體が
身上
(
しんしやう
)
で、綱渡りから竹乘り、
撞木
(
しゆもく
)
飛び
銭形平次捕物控:151 お銀お玉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
撞木
(
しゆもく
)
などの間を
猿
(
ましら
)
のやうにサツと昇りました。
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“撞木”の意味
《名詞》
撞木(しゅもく)
磬などを打って鳴らすためのT字形の棒。
鐘を撞いて鳴らす棒。
(出典:Wiktionary)
撞
漢検準1級
部首:⼿
15画
木
常用漢字
小1
部首:⽊
4画
“撞木”で始まる語句
撞木杖
撞木町
撞木刀
撞木形
撞木擦
撞木橋
撞木返
撞木鮫
撞木野郎