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血色
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けつしよく
ふりがな文庫
“
血色
(
けつしよく
)” の例文
此返事
(
このへんじ
)
を
聞
(
き
)
いて、むつと
腹
(
はら
)
が
立
(
た
)
つた。
頭巾
(
づきん
)
の
下
(
した
)
に
歯
(
は
)
を
剥出
(
むきだ
)
して、
血色
(
けつしよく
)
の
好
(
い
)
い
頸元
(
えりもと
)
に
伸
(
の
)
し
掛
(
かゝ
)
ると
向
(
むかう
)
は
後退
(
あとすざり
)
もしない。また
質
(
き
)
いて
見
(
み
)
た。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
顔は體程周三の心を
動
(
うご
)
かさなかツたが、それでも
普通
(
ふつう
)
のモデルを見るやうなことは無かツた。第一
血色
(
けつしよく
)
の
好
(
よ
)
いのと
理合
(
きめ
)
の
濃
(
こまやか
)
なのとが、目に付いた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
暫
(
しばら
)
く待つて居ると、髪も
髭
(
ひげ
)
も灰色をした、
細面
(
ほそおもて
)
な、
血色
(
けつしよく
)
の好いレニエ氏が入つて来た。「支那流の髭」と評判される程あつて垂れた髭である。
其
(
その
)
髭がよく氏の温厚を示して居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
主人
(
しゆじん
)
は
予想通
(
よさうどほ
)
り
血色
(
けつしよく
)
の
好
(
い
)
い
下膨
(
しもぶくれ
)
の
福相
(
ふくさう
)
を
具
(
そな
)
へてゐたが、
御米
(
およね
)
の
云
(
い
)
つた
樣
(
やう
)
に
髭
(
ひげ
)
のない
男
(
をとこ
)
ではなかつた。
鼻
(
はな
)
の
下
(
した
)
に
短
(
みじ
)
かく
刈
(
か
)
り
込
(
こ
)
んだのを
生
(
は
)
やして、たゞ
頬
(
ほゝ
)
から
腮
(
あご
)
を
奇麗
(
きれい
)
に
蒼
(
あを
)
くしてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
で、腕の
血色
(
けつしよく
)
を見ても、
濁
(
にごり
)
が
除
(
と
)
れて、若い血が
溌溂
(
はつらつ
)
として
躍
(
をど
)
ツてゐるかと思はれる。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
▼ もっと見る
「さあ、もう
時間
(
じかん
)
よ」と
注意
(
ちゆうい
)
したとき、
彼
(
かれ
)
は
此
(
この
)
點滴
(
てんてき
)
の
音
(
おと
)
を
聞
(
き
)
きながら、もう
少
(
すこ
)
し
暖
(
あたゝ
)
かい
蒲團
(
ふとん
)
の
中
(
なか
)
に
温
(
ぬく
)
もつてゐたかつた。けれども
血色
(
けつしよく
)
の
可
(
よ
)
くない
御米
(
およね
)
の、
甲斐々々
(
かひ/″\
)
しい
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
るや
否
(
いな
)
や
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
恐
(
おそれ
)
の
日
(
ひ
)
に
当
(
あた
)
りて、わが
肉
(
にく
)
新
(
あらた
)
なるべし。」
衆
(
みんな
)
の
後
(
あと
)
から、
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
の
赤
(
あか
)
い、
血色
(
けつしよく
)
の
好
(
い
)
い
児
(
こ
)
が
一人
(
ひとり
)
通
(
とほ
)
る。こいつに
眼
(
め
)
を
付
(
つ
)
けて
置
(
お
)
いたのだから、
急
(
きふ
)
に
飛付
(
とびつ
)
いてやつた。この
気味
(
きみ
)
の
悪
(
わる
)
い
手
(
て
)
で、その
口
(
くち
)
を
抑
(
おさ
)
へた。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
汽車
(
きしや
)
は
血色
(
けつしよく
)
の
好
(
い
)
い
宗助
(
そうすけ
)
の
前
(
まへ
)
をそろ/\
過
(
す
)
ぎて、
忽
(
たちま
)
ち
神戸
(
かうべ
)
の
方
(
はう
)
に
向
(
むか
)
つて
烟
(
けむり
)
を
吐
(
は
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
色光沢
(
いろつや
)
も殆んど
元
(
もと
)
の様に
冴々
(
さえ/″\
)
して見える日が多いので、当人も
喜
(
よろ
)
こんでゐると、帰る一ヶ月ばかり前から、又
血色
(
けつしよく
)
が悪くなり
出
(
だ
)
した。然し医者の話によると、今度のは心臓の
為
(
ため
)
ではない。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
が其他の点に於ては、尋常以上に情
緒
(
しよ
)
の支配を受けるべく余儀なくされてゐた。
取次
(
とりつぎ
)
に
出
(
で
)
た
門野
(
かどの
)
が
足音
(
あしおと
)
を
立
(
た
)
てゝ、書斎の
入口
(
いりぐち
)
にあらはれた時、
血色
(
けつしよく
)
のいゝ代助の
頬
(
ほゝ
)
は
微
(
かす
)
かに
光沢
(
つや
)
を
失
(
うしな
)
つてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“血色”の意味
《名詞》
血色(けっしょく)
血の色。赤い色。
顔の色艶。顔色。
(出典:Wiktionary)
血
常用漢字
小3
部首:⾎
6画
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
“血色”で始まる語句
血色塗
血色素