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助太刀
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すけだち
ふりがな文庫
“
助太刀
(
すけだち
)” の例文
その格闘史としては、古今無類の七条油小路の現場へ駈けつけて、そのいずれかの一方へ
助太刀
(
すけだち
)
をするかと思えばそうではない。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
古い宿場の御伝馬役として今までどおりのわがままも言えなくなるとみて取った人たちの
助太刀
(
すけだち
)
は、一層その不平の声を深めた。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
車掌の言い草もかなり横暴なので、スラヴ族は多血質だ。むかっとして、頼まれもしないのに、女の
助太刀
(
すけだち
)
に飛び出して行く。
戦雲を駆る女怪
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
見込で御頼みとあれば
假令
(
たとへ
)
親兄弟
(
おやきやうだい
)
たりとも義に依ては
急度
(
きつと
)
助太刀
(
すけだち
)
致すべしと言へば掃部は聞て
偖々
(
さて/\
)
頼母
(
たのも
)
しき御
心底
(
しんてい
)
感
(
かん
)
じ入たり
然樣
(
さやう
)
御座らば何を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
直接売られた喧嘩は言わずもがな、他人の喧嘩でも、
助太刀
(
すけだち
)
さえ頼まれれば、いつどこへでも飛びこんで行って、
理窟
(
りくつ
)
のあるほうに味方をする。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
一つは警視総監の鼻を明かし
旁々
(
かたがた
)
、呉井嬢次の
讐討
(
かたきう
)
ちの
助太刀
(
すけだち
)
をするに就いて、準備的の偵察をこころみるために……それからもう一つは嬢次少年が
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
龍太郎
(
りゅうたろう
)
は
助太刀
(
すけだち
)
にでようとおもうまに、みごとに勝負をつけてしまった若者の
早技
(
はやわざ
)
に、
舌
(
した
)
をまいて
感嘆
(
かんたん
)
していた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平「
気性
(
きしょう
)
な奴だ、心配いたすな、
若
(
も
)
し
敵
(
かたき
)
の知れた其の時は、此の飯島が
助太刀
(
すけだち
)
をして敵を
屹度
(
きっと
)
討たせてやるから、心丈夫に身を
厭
(
いと
)
い、随分大切に奉公をしろ」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
なんという壮観だったろう!
俺
(
おれ
)
はホッと
溜息
(
ためいき
)
を吐いた。そばから
助太刀
(
すけだち
)
に出ようという気も起こらない。
悟浄歎異:―沙門悟浄の手記―
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
左近はこう
咄嗟
(
とっさ
)
に決心すると、身仕度をする間も惜しいように、編笠をかなぐり捨てるが早いか、「
瀬沼兵衛
(
せぬまひょうえ
)
、
加納求馬
(
かのうもとめ
)
が兄分、津崎左近が
助太刀
(
すけだち
)
覚えたか。」
或敵打の話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
打つ
礫
(
つぶて
)
は
過
(
あやま
)
ってその身に返る事はあっても、
弾丸
(
たま
)
は仕損じてもあなたを損いはしません。
助太刀
(
すけだち
)
の志です。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
自分は紺野どのの
介添
(
かいぞえ
)
として来たが、ばあいによっては
助太刀
(
すけだち
)
をすると思ってもらいたい、吉川十兵衛。
失蝶記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「さようじゃ。いろいろ考え合わしてみるに、てっきりそのほうのしわざとめぼしがついたゆえ、かく黙山同道にて
助太刀
(
すけだち
)
に参ったのじゃが、目きき違いじゃと申すか」
右門捕物帖:10 耳のない浪人
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
その
後
(
のち
)
、母の
死際
(
しにぎわ
)
に着てゐた小袖が証拠になつて、不思議にも隣の
家
(
いえ
)
の
主人
(
あるじ
)
がその
盗人
(
ぬすびと
)
であることが判つたので、かれは自分の
主人
(
しゅじん
)
の
助太刀
(
すけだち
)
をかりて、母のかたきを討つた。
小夜の中山夜啼石
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その又助は
佞姦狡猾
(
ねいかんこうかつ
)
、九十郎へ
助太刀
(
すけだち
)
しようともせず、若侍と一緒になって、織江を手取りにしようともせず、両者の間の位置に佇み、依然として胸へ腕を組み、両方へ
眼
(
まなこ
)
を配っている。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
若旦那も時々
助太刀
(
すけだち
)
に出かける。それが大変に丁寧な言葉を
遣
(
つか
)
っているのに対して女学生の言葉が思いの外にぞんざいである。問答ばかりでなかなか容易には肝心の針の方に手が行かない。
千人針
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
と、竜一の父は、俊亮の
助太刀
(
すけだち
)
でもしているかのような
口調
(
くちょう
)
だった。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
僕は様子を立聞して、臨機応変の
助太刀
(
すけだち
)
を為るから
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
清兵衛は朝月の
助太刀
(
すけだち
)
に力を
得
(
え
)
て
三両清兵衛と名馬朝月
(新字新仮名)
/
安藤盛
(著)
芸妓連は、悲鳴を上げて逃げるのもあれば、遠くから石を投げて
助太刀
(
すけだち
)
のつもりでいるのもある。弥次の石が、飛びはじめる。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
一つには、恩義のある
咲耶子
(
さくやこ
)
への
助太刀
(
すけだち
)
、われと思わんものはつづけ、
御旗
(
みはた
)
楯無
(
たてなし
)
をうしなって、
武田
(
たけだ
)
の家なく、武田の家なくして、この伊那丸はないぞ!
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「おおさ。しかも馬場先の晴れの場所で、
助太刀
(
すけだち
)
らしい武士が二人引添うておったが
聊
(
いささ
)
か肝を奪われたわい。面目ない話じゃが聊か身に覚えのない事じゃまで……」
斬られたさに
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
真の侠客じゃとお父様がお
賞
(
ほ
)
め遊ばした、
彼
(
あ
)
の家に奉公し、辛抱して親の
仇
(
あだ
)
が知れた時、お
助太刀
(
すけだち
)
をねがうと云ったら、文治郎さまが助太刀をして下さるだろうと考えて居ります。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
起せり友次郎も始はお花が
色香
(
いろか
)
に
迷
(
まよ
)
ひ
出國
(
しゆつこく
)
したる
過
(
あやま
)
ちは有ども
後
(
のち
)
にお花が
助太刀
(
すけだち
)
して
美名
(
びめい
)
を
世上
(
せじやう
)
に上たる事是
偏
(
ひとへ
)
に岡山侯の
賢良
(
けんりやう
)
なるより下にも又斯る人々ありしと其頃世上に
噂
(
うはさ
)
せり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ア、あの、タッ、たたたッ丹下、舟下左膳の
助太刀
(
すけだち
)
じゃ。余から頼む、おもてだって城内のものをやられん筋じゃ。で、ココ、ここは、ど、どうしても軍之助、ソ、そちの
出幕
(
でまく
)
じゃ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
甚太夫は平太郎の死に責任の感を
免
(
まぬか
)
れなかったのか、彼もまた
後見
(
うしろみ
)
のために旅立ちたい旨を申し出でた。と同時に求馬と
念友
(
ねんゆう
)
の約があった、
津崎左近
(
つざきさこん
)
と云う侍も、同じく
助太刀
(
すけだち
)
の儀を願い出した。
或敵打の話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
女を討ったと云われては、末代まで、高安平四郎の恥になるから、
生命
(
いのち
)
だけは助けてくれる。はやく城内へ戻って、好きな甚三郎でも、
助太刀
(
すけだち
)
に連れて来い。
夏虫行燈
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「その宇津木兵馬に、近藤、土方らが
助太刀
(
すけだち
)
して、近いうち貴殿の首を取りに来るそうじゃ」
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
取
(
とら
)
れしと云も
終
(
をはら
)
ぬに重四郎
成程
(
なるほど
)
金兵衞親方が殺されたと云
噂
(
うはさ
)
は聞たれ共人の云事
故
(
ゆゑ
)
實正
(
じつしやう
)
とも思はざりしが夫なら
彌々
(
いよ/\
)
人手
(
ひとで
)
に
罹
(
かゝ
)
られしか
而
(
して
)
敵
(
かたき
)
は知しかと聞に掃部
然
(
され
)
ば其事に付貴殿へ
助太刀
(
すけだち
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
文「それでござる、其の時お
助太刀
(
すけだち
)
は誓って御無用でござりますぞ」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
助太刀
(
すけだち
)
はゆるさぬぞ」
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
するとまた、木戸を蹴破ってきた一人の
助太刀
(
すけだち
)
、常木
鴻山
(
こうざん
)
である。常木流の
捕縄術
(
ほじょうじゅつ
)
は自他共にゆるす名人。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お前の
助太刀
(
すけだち
)
で難を
遁
(
のが
)
れたが、いつも道庵は、用心棒がなければ
独
(
ひと
)
り太刀が使えねえということに見られると名折れだから、今度、途中で万が一、いかなる
狼藉者
(
ろうぜきもの
)
が現われようとも
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
敵は二千五百人——こちらは重太郎を主として後藤、塙の
助太刀
(
すけだち
)
、都合三人。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「あんな
助太刀
(
すけだち
)
がうしろを
衝
(
つ
)
いてこようとは思わなかったからなあ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
女でも
薙刀
(
なぎなた
)
の一手も心得ていようものなら、あとから
助太刀
(
すけだち
)
と出るところなんですが、悲しいことにわたしは
花鋏
(
はなばさみ
)
よりほかに刃物を扱ったことがない女でございますから、
怖
(
こわ
)
い思いをしながら
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
(しかも、
助太刀
(
すけだち
)
を
恃
(
たの
)
んで……)
御鷹
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
男の
助太刀
(
すけだち
)
が無けりゃできねえんだから……
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
助
常用漢字
小3
部首:⼒
7画
太
常用漢字
小2
部首:⼤
4画
刀
常用漢字
小2
部首:⼑
2画
“助太”で始まる語句
助太郎