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御詞
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おことば
髭むしやの
鳥居さまが
口から、
逢ふた
初手から
可愛さがと
恐れ
入るやうな
御詞をうかゞふのも、
例の
澤木さまが
落人の
梅川を
遊して
尋て
能々相談なし給へと
勸めるに付彦三郎は
御深切の
御詞忝けなしと
打悦び
内外の
事共諜合せ橋本町へぞ急ぎける
不審しゝ
夫ほどまでに
御嫌ひになるほどなら
優しげな
御詞なぜ
仰せおかれけん
八重が
思ふも
恥かしきまで
彼の
時は
嬉しかりしを
振たて何と申され候や
土屋六郎兵衞の
詞が
夫程重きか中納言樣の
御詞を
背くに於ては
仰付られの心得ありと大音に呼はりければ何れも
肝を
潰し時を移さず開門に及べば山野邊主税之助先に
立て門を
殿、
今もし
此處におはしまして、
例の
辱けなき
御詞の
數々、さては
恨みに
憎みのそひて
御聲あらく、さては
勿躰なき
御命いまを
限りとの
給ふとも、
我れは
此眼の
動かんものか、
此胸の
騷がんものか
今もし
此処におはしまして、
例の
辱けなき
御詞の数々、さては恨みに憎くみのそひて
御声あらく、さては
勿躰なき
御命いまを限りとの給ふとも、我れはこの
眼の動かん物か、この胸の騒がんものか。
御自分の
口から
出てゆけとは
仰しやりませぬけれど
私が
此樣な
意久地なしで
太郎の
可愛さに
氣が
引かれ、
何うでも
御詞に
異背せず
唯々と
御小言を
聞いて
居りますれば、
張も
意氣地もない
愚うたらの
奴
互ひぞとて
御優しき
御詞我もしきりに
嬉しくて
尋ぬる
人ありとこそ
明さゞりしが
種々との
物語に
和女の
母御は
斯々の
人ならずやと
思ひ
寄らぬ
御問ひ
誠に
若かぞ
何として
御存じと
云へば
忘れて
成るべきか
和女と
我れとは
兄弟ぞかし
我れは
梨本の
優なるを