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御尤
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ごもっとも
ふりがな文庫
“
御尤
(
ごもっとも
)” の例文
ただその理窟を
御尤
(
ごもっとも
)
とも何ともいわず、「理窟いはるゝ」とだけいったところに、多少のおかしみを生じているような気がする。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
「娘が飛んだ不調法を致しまして御立腹の段は重々
御尤
(
ごもっとも
)
さまでござりますが、
何卒
(
どうぞ
)
老体の
私
(
わたくし
)
へお免じ下さいまして、御勘弁を願いとう存じます」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ほんとは何とおっしゃるのか知りませんが、そうお話になるのを聞いて、「
御尤
(
ごもっとも
)
で」と、幾度も母はうなずきました。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
朋輩は此の無理難題を一言の口答もせずに
御尤
(
ごもっとも
)
様で聴いているのだったが、登恵子はもう我慢が出来なかった。で
女給
(新字新仮名)
/
細井和喜蔵
(著)
「種」を手本に毎日
鑿
(
のみ
)
の数が進んで行くにつけて、いかにも
御尤
(
ごもっとも
)
と感じて、彫る上にも気乗りがして来ました。
幕末維新懐古談:54 好き狆のモデルを得たはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
▼ もっと見る
……なに馬鹿を言え、犬の面がそんなものに似てたまるかと……
御尤
(
ごもっとも
)
でありますが、どうも時々そう見える。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私も
好
(
よ
)
くは知りません。
誰
(
たれ
)
も好くは知りますまい。あなたが御存じのないのも
御尤
(
ごもっとも
)
です。これまでの
処
(
ところ
)
では、履歴も
精
(
くわ
)
しくは
公
(
おおやけ
)
にせられていないのですから。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
「これはいかにも
御尤
(
ごもっとも
)
、昔から貧乏でございます」こうは云ったが弁才坊は意味ありそうに云い続けた。
南蛮秘話森右近丸
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
学校時代の教師の教にさえ内心では十分に服せぬ娘が、妻となりましたからといって夫の言葉を
一一
(
いちいち
)
御無理
御尤
(
ごもっとも
)
と和するほどに今の教育は女を愚に致してはないはずです。
離婚について
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
其御言葉は一応
御尤
(
ごもっとも
)
には存ずるが、関白も中々世の常ならぬ人、
匹夫
(
ひっぷ
)
下郎
(
げろう
)
より起って天下の旗頭となり、徳川殿の
弓箭
(
ゆみや
)
に
長
(
た
)
けたるだに、これに従い居らるるというものは
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「比良野様の御意見は
御尤
(
ごもっとも
)
と存じます。度々の不始末で、もうこの上何と申し聞けようもございません。いずれ
篤
(
とく
)
と考えました上で、改めてこちらから申し上げましょう」
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
叔母さんの
仰
(
おっ
)
しゃる事は一々
御尤
(
ごもっとも
)
のようでも有るシ、かつ
私
(
わたくし
)
一個
(
ひとり
)
の強情から、
母親
(
おふくろ
)
は
勿論
(
もちろん
)
叔母さんにまで
種々
(
いろいろ
)
御心配を懸けまして
甚
(
はなは
)
だ恐入りますから、今一応
篤
(
とく
)
と考えて見まして
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
また主観客観の区別、感情理窟の限界は実際判然したる者に非ずとの
御論
(
ごろん
)
は
御尤
(
ごもっとも
)
に候。
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
重々
御尤
(
ごもっとも
)
千万と存じているので御座いますが……しかし……ここに遺憾千万な事には、その正木先生が、この一個月以前に、突然、私に後事を托されたまま永眠されたので御座います。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
あなたの
仰
(
おっし
)
ゃるのは
御尤
(
ごもっとも
)
なようですから、わたくしはお
暇
(
いとま
)
をいたしましょう。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
『だまれっ。——
最前
(
さいぜん
)
から、何を訊ねても、ただ
御尤
(
ごもっとも
)
で、御尤で、とばかり申し居って、それでは一向に
量見
(
りょうけん
)
が、わからんではないか。和解いたすのか、せぬ気か、はっきりとお答えせいっ』
鍋島甲斐守
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
で、芳子は
殆
(
ほとん
)
ど
喧嘩
(
けんか
)
をするまでに争ったが、矢張
断
(
だん
)
として
可
(
き
)
かぬ。先生を
頼
(
たよ
)
りにして出京したのではあるが、そう聞けば、なるほど
御尤
(
ごもっとも
)
である。監督上都合の悪いというのもよく解りました。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
御尤
(
ごもっとも
)
のことです。就職試験といふわけですね。然し、手紙にも申上げてある筈ですが、僕は学校で経済を学んだこともなく、特に株に就いでは全くの門外漢で、ただ霊感の能力をお貸してこれを
盗まれた手紙の話
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
これも
御尤
(
ごもっとも
)
には違ないが、いくら騎兵だって年が年中馬に乗りつづけに乗っている訳にも行かないじゃありませんか。少しは下りたいでさア。こう例を
挙
(
あ
)
げれば際限がないから
好加減
(
いいかげん
)
に切り上げます。
現代日本の開化
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「いや、
御尤
(
ごもっとも
)
です。——すると、兇行の時間は、十時……?」
花束の虫
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
それはただ伺っていますと、かなり
御尤
(
ごもっとも
)
なようですが
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
「
御尤
(
ごもっとも
)
もなる仰せ……」
くろがね天狗
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
どうも全く孝助は
盗
(
と
)
らないようにございます、お
腹立
(
はらだち
)
の段は重々
御尤
(
ごもっとも
)
でござりますが、お手打の儀は
何卒
(
なにとぞ
)
廿三
日
(
ち
)
までお
日延
(
ひのべ
)
の程を願いとう存じます
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
もう矢も
楯
(
たて
)
もたまらず、直ちに大島氏の家に行って、右の趣を述べ、大島老人は物の能く分る人
故
(
ゆえ
)
、引き留めもせず、誠に
御尤
(
ごもっとも
)
だといって
機嫌
(
きげん
)
よく暇をもらい
幕末維新懐古談:37 鋳物の仕事をしたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
従者 お驚き遊ばすは
御尤
(
ごもっとも
)
でござりますが、唯今は驚いてばかりいる時ではござりませぬ。
レモンの花の咲く丘へ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
御尤
(
ごもっとも
)
でござりますとも。……まだ
胎内
(
おなか
)
に
居
(
お
)
ります内に、唯今の場末へ
引込
(
ひっこ
)
みましてな。」
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
空論ばかりにては傍人に解しがたく、実例につきて評せよとの御言葉
御尤
(
ごもっとも
)
と存候。
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
利家の威も強く徳もあり器量も有ったので上首尾に終ったのである、殿下が利家に此事を申付けられたのも
御尤
(
ごもっとも
)
だった、というので秀吉までが
讃
(
ほ
)
められて、氏郷政宗の仲直りは済んだ。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「……
御尤
(
ごもっとも
)
です……では全部纏めまして、おいくら位……」
けむりを吐かぬ煙突
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
御尤
(
ごもっとも
)
だと申します。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
「
御尤
(
ごもっとも
)
です。」
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
御尤
(
ごもっとも
)
の彦兵衛
鍋島甲斐守
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御尤
(
ごもっとも
)
さまでございますけれども、
私共
(
わたくしども
)
夫婦の者は、萩原様のお蔭様で
漸
(
ようや
)
く其の日を送っている者でございますから、萩原様のお
体
(
からだ
)
にもしもの事がございましては
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「なるほど、お考えは一応
御尤
(
ごもっとも
)
と存じますが、しかし木の方は幾人ありますか」
幕末維新懐古談:48 会の名のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
師匠と親は無理なものと思え、とお祖師様が云ったとよ。無理でも通さにゃならねえ処を、一々
御尤
(
ごもっとも
)
なんだから、一言もなしに、御新造も身を
退
(
ひ
)
いたんだ。あんなにお睦じかった、へへへ
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
町野も合点の悪い男ではなかった。老眼に涙を浮べて、
御尤
(
ごもっとも
)
の御仰と承わりました、然らば
某
(
それがし
)
も
一期
(
いちご
)
の御奉公、いさぎよく御
ン
先を駈け申そう、と
皺腕
(
しわうで
)
をとりしぼって部署に就く事に決した。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「は、
御尤
(
ごもっとも
)
でございますな」二人の刑事も同意見であった。千住警察署の警官達や法官や医者が来た頃には大方の目星や手筈
迄
(
まで
)
武東氏の胸中には出来上がっていて
命令
(
めい
)
を下すばかりになっていた。
国事犯の行方:―破獄の志士赤井景韶―
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
えゝ
御尤
(
ごもっとも
)
でございやす、あれだけの御身代が東京へ来て、
裏家住
(
うらやずま
)
いをなさろうとは夢にも
私
(
わっち
)
は存じやせんでした、お嬢様も
少
(
ちい
)
さかったから私も気が付かなかったが
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私たち技芸員はまことに
御尤
(
ごもっとも
)
のことであると存じたわけでありました。
幕末維新懐古談:67 帝室技芸員の事
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
はい、はい、
御尤
(
ごもっとも
)
で。実は
陸
(
おか
)
を参ろうと存じましてございましたが、ついこの
年者
(
としより
)
と申すものは、
無闇
(
むやみ
)
と気ばかり
急
(
せ
)
きたがるもので、
一時
(
いっとき
)
も早く
如来様
(
にょらいさま
)
が拝みたさに、こんな
不了簡
(
ふりょうけん
)
を起しまして。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
誠にどうも
御尤
(
ごもっとも
)
で、お前さんは感心な方で、お前さんの御亭主を
私
(
わたし
)
が悪くいっては済まんが、此の文面の様子では、三年あとお前さんを女房に持ってから、志を見抜いて
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「……
御尤
(
ごもっとも
)
のお言葉で……その狆は
誰方
(
どなた
)
がお持ちなんですか」
幕末維新懐古談:55 四頭の狆を製作したはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
暫
(
しばら
)
くお待ち下さい、其のお
腹立
(
はらだち
)
は
重々
(
じゅう/″\
)
御尤
(
ごもっとも
)
でございますが、お嬢様が
私
(
わたくし
)
を引きずり込み不義を遊ばしたのではなく、手前が此の二月始めて
罷出
(
まかりい
)
でまして、お嬢様を
唆
(
そゝの
)
かしたので
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「いかにも
御尤
(
ごもっとも
)
です」
幕末維新懐古談:69 馬専門の彫刻家のこと
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
女「はい、お忘れは
御尤
(
ごもっとも
)
でございます、
私
(
わたくし
)
は三宅島に居りまして、いろ/\お世話どころではございません、一命をお助け下さいました八丁堀阿部忠五郎の娘お瀧でございます」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
成程至極
御尤
(
ごもっとも
)
の儀ではございますが、別段
私
(
わたくし
)
が其の親から頼みを受けたということもなし、世帯道具を残らず置いて娘の行方を尋ねに参った事で又帰る様な事に成りましょうから
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
今日
(
こんにち
)
は
生憎
(
あいにく
)
主人が下町までまいって居りませんから、手前は帳場に坐っている番頭で、御立腹の処は重々
御尤
(
ごもっとも
)
さまでございますが、何分にもへえ、全体お前さんが逆らっては悪い
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その御不審は
御尤
(
ごもっとも
)
ですが、越後にいる時分この山中に迷っている美人があると云うことを風の便りに聞きましたから、江戸に帰る途中、もしやと思って
昨日
(
きのう
)
から捜した甲斐あって
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
豐「
御尤
(
ごもっとも
)
でございますよ、でも
何
(
ど
)
うせあるのはあるのだね、私が死ねば添われるから、
何卒
(
どうぞ
)
添わして上げたいから云うのだよ、新吉さん本当に私は因果だよ、私は何うも死切れないよ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
貴方は親の耻になると云うは
御尤
(
ごもっとも
)
だけれども、何もこれは決して言いませんよ、誰が聞いても……
私
(
わたし
)
は随分お
饒舌
(
しゃべり
)
だが、旦那に
対
(
むか
)
えば
私
(
わし
)
だって言わぬと云ったら決して言いませんから
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
尤
漢検準1級
部首:⼪
4画
“御尤”で始まる語句
御尤様