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打石斧
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だせきふ
此邊までは
能く
來るのだ。
迂路つき
廻るので
既に三
里以上歩いたに
關らず、一
向疲勞せぬ。
此時既に
打石斧十四五
本を
二人で
拾つて
居た。
これは
地の
理を
得て
居るから、
斯う
打石斧を
多く
集められたのである。
玉川沿岸には
打石斧が
多い。
其處の
何處へ
行くのにも
余の
宅は
近く
且つ
都合が
好い。
待てども/\
遣つて
來ぬので、ハンマーを
持つて
往還をコツ/\
穿ち、
打石斧の
埋れたのなど
掘出して
居たが、それでも
來ない。
仕方が
無いので
此方の
二人は、
先きへ
寺の
中に
入つた。
其間、
正午になつたので、
一先づ
座敷へ
引揚げ、
晝餐の
饗應を
受け、それから
又發掘に
掛つたが、
相變らず
破片が
出る
位。
漸くそれでも
鯨骨の
一片と、
石槌、
打石斧、
石皿の
破片など
掘出した。