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僵
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たふ
ふりがな文庫
“
僵
(
たふ
)” の例文
生憎
(
あいにく
)
其方
(
そなた
)
に
踽
(
よろめ
)
ける
酔客
(
すいかく
)
の
膁
(
よわごし
)
の
辺
(
あたり
)
を
一衝撞
(
ひとあてあ
)
てたりければ、彼は
郤含
(
はずみ
)
を打つて二間も
彼方
(
そなた
)
へ
撥飛
(
はねとば
)
さるると
斉
(
ひとし
)
く、大地に
横面擦
(
よこづらす
)
つて
僵
(
たふ
)
れたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
何物にか驚かされけむ、お村は一声きやつと叫びて、右側なる部屋の障子を外して
僵
(
たふ
)
れ入ると共に、気を失ひてぞ伏したりける。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
故に予は予が人格を樹立せんが為に、今宵「かの丸薬」の函によりて、
嘗
(
かつ
)
て予が手に
僵
(
たふ
)
れたる犠牲と、同一運命を担はんとす。
開化の殺人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
俄
(
にはか
)
に座より躍り上がり、面色さながら土の如く、「我豊太郎ぬし、かくまでに我をば欺き玉ひしか」と叫び、その場に
僵
(
たふ
)
れぬ。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
一体あの後奴等の運命はどうなつたであらうか。往古にはダビデは巨漢ゴリアーテを
僵
(
たふ
)
した話がある。ダビデは小、ゴリアーテは大であつた。
三年
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
▼ もっと見る
松ふく風物を
僵
(
たふ
)
すがごとく、雨さへふりて
一六七
常
(
ただ
)
ならぬ夜のさまに、壁を隔てて声をかけあひ、既に
一六八
四更にいたる。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
そは我面色の土の如く變じたればなるべし。われは
室内
(
へやぬち
)
の物の旋風の如く動搖するを覺えて、そのまゝはたと地に
僵
(
たふ
)
れぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
男は何か言はうとして、僅に手先を動かしたが『
阿呍
(
うん
)
』と一
唸呻
(
うめき
)
、言下に
反繰
(
そつくり
)
返つて
仰樣
(
のけざま
)
に
僵
(
たふ
)
れた。
二十三夜
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
夜
(
よ
)
が明けて
樵夫
(
きこり
)
が一人通り掛かつた。それが己の繩を解いてくれた。その時は己は苦痛と疲労とのために失神してゐたのである。己は気が附いて見ると、地に
僵
(
たふ
)
れてゐた。
復讐
(新字旧仮名)
/
アンリ・ド・レニエ
(著)
透
(
す
)
きわたりたる宇宙は、水を打つたるより静かなり、東に伊豆の大島、箱根の外輪山、
仙窟
(
せんくつ
)
に
醸
(
かも
)
されたる冷氷の如き
蘆
(
あし
)
の湖、氷上を
跣
(
す
)
べりて
僵
(
たふ
)
れむとする駒ヶ嶽、神山、冠ヶ嶽
霧の不二、月の不二
(新字旧仮名)
/
小島烏水
(著)
夫
(
そ
)
れ真に神を見て信ずるものの信念は、宇宙の中心より
挺出
(
ていしゆつ
)
して三世十方を
蔽
(
おほ
)
ふ人生の大樹なる乎。
生命
(
いのち
)
の枝葉永遠に繁り栄えて、
劫火
(
ごふくわ
)
も之れを
燬
(
や
)
く能はず、劫風も之れを
僵
(
たふ
)
す能はず。
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
孤鴻既に雞群に投ず、彼の才の雄なる同学の諸友をして走り且
僵
(
たふ
)
れしめたるや想見するに
堪
(
た
)
へたり。彼が線香一炷の間を課して四言三十首を作り以て其才を試みしは実に当時に在りとす。
頼襄を論ず
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
床の
上
(
へ
)
にすなほに
僵
(
たふ
)
れ
如是
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
眼
(
め
)
も
眩
(
く
)
れて
僵
(
たふ
)
れ寄る身の
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
われは眠ることを期せずして、身を藁蓆の上に
僵
(
たふ
)
しゝに、
前
(
さき
)
の日よりの恐ろしき經歴は
魘夢
(
えんむ
)
の如く我心を
劫
(
おびやか
)
し來りぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
時に
峯
(
みね
)
谷
(
たに
)
ゆすり動きて、風
叢林
(
はやし
)
を
僵
(
たふ
)
すがごとく、
沙石
(
まさご
)
を
空
(
そら
)
に
巻上
(
まきあ
)
ぐる。見る見る
一二七
一段の
陰火
(
いんくわ
)
、君が
膝
(
ひざ
)
の
下
(
もと
)
より
燃上
(
もえあが
)
りて、山も谷も昼のごとくあきらかなり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
良三は此時疲労の甚しきを覚えたので、纔に十徳を脱ぎ
畢
(
をは
)
り、未だ紋服を脱ぐに及ばずして
僵
(
たふ
)
れ臥した。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
貫一は猛獣などを撃ちたるやうに、彼の身動も
得為
(
えせ
)
ず
弱々
(
よわよわ
)
と
僵
(
たふ
)
れたるを、なほ憎さげに
見遣
(
みや
)
りつつ
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
お春の頬に
取着
(
とりつ
)
くにぞ、あと叫びて
立竦
(
たちすく
)
める、
咽喉
(
のんど
)
を伝ひ胸に入り、腹より
背
(
せな
)
に
這廻
(
はひまは
)
れば、声をも
得
(
え
)
立てず身を
悶
(
もだ
)
え
虚空
(
こくう
)
を
掴
(
つか
)
みて
苦
(
くるし
)
みしが、はたと
僵
(
たふ
)
れて前後を失ひけり。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
沙
(
いさご
)
に
僵
(
たふ
)
れ嘆くとき
独絃哀歌
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
われは限なき苦惱を覺えて、我
臥床
(
ふしど
)
の上に
僵
(
たふ
)
れ臥しゝに、忽ち高熱を發して人事を知らざること三晝夜なりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
いかにも
大木
(
たいぼく
)
の
僵
(
たふ
)
れたのが
草
(
くさ
)
がくれに
其
(
そ
)
の
幹
(
みき
)
をあらはして
居
(
ゐ
)
る、
乗
(
の
)
ると
足駄穿
(
あしだばき
)
で
差支
(
さしつか
)
へがない、
丸木
(
まるき
)
だけれども
可恐
(
おそろ
)
しく
太
(
ふと
)
いので、
尤
(
もつと
)
もこれを
渡
(
わた
)
り
果
(
は
)
てると
忽
(
たちま
)
ち
流
(
ながれ
)
の
音
(
おと
)
が
耳
(
みゝ
)
に
激
(
げき
)
した
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼は競争者の
金剛石
(
ダイアモンド
)
なるを聞きて、
一度
(
ひとたび
)
は
汚
(
けが
)
され、
辱
(
はづかし
)
められたらんやうにも
怒
(
いかり
)
を
作
(
な
)
せしかど、既に勝負は
分明
(
ぶんめい
)
にして、我は手を
束
(
つか
)
ねてこの弱敵の自ら
僵
(
たふ
)
るるを
看
(
み
)
んと思へば、心
稍
(
やや
)
落ゐぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
橘は根より
僵
(
たふ
)
れぬ。
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
その場に
僵
(
たふ
)
れぬ。
舞姫
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
僵
漢検1級
部首:⼈
15画
“僵”を含む語句
僵尸
僵臥
僵掛
僵瘃
吹僵
吹雪僵
寝僵
引僵
打僵
曳僵
横僵