“花鋏”の読み方と例文
読み方割合
はなばさみ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
弦を切って投げつけた花鋏はなばさみだけは受けとめたけれども、小森は歯噛みをして、空しくその敏捷な男の走るのを見送るだけでありました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
庭の沓脱くつぬぎ石の上に木犀もくせいの枝のったのが捨ててあり、縁側に花鋏はなばさみがあった。木犀を剪って、活けるつもりで、そのまま出奔したもののようであった。
山彦乙女 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
花屋の向いに古道具屋があった。ほこりのたまったウインドの中に、ナイフが一つ、煙草たばこケースや小さなつぼ花鋏はなばさみなどのがらくたに交って並んでいた。ミネはそれを見せてもらった。
妻の座 (新字新仮名) / 壺井栄(著)