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寸時
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すんじ
行火の
代りにまでも
用ひられるようになり、
今日では
人間の
生活上電氣は
寸時も
缺くことの
出來ない
必要なものとなりました。
勘次も
彼等の
仲間である。
然しながら
彼は
境遇の
異常な
刺戟から
寸時も
其の
身を
安住せしむる
餘裕を
有たなかつた。
其處に
長髮敝衣の
怪物を
見とめなば、
寸時も
早く
踵を
囘されよ。もし
幸に
市民に
逢はば、
進んで
低聲に(
應)は?と
聞け、
彼の
變ずる
顏色は
口より
先に
答をなさむ。
その
厚意今なお
寸時も
忘るること
能わず。
彼は
到底寸時も
其の
家に
堪へられなく
成つて、
隣の
彼の
主人に
縋らうとした。
其の
閾を
越すことが
彼にはどれ
程辛かつたか
知れぬ。
主人は
不在であつた。
而して、
百年以来、
天守に
棲む
或怪いものゝ
手を
攫はれて、
今見らるゝ
通りの
苦艱を
受ける……
何とぞ
此の
趣を、
温泉に
今も
逗留する
夫に
伝へて、
寸時も
早く
人間界に
助けられたい。
何物をも
吹き
拂はねば
止むまいとする
疾風は、
赤い
煨を
包む
白い
灰を
寸時の
猶豫をも
與へないで
吹き
捲つた。