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艱難辛苦
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かんなんしんく
ふりがな文庫
“
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)” の例文
お前は活溌な生れ付きで、
気象
(
きしょう
)
もしっかりしているから、きっと、あらゆる
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
に堪えて、身分を隠しおおせるだろうと思う。
死後の恋
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
今日まで共に
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
をして来た妹を、このような不幸な結果におとすなら、
寧
(
むし
)
ろいさぎよくお浜館の前で兄妹ともに命を捨てるべきだ。
足軽奉公
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
私はそのとおりをしようと努めました。それからというもの、私は
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
して修業しました。それはずいぶん苦しみましたよ。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
空恐
(
そらおそ
)
ろしいやらで……その後、わたくしの受けました厳しいお調べや
折檻
(
せっかん
)
など、あなた様の
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
に比べれば、物の数でもござりませぬ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
其方共儀
聟
(
むこ
)
夫等
(
をつとら
)
の
災難
(
さいなん
)
を歎き
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
の上公儀
巡見使
(
じゆんけんし
)
へ
訴
(
うつたへ
)
出申立
明了
(
あきらか
)
なるにより善惡判然と相
顯
(
あらは
)
れ九助の
寃罪
(
ゑんざい
)
を
雪
(
そゝ
)
ぎし
信義
(
しんぎ
)
貞操
(
ていさう
)
の段厚く
譽
(
ほめ
)
置
(
お
)
く
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
このほか、
報効義会
(
ほうこうぎかい
)
の会員四名。この人たちは、
占守
(
しゅむしゅ
)
島に何年か冬ごもりをして、多くの
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
をなめて、漁業には、りっぱな体験をもった人々。
無人島に生きる十六人
(新字新仮名)
/
須川邦彦
(著)
お
最愛
(
いと
)
しい、
沢山
(
たんと
)
お
窶
(
やつ
)
れ遊ばした。罪も
報
(
むくい
)
もない方が、こんなに
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
して、命に懸けても唄が聞きたいとおっしゃるのも、
母
(
おっか
)
さんの恋しさゆえ。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その恨みを晴らす役目は誰の仕事ですか、この年月、兵馬がこうして
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
しているのも何のためだと
思召
(
おぼしめ
)
す……
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
数年
(
すねん
)
勉強の結果を
空
(
むなし
)
うして生涯二度の
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
と思いしは
大間違
(
おおまちがい
)
の話で、実際を見れば蘭と云い英と云うも等しく横文にして、その文法も
略
(
ほぼ
)
相
(
あい
)
同じければ
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
しかもその主人公は
高
(
こう
)
まいなる理想を持ち、その理想ゆえに
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
をつぶさに
嘗
(
な
)
め、その恥じるところなき
阿修羅
(
あしゅら
)
のすがたが、百千の読者の心に迫るのだ。
めくら草紙
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
僕たちの船長は、
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
のうちにたたき上げて得た勇気と、胆力と、沈着とによって、人びとの信用の
的
(
まと
)
となっている、粘り強い、
磊落
(
らいらく
)
な船員の標本の一人であった。
世界怪談名作集:13 上床
(新字新仮名)
/
フランシス・マリオン・クラウフォード
(著)
その
平生
(
へいぜい
)
涵養
(
かんよう
)
停蓄
(
ていちく
)
する所の智識と精神とに
因
(
よ
)
るべきは
勿論
(
もちろん
)
なれども、妾らを以てこれを考うれば、むしろ
飢寒
(
きかん
)
困窮
(
こんきゅう
)
のその身を
襲
(
おそ
)
うなく、
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
のその心を痛むるなく
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
仏さまのためには、どんな
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
もいとわない、命なんかいつでもすてるという
気風
(
きふう
)
なんだ。
少年探偵団
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そのあいだの短い期間に、いかに
寿命
(
じゅみょう
)
のちぢまるような
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
をなめたかは、その姿にもあらわれていた。
垢
(
あか
)
は襟につみ、顔は真っ黒に
焦
(
や
)
け、眼のくぼの肉すら薄くなっている。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さま/″\の
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
をいたしましたが、それでも神様のお助けで、虎の
顎
(
あぎと
)
を
遁
(
のが
)
れまして、再び貴方にお目に懸ることが出来ました、これと云うのも
矢張
(
やっぱり
)
神様のお助けでございます
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
こういう
大大名
(
おおだいみょう
)
のうしろ
楯
(
だて
)
を持っている彼らのかたき討よりも、無名の
匹夫
(
ひっぷ
)
匹婦
(
ひっぷ
)
のかたき討には
幾層倍
(
いくそうばい
)
の
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
が伴っていることと察しられるが、舞台の小さいものは伝わらない。
かたき討雑感
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
十年の間
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
して来て、
漸
(
やうや
)
くつきとめられさうになつた仇敵を、今ここで許してやることなどどうして出来るものかと思つてゐた。しかし医者のいふことなどどうでもよかつた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
女ひとり永年
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
の末、ようやくにしてたずねあてたる父のかたきにめぐりあい、
優曇華
(
うどんげ
)
の花咲くここちいたしておりまするに、この場において仇討ちならぬとおおせられまするか?
亡霊怪猫屋敷
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
どんな
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
を為ても、きつと貴方に
添遂
(
そひと
)
げて、この胸に一杯思つてゐる事もすつかり善く聴いて
戴
(
いただ
)
き、又この世で
為遺
(
しのこ
)
した事もその時は十分為てお目に掛けて、必ず貴方にも
悦
(
よろこ
)
ばれ
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
いずれの関門長も俗にいう狐に
魅
(
つま
)
まれたごとく、ことにかの眼の鋭いチーキャブ、二十年以来インド地方に在って
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
を
甞
(
な
)
めつつ種々の世渡りをして来たかの
人足廻
(
にんそくまわ
)
しのダルケさえ
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
して育った父さんは、人様に馬鹿にされる
口惜
(
くや
)
しさが昂じて、一生のうちには、土に
齧
(
かじ
)
り付いても検校の位に上り、今まで馬鹿にした人達を、眼下に見てやろうと思い立ったのです
銭形平次捕物控:064 九百九十両
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
しかし我々の両親や教師は無邪気にもこの事実を忘れている。尊徳の両親は酒飲みでも或は又
博奕
(
ばくち
)
打ちでも好い。問題は唯尊徳である。どう云う
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
をしても独学を廃さなかった尊徳である。
侏儒の言葉
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
とにかく、これだけの
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
によって一等三角網が完成される。
地図をながめて
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
當に行先々の氣配りに
難儀
(
なんぎ
)
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
とも
云
(
いは
)
ん方なき事どもなり漸々にして三州岡崎迄は
來
(
きたれ
)
ども
素
(
もと
)
より
手薄
(
てうす
)
の其上に旅の日數も重なれば手當の
金子
(
かね
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
どんな
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
を加えようとも、この動物と行程を共にしようとの気持になったのであります。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
其後
杳
(
よう
)
として消息を絶った為に異郷に死せるものと信じられていたが、実はあらゆる
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
を嘗めて大身代を作り、余生を楽しく送らんが為に、莫大な財産を携えて帰って来た。
白髪鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
元来不幸といひ、窮苦といひ、
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
といふもの、皆我を我としたる我を
以
(
もつ
)
て、他に——社会に——対するより起る処の
怨言
(
ゑんげん
)
のみ。愛によりて我なかりせば、いづくんぞそれ苦楽あらむや。
愛と婚姻
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
せっかくいままで、
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
をきりぬけてきたものを、また、これからさきも、命のあるかぎり、働こうというのに、名も知らぬ島の野生の草の実で、命をなくしたり、病気になっては、たまらない。
無人島に生きる十六人
(新字新仮名)
/
須川邦彦
(著)
「ウム。ではそのためには、どんな
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
もいとうまいな」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
謀反人
(
むほんにん
)
の娘として、お紋は
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
を
嘗
(
な
)
めました。
銭形平次捕物控:027 幻の民五郎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そこで私も雪の中を
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
してあれまでまいる必要がないような心持になりました
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
(それを相手に悟られない為に、彼はどれ程の
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
を
嘗
(
な
)
めたであろう。)
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
扨
世話好者
(
せわずき
)
の多きは常なるに傳吉か宅へ其夜來し人々は翌朝五六人おせんを
野尻
(
のじり
)
宿の與惣次方へ
送
(
おく
)
り行き前夜の
始末
(
しまつ
)
を話し又傳吉が心の廣きこと恨みある伯母に
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
して
溜
(
ため
)
し金の半分を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
艱
漢検1級
部首:⾉
17画
難
常用漢字
小6
部首:⾫
18画
辛
常用漢字
中学
部首:⾟
7画
苦
常用漢字
小3
部首:⾋
8画
“艱難”で始まる語句
艱難
艱難困苦
艱難苦労