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鍍金
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めっき
ふりがな文庫
“
鍍金
(
めっき
)” の例文
「華族さんの平民主義なんて皆こんなものさ。都合の好い時丈け平民で、少し故障があると直ぐに地金を出す。元来が
鍍金
(
めっき
)
だからね」
社長秘書
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
七、日軍肉迫すモンテ・カルロの
堅塁
(
けんるい
)
。金
鍍金
(
めっき
)
とルネッサンス式の唐草と、火・風・水・土の四人に神々に
護
(
まも
)
られた
華麗
(
けばけば
)
しき
賭博室
(
サル・ド・ジュウ
)
。
ノンシャラン道中記:04 南風吹かば ――モンテ・カルロの巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
鍍金
(
めっき
)
を
金
(
きん
)
に通用させようとする切ない工面より、
真鍮
(
しんちゅう
)
を真鍮で通して、真鍮相当の
侮蔑
(
ぶべつ
)
を我慢する方が楽である。と今は考えている。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
橋の上から見ると、川は
亜鉛板
(
とたんいた
)
のように、白く日を反射して、時々、通りすぎる川蒸汽がその上に眩しい横波の
鍍金
(
めっき
)
をかけている。
ひょっとこ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
寄生虫は、
瓦礫
(
がれき
)
を
鍍金
(
めっき
)
して、群衆に示し、共謀して、それをなるべく高価に売りつけようとする。そうして、蔭で舌を吐いていう
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
ニッケル
鍍金
(
めっき
)
のバネつきの
鉤
(
かぎ
)
が取りつけてありますが、この麻縄が引き上げた、天才少女、狩屋愛子の姿は見えなかったのです。
九つの鍵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ニッケル
鍍金
(
めっき
)
でこんなにぴかぴか光っています。ここの
環
(
わ
)
の所へ足を入れるとピチンと環がしまって、もうとれなくなるのです。
茨海小学校
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
可
(
よ
)
かろう、で、
鍍金
(
めっき
)
の奴が腕まくりをして、ト
睨
(
にら
)
み合うと、こけ勘が
渋団扇
(
しぶうちわ
)
を
屹
(
きっ
)
とさして、見合って、見合ってなんて
遣
(
や
)
ったんですって。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
内部は日光同様な
鍍金
(
めっき
)
と装飾とで光り輝いている。そしてあけはなしてあるので、内部でやっていることはすべて外から、明瞭に見える。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
但し、コサック騎兵とはいうもののその服は青と紫と、赤と、緑の四色の化粧服で、長い槍の尖端もニッケル
鍍金
(
めっき
)
で光っている。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
おかみさんの傍には太った斑猫がいるが、
鍍金
(
めっき
)
した玩具の時計を尻尾にくっつけている。「子供たち」がふざけてくくりつけておいたのだ。
鐘塔の悪魔
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
まず「飾り」であるが、飾りには、金
鍍金
(
めっき
)
と「消し差し」の二つ。箔を焼きつけたものが鍍金で、消粉を焼きつけるのが「消し差し」です。
幕末維新懐古談:07 彫刻修業のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
米良が電流に乗ってリー・シー・ツワンの部屋に這入ると、彼は寝台のなかで外出着をつけて胸には瀝青を
鍍金
(
めっき
)
した勲章をぶらさげていた。
地図に出てくる男女
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
ちらと
眺
(
なが
)
めたそのボール函の中からは、いつぞやのエッベの注進どおり、長方形の金
鍍金
(
めっき
)
をした安物らしい
歌い
(
オルゴール
)
時計が現れた。
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
後者は白の胸当てをつけた上になお、
鍍金
(
めっき
)
の銀か鍍金の銅かの高さ三寸ばかりの聖体を胸につけていた。前者はその聖体をつけていなかった。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
微笑しいしい三人の
太刀
(
たち
)
の構えをうち見守っていましたが、と……弥三郎はけっきょく笑止千万な
鍍金
(
めっき
)
旗本でありました。
右門捕物帖:12 毒色のくちびる
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
『でも私、いつもちやんとソース鍋を見てゐますよ。そして私はいつだつてよく洗つて、時々それを
鍍金
(
めっき
)
させますよ。』
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
これに反して日本出来のは見掛けのニッケル
鍍金
(
めっき
)
などに無用な骨を折って、使用の方からは根本的な、油の漏れないという事の注意さえ忘れている。
石油ランプ
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
それはどんな石も割ることのできない、その水銀は決して
剥
(
は
)
げず、自然が絶えまなく
鍍金
(
めっき
)
をかけている鏡である。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
譬えば
鍍金
(
めっき
)
せるものの角々に真の
質
(
きじ
)
の
見
(
あらわ
)
るるが如しなどおもう折しも、
按摩
(
あんま
)
取りの老いたるが入り来りたり。
知々夫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
鍍金
(
めっき
)
鉄格子に囲まれた中で、我々は、わが政治犯達及び刑務所長ウルムブラント氏と共にカヴァを飲んだ。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
隣りの細君が
御召縮緬
(
おめしちりめん
)
に純金の
簪
(
かんざし
)
をと聞きて大いに心を悩まし、急に我もと注文して後によくよく吟味すれば、
豈
(
あに
)
計らんや、隣家の品は綿縮緬に
鍍金
(
めっき
)
なりしとぞ。
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
では、
御免
(
ごめん
)
遊ばせ。まア
博士
(
せんせい
)
の研究室の此の
異様
(
いよう
)
なる感覚は、どうでしょう! まるでユークリッドの立体幾何室を
培養
(
ばいよう
)
し、それにクロム
鍍金
(
めっき
)
を被せたようですワ。
遊星植民説
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
鍍金
(
めっき
)
であろうが、
真鍮
(
しんちゅう
)
の粉や箔であろうが、金目には関係なく、兎も角も、金色をしたものなら、額縁から金紙から
鑢屑
(
やすりくず
)
に至るまで、滅多無性に蒐集しているのです
何者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
会員というのは、靴屋の小僧とか、魚屋の
忰
(
せがれ
)
とか、トンカツ屋のあんちゃんとか、
蕎麦
(
そば
)
屋の出前持とか、円タクの助手とか、
鍍金
(
めっき
)
工場の職工とか、ああくたびれる。
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
芥子
(
からし
)
壺に関して中傷されたことはあるが、しかしそれは
鍍金
(
めっき
)
の品に過ぎないことがわかった。自分はさっきの証人を七八年来知っている。それは単に暗合に過ぎない。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
「北海道では今、群来の二字を
充
(
あ
)
てるが、古は漏の字を充てている。
鯡
(
にしん
)
のくきる時は
漕
(
こ
)
いでいる舟の
櫂
(
かい
)
でも
艫
(
ろ
)
でも皆かずの子を以てかずの子
鍍金
(
めっき
)
をされてしまう位である」
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
そうだ。佐野次郎にしちゃ大出来だ。一世一代だぞ、これあ。太宰さん。附け鬚模様の銀
鍍金
(
めっき
)
の楯があなたによく似合うそうですよ。いや、太宰さんは、もう平気でその楯を
ダス・ゲマイネ
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
もちろんその
柄
(
え
)
は銀あるいは金
鍍金
(
めっき
)
などで飾り付けてあります。なかなか立派なものです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
乾漆
鍍金
(
めっき
)
ではあるが、いまはその金色も剥落して、鋼鉄のような強い威力を示している。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
鍍金
(
めっき
)
釘を打った格子組の木橇を引いたみすぼらしい辻待馭者はだんだん影をひそめて、それとは反対に、緋のビロードの帽子をかぶり、熊の皮の膝掛をかけて
漆
(
うるし
)
塗りの橇を御した
外套
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「よッぽどするでしょう?」抜いて出すのを受け取って見たが、
鍍金
(
めっき
)
らしいので
耽溺
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
白金
(
プラチナ
)
で
鍍金
(
めっき
)
した石英糸に通過せしめ、糸の両側に電磁石を置くと、糸を通過する電流の多寡によって、その糸が左右に振れるから、その糸をアーク燈で照すと、糸の影が左右に大きく振れ
恋愛曲線
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
節くれだった小指に、
鍍金
(
めっき
)
の物々しい金指環をはめて居たり、
河
(
かっ
)
ぱの様にした頭に油を一杯つけて、紫の絹のハンカチでいやらしく喉を巻いたりして居る様子は、ついしかめっ面をするほどいやだ。
農村
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
ある日の午後、Tさんはぴかぴか光るニッケル
鍍金
(
めっき
)
の筒の中に兎を押し込んで、すっかり身動きも出来ないようにしておいて、無理に口をあけて、ひき茶の粉をねったものをその中に押し込んでいた。
兎の耳
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
下村さんの考えは
鍍金
(
めっき
)
じゃないかと思ったのでしょう。
ニッケルの文鎮
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
銀の雄弁といいたいが、これは銀
鍍金
(
めっき
)
の
饒舌
(
じょうぜつ
)
だ。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
ただ、
帯
(
おび
)
ほどの澄んだ水が、
雲母
(
きらら
)
のような雲の影をたった一つ
鍍金
(
めっき
)
しながら、ひっそりと蘆の中にうねっている。が、女は未だに来ない。
尾生の信
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
中には合金や
鍍金
(
めっき
)
、流し金なぞで満足している人もあるという次第で、
各
(
おのおの
)
とりどり様々にその持ち前の性格を鼻の表現に光らせております。
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
女の眼には、
無垢
(
むく
)
も、
鍍金
(
めっき
)
もわかりはしない。ただ黄金の光さえしていれば、
容易
(
たやす
)
く眩惑されてしまうのだ——と主膳は冷笑気分になりました。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
室内にあっては漆細工、真鍮、
鍍金
(
めっき
)
、銀、黄金製の品物、鏡板を張った天井、床には冷たい藁の畳が敷きつめられる。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
おかみさんたちの懐中時計も「
一
(
どう
)
つ!」と言った。そして子供たちの懐中時計も、猫や豚の尻尾についている小さな
鍍金
(
めっき
)
の時計も「
一
(
どう
)
つ!」と言った。
鐘塔の悪魔
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
「鯱が益〻大きくなって来たぜ。『伊勢は津で持つ津は伊勢で持つ、尾張名古屋は城で持つ』というが、城全体があの
鍍金
(
めっき
)
の鯱で持っているようだね」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
鍍金
(
めっき
)
、ガラハギをなさいましても、鍍金、ガラハギは、鍍金ガラハギ、やっぱり鍍金、ガラハギは、ガラハギ。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「——この泥だよ、八、守り刀の鞘に付いていたのは。壁の
繕
(
つくろ
)
いか何かに使った
荒木田
(
あらきだ
)
が、雨や撒き水に解けて、この辺一面の庭に
鍍金
(
めっき
)
をしたようになっていたんだ」
銭形平次捕物控:200 死骸の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
髪形
(
かみかたち
)
を変えること、眼鏡をかけること、含み綿をすること、それから又、『一銭銅貨』の中では、丈夫な歯の上に、夜店の
鍍金
(
めっき
)
の金歯をはめる思いつきが書いてある。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
幸機を得よ、さらば汝は
悉
(
ことごと
)
くを得ん。幸福なれ、さらば汝は偉大なりと信ぜられん。時代の精彩たる五、六の偉大なる例外を除けば、同時代の賞賛は近視にすぎない。
鍍金
(
めっき
)
は純金となる。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
滑らかに
鉋
(
かんな
)
をかけた松板の壁、急須や茶碗を入れて隅っこに置いてある三角戸棚、聖像の前に、赤や青のリボンでぶらさげてある、
鍍金
(
めっき
)
をした瀬戸物の卵、つい近ごろ仔を生んだばかりの猫
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
頗
(
すこぶ
)
る西洋の文明を悦び、一切万事改進進歩を気取りながら、其実は支那台の西洋
鍍金
(
めっき
)
にして、殊に道徳の一段に至りては常に周公孔子を云々して、子女の教訓に小学又は女大学等の主義を唱え
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
寺井焼の方の金のことを、「
水金
(
みずきん
)
」だから温泉に入れるとすぐ変色するし、
鍍金
(
めっき
)
のような「あだ光り」がするといって、問題にしていなかった。私も随分手伝わされて、手が痛くなったこともあった。
九谷焼
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
“鍍金(めっき)”の解説
めっき(鍍、en: plating)は、表面処理の一種で、金属または非金属の材料の表面に金属の薄膜を被覆すること。
金属の表面に他の金属を圧延して貼り合わせる技術はクラッドといい区別する。
「メッキ」と片仮名で表記されることも少なくないため、外来語のように受け取られることもあるが、和製漢語とされる滅金(めっきん)に由来する語である。鍍金(ときん、めっき)ともいう。
(出典:Wikipedia)
鍍
漢検準1級
部首:⾦
17画
金
常用漢字
小1
部首:⾦
8画
“鍍金”で始まる語句
鍍金仏
鍍金兜
鍍金屋
鍍金師
鍍金足
鍍金鋼
鍍金金物