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男子
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おとこ
ふりがな文庫
“
男子
(
おとこ
)” の例文
その
頃
(
ころ
)
良人
(
おっと
)
はまだ
若
(
わこ
)
うございました。たしか二十五
歳
(
さい
)
、
横縦
(
よこたて
)
揃
(
そろ
)
った、
筋骨
(
きんこつ
)
の
逞
(
たくま
)
ましい
大柄
(
おおがら
)
の
男子
(
おとこ
)
で、
色
(
いろ
)
は
余
(
あま
)
り
白
(
しろ
)
い
方
(
ほう
)
ではありません。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「おまえさんの
壮年
(
とし
)
で、
独身
(
ひとりみ
)
で、情婦がないなんて、ほんとに
男子
(
おとこ
)
の
恥辱
(
はじ
)
だよ。私が似合わしいのを一人世話してあげようか」
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
妾はこれまで参りますのに、誰も
従
(
つ
)
いて来る者が御座いませぬから、旅を致すのに都合のよいように、こんな
男子
(
おとこ
)
の姿を致して参りました。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
新「ヘエ、成程鼻の高い
好
(
い
)
い
男子
(
おとこ
)
だ、眼の下に
黒痣
(
ほくろ
)
が有りますか、おゝ成程、だが新五郎様と云う証拠が何か有りますか」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
男子
(
おとこ
)
の
方
(
かた
)
が不行跡で、良人なんぞはまあ西洋にもまいりますし、少しはいいのでしたが、それでも恥ずかしい事ですが、私も随分心配をいたしました。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
父の言うとおり財産のないだけで、清六が今少し
男子
(
おとこ
)
らしければ、おとよさんも気をもむのではない。
隣の嫁
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
「高田殿は乱行、若き
男子
(
おとこ
)
を屋敷内に引入れて、
寵
(
ちょう
)
衰えると切殺し、井戸の中に死骸を捨てられるよ」
怪異黒姫おろし
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
目下妊娠していて子供が
男子
(
おとこ
)
であってくれればよいという事ばかり云っていた。夫は勤めている会社に、このまま、おとなしくさえしていれば、将来生活にこまる事はない。
曇天
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
齒
(
は
)
ぎしりするほど
腹立
(
はらたゝ
)
しく、
此老婆
(
このばゞ
)
はり
仆
(
たほ
)
すに
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
けれど、
唯
(
たゞ
)
ならぬ
身
(
み
)
の
美尾
(
みを
)
が
心痛
(
しんつう
)
、
引
(
ひ
)
いては
子
(
こ
)
にまで
及
(
およ
)
ぼすべき
大事
(
だいじ
)
と
胸
(
むね
)
をさすりて、
私
(
わたし
)
とても
男子
(
おとこ
)
の
端
(
はし
)
で
御座
(
ござ
)
りますれば
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
しかも和歌までも
堪能
(
かんのう
)
で、男ぶりは
何様
(
どう
)
だったか、ひょろりとして丈高く、さし肩であったと云われるから、ポッチャリとした
御公卿
(
おくげ
)
さん
達
(
だち
)
の好い
男子
(
おとこ
)
では無かったろうと思われる。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
またかく真直な上に多くの節が
層
(
かさ
)
なっていますのでこれを婦人の貴い貞節に喩られています。松は豪壮勇偉な
男子
(
おとこ
)
、竹は貞節ある淑徳な
女子
(
おなご
)
、これは誠に
相応
(
ふさわ
)
しい双璧ではありますまいか。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
「そうだ。達也は
男子
(
おとこ
)
だからな、これ位のことに負けちゃならんぞ」
美人鷹匠
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
「ええ、
男子
(
おとこ
)
にも血が起るということは有るで」
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
いや、もう、
先方
(
さき
)
が
婦人
(
おんな
)
にもいたせ、
男子
(
おとこ
)
にもいたせ、人間でさえありますれば、手前は
正
(
しょう
)
のもの鬼でござる。——
狼
(
おおかみ
)
が
法衣
(
ころも
)
より始末が悪い。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
たゞ新五郎様と云う
御惣領
(
ごそうりょう
)
の若様が有ったが、今居れば三十八九になったろうけれども行方知れず覚えて居て下さい、鼻の高い色の白い
好
(
い
)
い
男子
(
おとこ
)
だ、目の下に大きな
黒痣
(
ほくろ
)
が有ったよ
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
やつちよいやつちよい譯なしだと捩ぢ鉢卷をする
男子
(
おとこ
)
のそばから、夫れでは私たちが詰らない、皆が騷ぐを見るばかりでは美登利さんだとて面白くはあるまい、何でもお前の好い物におしよと
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『
自分
(
じぶん
)
は
三人
(
さんにん
)
のきょうだいの
中
(
なか
)
の
頭
(
かしら
)
、
他
(
ほか
)
は
皆
(
みな
)
男子
(
おとこ
)
でございました。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「何故ってホントにいらっしゃるおつもりなら差し上げますわ。何でもない事ですから……イクラでも……わたくしモトからエチオピア
贔屓
(
びいき
)
ですから。私が
男子
(
おとこ
)
なら自分で行きたいくらいに思っているんですからね」
女坑主
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
途中で、ははあ、これが二十世紀の人間だな、と思うのを御覧なすったら、
男子
(
おとこ
)
でも
女子
(
おんな
)
でもですね、
唐突
(
だしぬけ
)
に
南無阿弥陀仏
(
なむあみだぶつ
)
と声をかけてお試しなさい。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
手織の
糸織縮
(
いとおりちゞみ
)
を広袖にして
紫縮緬呉羅
(
むらさきちりめんごろう
)
の袖口が附いて居ます、
男子
(
おとこ
)
の着物には可笑しいようで、ずいと前を広げても白縮緬か緋縮緬の
褌
(
ふんどし
)
をしめるのではありません、矢張
晒木綿
(
さらしもめん
)
の褌で
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
やつちよいやつちよい訳なしだと
捩
(
ね
)
ぢ鉢巻をする
男子
(
おとこ
)
のそばから、それでは私たちがつまらない、
皆
(
みんな
)
が騒ぐを見るばかりでは美登利さんだとて面白くはあるまい、何でもお前の好い物におしよと
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
見
(
み
)
ると、
向
(
むか
)
うに
一人
(
ひとり
)
の
若
(
わか
)
い
男子
(
おとこ
)
の
姿
(
すがた
)
が
現
(
あら
)
われました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
以上に列記したるものを、はじめをはり取
揃
(
そろ
)
へむか、いくら安く
積
(
つも
)
つて見ても……やつぱり少しも安からず、
男子
(
おとこ
)
は裸百貫にて、女は着た処が、千両々々。
当世女装一斑
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
えゝ
引続
(
ひきつゞき
)
のお梅粂之助のお話。何ういう
理由
(
わけ
)
か
女子
(
おんな
)
の名を先に云って
男子
(
おとこ
)
の名を
後
(
あと
)
で呼ぶ。お花半七とか、お染久松とか、夕霧伊左衞門とかいうような訳で、実に
可笑
(
おか
)
しいものでござります。
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
どうだね、殊に親も兄弟も叔父叔母もない。ただ手足と、顔と、
綾羅錦繍
(
りょうらきんしゅう
)
と、三味線と
冷酒
(
ひやざけ
)
と踊とのみあって存する、あわれな
孤児
(
みなしご
)
をどうするんです、ねえ君、そこは
男子
(
おとこ
)
の意地だ。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
男子
(
おとこ
)
たるべきものがそんな
意気地
(
いくじ
)
がない魂ではいかんぞ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
無念の情は
勃然
(
ぼつぜん
)
として起これり。
繊弱
(
かよわ
)
き
女子
(
おんな
)
の身なりしことの
口惜
(
くちお
)
しさ!
男子
(
おとこ
)
にてあらましかばなど、言い
効
(
がい
)
もなき
意気地
(
いくじ
)
なさを
憶
(
おも
)
い出でて、しばしはその恨めしき地を去るに忍びざりき。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“男子”の意味
《名詞》
男子(だんし 呉音:なんし)
男の子。少年。
むすこ。
男の人、男性。特に家計や社会の担い手としての男性。
(出典:Wiktionary)
男
常用漢字
小1
部首:⽥
7画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“男子”で始まる語句
男子山
男子組合
男子村
男子蘭
男子達
男子部
男子禁制