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じせき
ふりがな文庫
“
事蹟
(
じせき
)” の例文
百何十年か
経
(
た
)
った今となっては、功業の跡、夢の如く
亡
(
う
)
せて、その
事蹟
(
じせき
)
は、ドラゴン退治の伝説の英雄となんの選ぶところがない。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
あれこそはひとりこの
御夫婦
(
ごふうふ
)
の
御
(
ご
)
一
代
(
だい
)
を
飾
(
かざ
)
る、
尤
(
もっと
)
も
美
(
うつく
)
しい
事蹟
(
じせき
)
であるばかりでなく、
又
(
また
)
日本
(
にほん
)
の
歴史
(
れきし
)
の
中
(
なか
)
での
飛
(
と
)
び
切
(
き
)
りの
美談
(
びだん
)
と
存
(
ぞん
)
じます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
もちろん義経の
事蹟
(
じせき
)
、ことに
屋島
(
やしま
)
・
壇
(
だん
)
の
浦
(
うら
)
・
高館
(
たかだて
)
等、『義経記』や『盛衰記』に書いてあることを、あの書をそらで読む程度に知っていたので
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
またその後、帝国学士院では、大谷亮吉氏に
依嘱
(
いしょく
)
して、忠敬の
事蹟
(
じせき
)
を詳しく調査し、これが「伊能忠敬」と題する一書となって刊行されています。
伊能忠敬
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
其
(
その
)
奥には社殿の
燈明
(
とうみやう
)
——
私
(
わたし
)
は
其
(
その
)
一生を
征旅
(
せいりよ
)
の
中
(
うち
)
に送つて、この辺土に墓となつた
征西将軍宮
(
せい/\しやうぐんのみや
)
の
事蹟
(
じせき
)
を考へて
黯然
(
あんぜん
)
とした。
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
▼ もっと見る
もし佐橋甚五郎が事に
就
(
つ
)
いて異説を知っている人があるなら、その出典と
事蹟
(
じせき
)
の大要とを書いて著者の
許
(
もと
)
に投寄してもらいたい。大正二年三月記。
佐橋甚五郎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
古人が杜詩を詩史と称えし例に
傚
(
なら
)
わば曙覧の歌を歌史ともいうべきか。余が歌集によりてその人の
事蹟
(
じせき
)
と性行とを知り得たるもその歌史たるがためなり。
曙覧の歌
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
岸本はアベラアルとエロイズの
事蹟
(
じせき
)
が青年時代の自分の心を強く引きつけたこと、巴里に来て見るとあのアベラアルが
往昔
(
むかし
)
ソルボンヌの先生であったこと
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その翌日からわたしは早速新曲の資材となるべき
事蹟
(
じせき
)
を求めたいと例の『
燕石十種
(
えんせきじっしゅ
)
』を始めとして国書刊行会
飜刻本
(
ほんこくぼん
)
の中に
蒐集
(
しゅうしゅう
)
された旧記随筆をあさり初めた。
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
私たちの尊い先輩が造り、今またこのわたしたちが現に造りつつある日本の切支丹の
事蹟
(
じせき
)
は、決して単に日本一国の史上においてのみの異彩のある光ではありません。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死――
(新字新仮名)
/
長与善郎
(著)
それから一つの特徴としては、王の軍中に随行して、時々の
戦
(
いくさ
)
の模様や王の
事蹟
(
じせき
)
を即興的に歌った詩人(Scalds)の歌がところどころにはさまれている事である。
春寒
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
仁
(
じん
)
は以て下に
厚
(
あつ
)
く
儉
(
けん
)
は以て
用
(
もちゐ
)
るに
足
(
たる
)
和
(
くわ
)
に
而
(
して
)
弛
(
ゆる
)
めず
寛
(
くわん
)
に
而
(
して
)
能
(
よく
)
斷
(
だん
)
ずと
然
(
され
)
ば徳川八代將軍吉宗公の御
治世
(
ぢせい
)
享保年中大岡越前守
忠相殿
(
たゞすけどの
)
勤役
(
きんやく
)
中
數多
(
あまた
)
の
裁許
(
さいきよ
)
之ありし
中
(
うち
)
畔倉
(
あぜくら
)
重四郎
(
ぢうしらう
)
が
事蹟
(
じせき
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
昔から
増上慢
(
ぞうじょうまん
)
をもって
己
(
おのれ
)
を害し他を
戕
(
そこの
)
うた
事蹟
(
じせき
)
の三分の二はたしかに鏡の
所作
(
しょさ
)
である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
今でも固く主張するのに無理はないが、私もかつて少年時代に太平記を愛読した機縁から南朝の秘史に興味を感じ、この自天王の御
事蹟
(
じせき
)
を中心に歴史小説を組み立ててみたい、———と
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
賢君忠臣の
事蹟
(
じせき
)
を
空
(
むな
)
しく地下に埋もれしめる
不甲斐
(
ふがい
)
なさを
慨
(
なげ
)
いて泣いた。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
是非
(
ぜひ
)
一読
(
いちどく
)
して
批評
(
ひゝやう
)
をしてくれと言つて百五六中
枚
(
まい
)
も有る
一冊
(
いつさつ
)
の
草稿
(
そうかう
)
を
私
(
わたし
)
に見せたのでありました、
其
(
そ
)
の小説はアルフレツド
大王
(
だいわう
)
の
事蹟
(
じせき
)
を
仕組
(
しく
)
んだもので
文章
(
ぶんしやう
)
は
馬琴
(
ばきん
)
を
学
(
まな
)
んで、実に
好
(
よ
)
く出来て
居
(
ゐ
)
て
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
かくて杉田一家の我が国の医学に貢献した
事蹟
(
じせき
)
は決して
尠
(
すくな
)
くはなかったと言わなければなりますまい。
杉田玄白
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
荏野の翁が
事蹟
(
じせき
)
も多い。飛騨の国内にある古社の
頽廃
(
たいはい
)
したのを再興したり、自らも荏野神社というものを建ててその神主となり郷民に敬神の念をよび起こすことに努めたりした。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
従来寺院のものであった聖譚曲——聖書の中の
事蹟
(
じせき
)
を音楽として、背景も
扮装
(
ふんそう
)
も用いずに、
地味
(
じみ
)
に
抹香臭
(
まっこうくさ
)
く歌われた「聖譚曲」を、社会とお宗旨関係者の反対を押し切って劇場に持ち来り
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
このお
二人
(
ふたり
)
にからまる
事蹟
(
じせき
)
が
少
(
すこ
)
しでも
現世
(
げんせ
)
の
人達
(
ひとたち
)
に
伝
(
つた
)
わることになれば、
私
(
わたくし
)
の
拙
(
つたな
)
き
通信
(
つうしん
)
にも
初
(
はじ
)
めて
幾
(
いく
)
らかの
意義
(
いぎ
)
が
加
(
くわ
)
わる
訳
(
わけ
)
でごさいます。
私
(
わたくし
)
にとりてこんな
冥加至極
(
みょうがしごく
)
なことはございませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
もっとも
馬琴
(
ばきん
)
の作に「
侠客
(
きょうかく
)
伝」という未完物があるそうで、読んだことはないが、それは楠氏の一女
姑摩姫
(
こまひめ
)
と云う
架空
(
かくう
)
の女性を中心にしたものだと云うから、自天王の
事蹟
(
じせき
)
とは関係がないらしい。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
誰一人
己
(
おの
)
が
事蹟
(
じせき
)
を知ってくれなくともさしつかえないというのである。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
それで私はここで
幾
(
いく
)
らかのすぐれた科学者の
事蹟
(
じせき
)
について皆さんにお話しして
見
(
み
)
ようとするのに
当
(
あた
)
って、まずガリレイのことから始めるのが、当然の順序であると考えるのです。
ガリレオ・ガリレイ
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
岸本に取っては旅の心を引く一つの
事蹟
(
じせき
)
があった。他でもない、それはアベラアルとエロイズの事蹟だ。英学出の彼はあの名高い学問のある坊さんに
就
(
つ
)
いて
精
(
くわ
)
しいことは知らなかった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
この異国の物語は何となく彼女の
精神
(
こころ
)
を励ましたように見えた。彼はそれを嬉しく思って、何かまたアベラアルの
事蹟
(
じせき
)
に
就
(
つ
)
いて書いたものでも手に入ったら、それを彼女に送ろうと約束した。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
事
常用漢字
小3
部首:⼅
8画
蹟
漢検準1級
部首:⾜
18画
“事”で始まる語句
事
事情
事件
事実
事柄
事業
事實
事故
事毎
事務所