ぜつ)” の例文
養育はごくむ事容易に非ず殊に實家さへぜつせし叔母に斯く孝行を盡す事人々譽合ほめあへり扨お梅も當年十八歳傳吉は廿六歳幸ひの縁と心中を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
自分は其頃兄に教はつて居た白文はくぶん八家文はつかぶんの難解の処を読み下し、又は即席に七ぜつして、大いに二人を驚かした。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
六十一還暦くわんれきの時年賀の書画しよぐわあつむ。吾国わがくにはさらなり、諸国の文人ぶんじん名家めいか妓女きぢよ俳優はいいう来舶清人らいはくせいひとの一ぜつをもたり。
予はほとんぜつせむとせり、そも何者の見えしとするぞ、雪もて築ける裸体らたい婦人をんな、あるがごとく無きが如きともしびの蔭に朦朧もうろうと乳房のあたりほの見えて描ける如くたゝずめり。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
つまところ大紛爭だいもんちやく引起ひきをこして、其間そのあひだ多少たせう利益りえきめんとくわだてゝる、じつその狡猾かうくわつなること言語げんごぜつするほどだから、いま櫻木大佐さくらぎたいさ公明正大こうめいせいだいこのしま發見はつけんし、なづけて朝日島あさひとう
力で見せ、血で物をわからせるしか、意志のとどく相手ではないと思った。だからこの一刹那からの彼のまさに名にしおう河北かほくの三ぜつ(傑物ノコト)玉麒麟ぎょくきりんその者の本相だった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おや気ぜつしてゐる
六十一還暦くわんれきの時年賀の書画しよぐわあつむ。吾国わがくにはさらなり、諸国の文人ぶんじん名家めいか妓女きぢよ俳優はいいう来舶清人らいはくせいひとの一ぜつをもたり。
ひつぎまへ銀樽ぎんそん一個いつか兇賊等きようぞくらあらそつてこれをむに、あまかんばしきこと人界じんかいぜつす。錦綵寶珠きんさいはうじゆ賊等ぞくらやがてこゝろのまゝに取出とりいだしぬ。さてるに、玉女ぎよくぢよひだりのくすりゆびちひさきたまめたり。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ちりばめ言語ごんごぜつせし結構けつこうの座敷にてまづ唐紙からかみは金銀のはく張付はりつけにて中央には雲間縁うんげんべりの二でふだいまうけ其上に紺純子こんどんすの布團を二ツかさかたはらに同じ夜具が一ツ唐紗羅紗たうざらさ掻卷かいまきひとツありでふの左右には朱塗しゆぬり燭臺しよくだい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)