案内者あんないしや)” の例文
騎兵大隊長きへいだいたいちやう夫人ふじん變者かはりものがあつて、いつでも士官しくわんふくけて、よるになると一人ひとりで、カフカズの山中さんちゆう案内者あんないしやもなく騎馬きばく。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
案内者あんないしやがついてゐます。御串戲ごじやうだんばかり。……洲崎すさき土手どてあたつたつて、ひとふねせば上總澪かづさみをで、長崎ながさき函館はこだてわた放題はうだい
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
この小鳥ことりむれには、かならず一づゝ先達せんだつとりがあります。そのとりそら案内者あんないしやです。澤山たくさんいてとりむれ案内あんないするとりはうきます。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
此秋山にはいにしへ風俗ふうぞくおのづからのこれりときゝしゆゑ一度はたづねばやとおもひりしに、此地をよくしりたる案内者あんないしやたりしゆゑ、偶然ふとおもひたち案内あなひをしへにまかせ
真先まつさき案内者あんないしや権七ごんしちかへつてたのが、ものゝ半時はんときあひだかつた。けれども、あし爪立つまだつてつてには、夜中よなかまでかゝつたやうにおもふ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……案内者あんないしややとはれるものが、なにらないまへ道案内みちあんないたとふもなにかのえんおもふ。人一倍ひといちばい精出せいだしてさがさうからしづかにやすめ、と頼母たのもしくつて、すぐにまた下階したりた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
日和癖ひよりぐせで、何時なんどきぱら/\とようもれないから、案内者あんないしや同伴つれも、わたしも、各自おの/\蝙蝠傘かうもりがさ……いはゆる洋傘パラソルとはのれないのを——いろくろいのに、もさゝないし、たれはゞかるともなく
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
土地とち名所めいしよとはひながら、なか/\もつて、案内者あんないしやれて踏込ふみこむやうな遊山場ゆさんばならず。双六盤すごろくばんこと疑無うたがひなけれど、これあるは、つきなか玉兎ぎよくとのある、とおんなこと、と亭主ていしゆかたつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「こつちが間拔まぬけなんです。——ばんごとこれぢや案内者あんないしやまをわけがありません。」
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)