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はんちやう
半町ばかり
行くと、
路が
恁う
急に
高くなつて、
上りが
一ヶ
処、
横から
能く
見えた、
弓形で
宛で
土で
勅使橋がかゝつてるやうな。
座敷で
見ればすぐ
崖の
上だが、
表から
廻ると、
通りを
半町許來て、
坂を
上つて、
又半町程逆に
戻らなければ、
坂井の
門前へは
出られなかつた。
藪は
少時の
間は
竹ばかりです。が、
半町程行つた
所に、やや
開いた
杉むらがある、——わたしの
仕事を
仕遂ぐるのには、これ
程都合の
好い
場所はありません。
宗助は
苦笑しながら
窓硝子を
離れて
又歩き
出したが、それから
半町程の
間は
何だか
詰らない
樣な
氣分がして、
徃來にも
店先にも
格段の
注意を
拂はなかつた。
ト
車は、
急に
石磈路に、がた/\と
音を
立てて
山の
裾へ
曳込んだが、ものの
半町もなしに、
直ぐ
上り
口の、
草深い
嶮い
坂に
成るのであるから、
默つて
居ても
其處で
留まつた。
それより
無言にて
半町ばかり、たら/\と
坂を
上る。こゝに
晝も
暗き
樹立の
中に、ソと
人の
氣勢するを
垣間見れば、
石の
鳥居に
階子かけて、
輪飾掛くる
少き
一人、
落葉掻く
翁二人あり。
半町ばかり
目の
前を、
火の
燃通る
状は、
眞赤な
大川の
流るゝやうで、
然も
凪ぎた
風が
北に
變つて、
一旦九段上へ
燒け
拔けたのが、
燃返つて、
然も
低地から、
高臺へ、
家々の
大巖に
激して