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怠慢
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たいまん
ふりがな文庫
“
怠慢
(
たいまん
)” の例文
工場の事務所からは、其筋の
怠慢
(
たいまん
)
を責める様に、毎日毎日警察署へ電話がかかった。署長は自分の罪ででもある様に頭を
悩
(
なやま
)
した。
二銭銅貨
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「いったい、だれが、
修繕
(
しゅうぜん
)
しなければならぬのだろうかね。」と、
清吉
(
せいきち
)
は、いいました。
責任
(
せきにん
)
をもつものの
怠慢
(
たいまん
)
がはらだたしかったのです。
考えこじき
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「以てのほかな
怠慢
(
たいまん
)
なりと、数日にわたって、問注所の取調べをうけ、あわやこの清高の職も領も
褫奪
(
ちだつ
)
されんばかりな詰責でございましてな」
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
閣下の
怠慢
(
たいまん
)
は、私たち夫妻の上に、最後の不幸を
齎
(
もたら
)
しました。私の妻は、
昨日
(
さくじつ
)
突然失踪したぎり、
未
(
いまだ
)
にどうなったかわかりません。私は危みます。
二つの手紙
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「ああ大江山君、
悦
(
よろこ
)
んでいいよ。
儂
(
わし
)
たちはまた夕刊新聞に書きたてられて一段と有名になるよ。
全
(
まった
)
く君の
怠慢
(
たいまん
)
のお陰だ」
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
加之
(
しかのみならず
)
、
文学者
(
ぶんがくしや
)
を
以
(
もつ
)
て
怠慢
(
たいまん
)
遊惰
(
いうだ
)
の
張本
(
ちやうほん
)
となすおせツかいは
偶
(
たま
)
/\
怠慢
(
たいまん
)
遊惰
(
いうだ
)
の
却
(
かへつ
)
て
神
(
かみ
)
の
天啓
(
てんけい
)
に
協
(
かな
)
ふを
知
(
し
)
らざる
白痴
(
たはけ
)
なり。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
ある時は病人の便器を差し込んだなり、引き出すのを忘れてそのまま寝込んでしまった
怠慢
(
たいまん
)
さえあったと告げた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
世間並の正月氣分になつて居た自分の
怠慢
(
たいまん
)
を指摘されたやうで、こんなに恥入つたことはありません。
銭形平次捕物控:025 兵粮丸秘聞
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それにしても、第五部を書くために五年の
歳月
(
さいげつ
)
はあまりに永過ぎるのではないかと
怪
(
あや
)
しむ人も多いだろう。事実、多数の読者からは、ずいぶん
怠慢
(
たいまん
)
だというお
叱
(
しか
)
りもうけた。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
神
(
かみ
)
として
最
(
もっと
)
も
戒
(
いまし
)
むべきは
怠慢
(
たいまん
)
の
仕打
(
しうち
)
、
同時
(
どうじ
)
に
最
(
もっと
)
も
慎
(
つつし
)
むべきは
偏頗不正
(
へんばふせい
)
の
処置
(
しょち
)
である。
怠慢
(
たいまん
)
に
流
(
なが
)
るる
時
(
とき
)
はしばしば
大事
(
だいじ
)
をあやまり、
不正
(
ふせい
)
に
流
(
なが
)
るる
時
(
とき
)
はややもすれば
神律
(
しんりつ
)
を
紊
(
みだ
)
す。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
だがしかし、失礼ながら
一言
(
いちごん
)
御注意
(
ごちゅうい
)
しますが、どうも君は職務
怠慢
(
たいまん
)
ですな
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
そこへ
淳于瓊
(
じゅんうけい
)
が、耳鼻を
削
(
そ
)
がれて敵から送られてきたので、その
怠慢
(
たいまん
)
をなじり、怒りにまかせて即座に首を刎ねてしまった。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうすれば、きっと
日輪
(
にちりん
)
は
私
(
わたし
)
たちの
先祖
(
せんぞ
)
の
怠慢
(
たいまん
)
をお
許
(
ゆる
)
しくださるでしょう。そして、
私
(
わたし
)
は、
美
(
うつく
)
しい
翼
(
つばさ
)
と、また、あなたのようないい
鳴
(
なき
)
き
声
(
ごえ
)
とを
授
(
さず
)
かってきます。
紅すずめ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
縦令
(
たとひ
)
石橋
(
いしばし
)
を
叩
(
たゝ
)
いて
理窟
(
りくつ
)
を
拈
(
ひね
)
る
頑固
(
ぐわんこ
)
党
(
とう
)
が
言
(
こと
)
の如く、
文学者
(
ぶんがくしや
)
を
以
(
もつ
)
て
放埓
(
はうらつ
)
遊惰
(
いうだ
)
怠慢
(
たいまん
)
痴呆
(
ちはう
)
社会
(
しやくわい
)
の
穀潰
(
ごくつぶ
)
し
太平
(
たいへい
)
の
寄生虫
(
きせいちう
)
となすも、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
文学者
(
ぶんがくしや
)
が
天下
(
てんか
)
の
最幸
(
さいかう
)
最福
(
さいふく
)
なる者たるに
少
(
すこ
)
しも
差閊
(
さしつかへ
)
なし。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
不規律と
怠慢
(
たいまん
)
だけが塾堂を支配しているのではないか、と疑われるような場面もあり、もし学ぶことよりも批評することにより多くの興味を覚えている参観者がたずねて来たとしたら、その人は
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
「
御早
(
おはや
)
う」と
挨拶
(
あいさつ
)
した。
彼
(
かれ
)
は
今朝
(
けさ
)
も
亦
(
また
)
とくに
參禪
(
さんぜん
)
を
濟
(
す
)
ました
後
(
のち
)
、
斯
(
か
)
うして
庵
(
あん
)
に
歸
(
かへ
)
つて
働
(
はたら
)
いてゐたのである。
宗助
(
そうすけ
)
はわざ/\
呼
(
よ
)
び
起
(
おこ
)
されても
起
(
お
)
き
得
(
え
)
なかつた
自分
(
じぶん
)
の
怠慢
(
たいまん
)
を
省
(
かへり
)
みて、
全
(
まつた
)
く
極
(
きまり
)
の
惡
(
わる
)
い
思
(
おもひ
)
をした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
……貴公の
怠慢
(
たいまん
)
には呆れたが、さりとて、今ここでと申したところで仕方があるまい。安土へはそれがしから書面を以てありのままお答え申しておく。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「憎い
腐
(
くさ
)
れ儒者ではある」と、直ちに、
張飛
(
ちょうひ
)
と
孫乾
(
そんけん
)
にいいつけ、耒陽県を巡視して、もし官の不法、
怠慢
(
たいまん
)
のかどなど発見したら、きびしく実状を
糺
(
ただ
)
して来いといった。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“怠慢”の意味
《名詞・形容動詞》
怠慢(たいまん)
しなければならないことを怠けること。
(出典:Wiktionary)
“怠慢”の解説
怠慢(たいまん)とは、なまけてやる気がなく、仕事をおこたること。
類義語:横着・怠惰
(出典:Wikipedia)
怠
常用漢字
中学
部首:⼼
9画
慢
常用漢字
中学
部首:⼼
14画
“怠慢”で始まる語句
怠慢至極