神秘しんぴ)” の例文
私は本日、全く予期よきせざる心霊現象しんれいげんしょうにぶつかりました。それは信じられないほど神秘しんぴであり、またおどろくべき明確めいかくなる現象であります。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そのおんばここそ、このなか神秘しんぴいてみせるちからがありました。かみさまは、たまたまこうして、草木くさきに、自分じぶんちからしめすというのです。
草原の夢 (新字新仮名) / 小川未明(著)
名まえだけわかって、それがどこにあるかは、ぜったいにわからない神秘しんぴのなぞというやつだよ。ウフフフフ……。
奇面城の秘密 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
てんめいじて、われをしてさしむる、美女たをやめ立像りつざうは、てのひらさいつゝんで、さく神秘しんぴむねめやう。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
君の方ではこしらえとおせるかも知れないが、僕の方や窯業ようぎょうの方の、火の芸術にたずさわるものは、おのずと、芸術は出来るものであると信じがちだ。火のはたらきは神秘しんぴ霊奇れいきだ。
鵞鳥 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
己はさっき、「恋いしいじょ」と書いたが、正直を云うと己の彼のおんなに対する感情は普通の意味の恋愛でないかも知れない。それは恋愛と云うよりも、もっとはげしい、もっと神秘しんぴな、憧憬どうけいじょうである。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
わたしはだまっていた。彼女は神秘しんぴめいたずるそうな微笑びしょううかべていたが、やがて、「ね、どうしたの?」とささやいた。わたしは赤くなって、ふふと笑っただけで、顔をそむけ、じっと息を殺していた。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
乳ぶさおさへ神秘しんぴのとばりそとけりぬここなる花のくれなゐぞ濃き
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
おそらく今、世界でいちばん貴重きちょうな物が、そこに生まれようとしているのです。荘厳そうごん神秘しんぴとにつつまれたその部屋です。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そのあいだに、おたよりをいただいたとき、きたくにほしひかりが、あおいということがかさねていてありました。そして、ゆきこおさむしずかなよるの、神秘しんぴなことがいてありました。
青い星の国へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちゝ以前いぜん持帰もちかへつた、神秘しんぴ木像もくざうあとの、心当こゝろあたりをさがところ、——にもけないまでわすれてしまつて、温泉宿をんせんやど亭主ていしゆんで、たづねたのが、つたへた双六谷すごろくだにことだつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それはひじょうに神秘しんぴな力をもっていて、ほんのちょっとした力でもってすごい爆発をおこし、御本人を運命の舞台へ、ドーンとほうりあげるのだ。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
たび密月みつゞきたび第一夜だいいちやから、附絡つきまとふて、となり部屋へや何時いつ宿やどる……それさへもおそろしいのに、つひ言葉ことばのはづみから、双六谷すごろくだに分入わけいつて、二世にせちぎりけやうとする、けば名高なだか神秘しんぴ山奥やまおく
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「そうだ、それよりも、もっともっと神秘しんぴな奇蹟だ。メリー号がロンドンにかえってくると、これはまた見物人で、たいへんなさわぎがはじまるよ」
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ああ、なんという神秘しんぴな夜であろう。——だが一体、ここは、ばかにいいところだ。こんないいところを放っておかないで、家でも建てたらいいだろうに、おしいことだ
未来の地下戦車長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
治明博士は、アクチニオ四十五世の神秘しんぴな声に威圧いあつせられて、はッと、それにひれした。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
(ふん、邪宗教じゃしゅうきょうの連中が、いつも使うおどかしの一手だ、なにが神秘しんぴだ。わらわせる)
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
さっきは、同室内に乗合わせているノールウェー船(シンガポール沖で撃沈げきちんされた船)の乗組員にインタビューし、その神秘しんぴ遭難そうなん談を原稿にとった。いずれ明日までに整理のうえ、送稿する。
沈没男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
カンノ博士は神秘しんぴな火星人説を信じないと明言めいげんした。
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
かくされた神秘しんぴの大洞窟にねむる怪船である。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
力の神秘しんぴ
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)