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しよさ
ふりがな文庫
“
所作
(
しよさ
)” の例文
「——あの晩、芝居嫌ひなお孃さんが、不思議に夢中になつて、まるで熱に浮かされたやうに、
小磯扇次
(
こいそせんじ
)
の
所作
(
しよさ
)
を見て居りました」
銭形平次捕物控:270 転婆娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼女は、水盤に近づいて、その上に身を
屈
(
かゞ
)
め、恰も彼女の水瓶を滿すやうな
所作
(
しよさ
)
をした。そしてそれを再び頭の上に載せた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
火事
(
くわじ
)
見舞
(
みまひ
)
に
行
(
ゆ
)
く
間際
(
まぎは
)
に、
細
(
こま
)
かい
地圖
(
ちづ
)
を
出
(
だ
)
して、
仔細
(
しさい
)
に
町名
(
ちやうめい
)
や
番地
(
ばんち
)
を
調
(
しら
)
べてゐるよりも、ずつと
飛
(
と
)
び
離
(
はな
)
れた
見當違
(
けんたうちがひ
)
の
所作
(
しよさ
)
を
演
(
えん
)
じてゐる
如
(
ごと
)
く
感
(
かん
)
じた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
家流の舞蹈は
概
(
おほむ
)
ね
所作
(
しよさ
)
にて之を見る者なれば、爰に言はず、所謂足取、手振、其一部の形式に到りては、遂に我劇界の一疑問とならずんばあらず。
劇詩の前途如何
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
僕はそこにある舞台の外に背景や照明や登場人物の——大抵は僕の
所作
(
しよさ
)
を書かうとした。
或旧友へ送る手記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
大藝術家の夫人が窓越しに弟子の話すのを許すと云ふさばけた
所作
(
しよさ
)
をさう思ふのであつた。此處からはずつと向うが見渡される。起伏した丘にあるムウドンの
家竝
(
やなみ
)
や形の好い陸橋なども見える。
巴里の旅窓より
(旧字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
大芸術家の夫人が窓越しに弟子の話すのを許すと云ふさばけた
所作
(
しよさ
)
をさう思ふのであつた。
此処
(
ここ
)
からはずつと
向
(
むか
)
うが見渡される。起伏した丘にあるムウドンの
家並
(
やなみ
)
や形の
好
(
い
)
い
陸橋
(
をかばし
)
なども見える。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
特
(
こと
)
に参りたる甲斐はありけり、菩薩も定めしかゝる折のかゝる
所作
(
しよさ
)
をば
善哉
(
よし
)
として必ず
納受
(
なふじゆ
)
し玉ふなるべし、今宵の心の澄み切りたる此の
清
(
すゞ
)
しさを何に比へん、あまりに有り難くも尊く覚ゆれば
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
下
(
しも
)
の
流
(
ながれ
)
を
向
(
む
)
いて、
恁
(
か
)
う、
顏
(
かほ
)
を
洗
(
あら
)
ふ、と
云
(
い
)
ふ
所作
(
しよさ
)
で
居
(
ゐ
)
た。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
所作
(
しよさ
)
になげくや、ただひとり
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
御茶の
水
(
みづ
)
で電車を
降
(
お
)
りて、すぐ
俥
(
くるま
)
に乗つた。いつもの三四郎に似合はぬ
所作
(
しよさ
)
である。威勢よく赤門を引き込ませた時、法文科の
号鐘
(
ベル
)
が鳴り出した。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「私たちは、あなたがどんな子だか、あなたの
所作
(
しよさ
)
通りに考へませう。そのまゝで、いゝ子のやうにやつてゐらつしやい、さうすれば私は滿足するのよ。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「面白いな八、明日は俺が行つて、娘の
所作
(
しよさ
)
を見極めよう。そいつは何んか理由がありさうだ」
銭形平次捕物控:138 第廿七吉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
学問でもする事か、フルベツキさんに英吉利西の
語
(
ことば
)
を習つても三月足らずで
止
(
や
)
めて
了
(
しま
)
ふし、何かなし
若
(
わか
)
い娘さん達の
中
(
なか
)
で野呂々々と遊んで居たい、肩上を取つたばかしの十八の子の
所作
(
しよさ
)
ぢや無い。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
細
(
ほそ
)
い
竹
(
たけ
)
を
袖
(
そで
)
に
通
(
とほ
)
して、
落
(
お
)
ちない
樣
(
やう
)
に、
扇骨木
(
かなめ
)
の
枝
(
えだ
)
に
寄
(
よ
)
せ
掛
(
か
)
けた
手際
(
てぎは
)
が、
如何
(
いか
)
にも
女
(
をんな
)
の
子
(
こ
)
の
所作
(
しよさ
)
らしく
殊勝
(
しゆしよう
)
に
思
(
おも
)
はれた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「娘の
所作
(
しよさ
)
なんか、俺に訊いたつてわかるものか。袂を裏返したのは、
蚤
(
のみ
)
をさがすためで、爪を噛んだのは、
癇
(
かん
)
のせゐで、眼をつぶつたのは、眼に
埃
(
ほこり
)
が入つた爲とでもして置け」
銭形平次捕物控:239 群盗
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
藏
(
くら
)
の
中
(
なか
)
から
大事
(
だいじ
)
さうに
取
(
と
)
り
出
(
だ
)
して
來
(
き
)
たと
云
(
い
)
ふ
所作
(
しよさ
)
を
付
(
つ
)
け
加
(
くは
)
へて
考
(
かんが
)
へると、
自分
(
じぶん
)
が
持
(
も
)
つてゐた
時
(
とき
)
よりは
慥
(
たしか
)
に十
倍
(
ばい
)
以上
(
いじやう
)
貴
(
たつ
)
とい
品
(
しな
)
の
樣
(
やう
)
に
眺
(
なが
)
められた
丈
(
だけ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その癖路地の外まで
筒拔
(
つゝぬ
)
け、十四五の可愛らしい娘が、それを聽かされて今更逃げもならず、袖を頬に當てたり、肩を
搖
(
ゆす
)
ぶつたり、惱ましい
所作
(
しよさ
)
を續けて居たことは言ふ迄もありません。
銭形平次捕物控:180 罠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
然し
此姉
(
このあね
)
迄が、
今
(
いま
)
の自分を、
父
(
ちゝ
)
や
兄
(
あに
)
と共謀して、
漸々
(
ぜん/\
)
窮地に
誘
(
いざ
)
なつて
行
(
ゆ
)
くかと思ふと、
流石
(
さす
)
がに此
所作
(
しよさ
)
をたゞの滑稽として、観察する訳には
行
(
い
)
かなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
三千代
(
みちよ
)
を平岡に周旋したものは元来が自分であつた。それを当時に
悔
(
くゆ
)
る様な薄弱な
頭脳
(
づのう
)
ではなかつた。
今日
(
こんにち
)
に至つて振り返つて見ても、自分の
所作
(
しよさ
)
は、過去を
照
(
て
)
らす
鮮
(
あざや
)
かな名誉であつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“所作”の意味
《名詞》
所 作(しょさ)
からだの動かし方。身のこなし。
(出典:Wiktionary)
所
常用漢字
小3
部首:⼾
8画
作
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
“所作”で始まる語句
所作事
所作為