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手頃
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てごろ
ふりがな文庫
“
手頃
(
てごろ
)” の例文
「この小屋が
手頃
(
てごろ
)
。こん夜からわしもここに泊るから、おまえ達も気のどくだが、二、三人ずつ
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る看護にここへ泊ってくれい」
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『
此
(
この
)
畜類
(
ちくるゐ
)
、まだ
往生
(
わうじやう
)
しないか。』と、
手頃
(
てごろ
)
の
鎗
(
やり
)
を
捻
(
ひね
)
つて
其
(
その
)
心臟
(
しんぞう
)
を
貫
(
つらぬ
)
くと、
流石
(
さすが
)
の
猛獸
(
まうじう
)
も
堪
(
たま
)
らない、
雷
(
いかづち
)
の
如
(
ごと
)
く
唸
(
うな
)
つて、
背部
(
うしろ
)
へドツと
倒
(
たを
)
れた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
親分と唖の巳代吉の間はいよ/\
睨合
(
にらみあい
)
の姿となった。或日巳代吉は
手頃
(
てごろ
)
の
棒
(
ぼう
)
を押取って親分に打ってかゝった。親分も
麺棒
(
めんぼう
)
をもって渡り合った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
すべてこの沿岸はその時分から
重
(
おも
)
に学生の集まる所でしたから、どこでも我々にはちょうど
手頃
(
てごろ
)
の海水浴場だったのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
旗男は義兄を助けるために、なにか
手頃
(
てごろ
)
の得物がないかと、湯殿の中を見まわした。そのとき眼にうつったのは、
斜
(
ななめ
)
に立てかけてある長い
旗竿
(
はたざお
)
だった。
空襲警報
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
御相談と申すはかの妾宅の一件御存じの如く
兼々
(
かねがね
)
諸処心当りへ依頼
致置
(
いたしおき
)
候処昨日
手頃
(
てごろ
)
の売家二軒有之候由周旋屋の手より通知に接し会社の帰途一応見歩き申候。
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それから西へ廻って長崎県の
下五島
(
しもごとう
)
にもネンガラ打ちの遊びがあり、さらに熊本県の
天草下島
(
あまくさしもじま
)
でも旧十一月
丑
(
うし
)
の日の山の神祭の前に子どもが、
手頃
(
てごろ
)
の木を
伐
(
き
)
って来て
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
私は
手頃
(
てごろ
)
なボール箱を持ち出して、その中をあたかもビルディングの如く、厚紙で五階に仕切り、沢山の部屋を作り階段をつけ、各部屋への通路には
勿論
(
もちろん
)
入口を設け、窓を作り
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
此頃はいまだ
田
(
た
)
も
圃
(
はた
)
も
平一面
(
ひらいちめん
)
の雪の上なれば、たはたの上をさらし場とするもあり、日の内にさらし
場
(
ば
)
を
踏
(
ふみ
)
へしたる処あれば、
手頃
(
てごろ
)
の
板
(
いた
)
に
柄
(
え
)
をつけたる物にて雪の上を
平
(
たひら
)
かにならしおく也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
で、そのみなせのみやをとぶらうのがこの時刻から出かけるのにはいちばん
手頃
(
てごろ
)
であった。やまざきまでなら汽車で行ってもすぐだけれども阪急で行って
新京阪
(
しんけいはん
)
にのりかえればなお訳はない。
蘆刈
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
『ほんにそうでございました。
丁度
(
ちょうど
)
ここに
手頃
(
てごろ
)
の
腰掛
(
こしか
)
けがございます。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
私が
茨海
(
ばらうみ
)
の野原に行ったのは、
火山弾
(
かざんだん
)
の
手頃
(
てごろ
)
な標本を採るためと、それから、あそこに野生の
浜茄
(
はまなす
)
が生えているという
噂
(
うわさ
)
を、確めるためとでした。浜茄はご承知のとおり、海岸に生える植物です。
茨海小学校
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
剥
(
むき
)
だし是程に言ても
聞分
(
きゝわけ
)
ぬ
強情
(
がうじやう
)
阿魔
(
あま
)
め然らば此所で打殺し川へ
投込
(
なげこむ
)
覺悟
(
かくご
)
をしろと
手頃
(
てごろ
)
の木の
枝
(
えだ
)
追取て
散々
(
さん/″\
)
に打けるをお梅は片邊に見居たりしが
迯出
(
にげいだ
)
さんとする所を
雲助
(
くもすけ
)
眼早
(
めばや
)
く見咎めて爰にも人が居を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
といいながら、
照彦
(
てるひこ
)
様は初心の
手頃
(
てごろ
)
の弓を
択
(
え
)
って渡した。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
手頃
(
てごろ
)
なものであるだろう。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
宗助
(
そうすけ
)
はそれから
湯
(
ゆ
)
を
浴
(
あ
)
びて、
晩食
(
ばんめし
)
を
濟
(
す
)
まして、
夜
(
よる
)
は
近所
(
きんじよ
)
の
縁日
(
えんにち
)
へ
御米
(
およね
)
と
一所
(
いつしよ
)
に
出掛
(
でか
)
けた。さうして
手頃
(
てごろ
)
な
花物
(
はなもの
)
を
二鉢
(
ふたはち
)
買
(
か
)
つて、
夫婦
(
ふうふ
)
して
一
(
ひと
)
つ
宛
(
づゝ
)
持
(
も
)
つて
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
手頃
(
てごろ
)
の柱だ。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
三四郎が何か云はうとすると、足の前に
泥濘
(
ぬかるみ
)
があつた。四尺許りの所、土が
凹
(
へこ
)
んで水がぴた/\に
溜
(
たま
)
つてゐる。其
真中
(
まんなか
)
に足掛りの為に
手頃
(
てごろ
)
な石を置いたものがある。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
頃
常用漢字
中学
部首:⾴
11画
“手”で始まる語句
手
手拭
手前
手巾
手繰
手許
手向
手綱
手際
手燭