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放蕩
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はうたう
ふりがな文庫
“
放蕩
(
はうたう
)” の例文
僕の如きも現に
欺
(
あざむ
)
かれて居た
一人
(
いちにん
)
のだ、そりや君、酒は飲む
放蕩
(
はうたう
)
はする、篠田の偽善程恐るべき者は無い、現に其の
掩
(
おほ
)
ふべからざる明証の一は
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
ヒドい
放蕩
(
はうたう
)
な生活の中から自殺しそくなつた経験をぬきとつて、
高潮
(
クライマックス
)
だけを手記と云ふ風な形式で書いたつもりであつたが、うまく行かなかつたので
イボタの虫
(新字旧仮名)
/
中戸川吉二
(著)
その頃から
遽
(
には
)
かに異性といふものに目がさめはじめると同時に、同じやうな恋の対象がそれから
夫
(
それ
)
へと心に映じて来たが、だらしのない父の
放蕩
(
はうたう
)
の
報
(
むく
)
いで
或売笑婦の話
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
あらゆる忍苦ではなかつたか。
放蕩
(
はうたう
)
もまた苦行、残忍無残もまた苦行、デカダンもまた苦行、「恐ろしい群」もまた苦行、歓楽もまた苦行ではなかつたか。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
「帰れる
放蕩
(
はうたう
)
息子」に自分自身をたとへた彼は、息苦しい都会の真中にあつて、柔かに優しいそれ故に平凡な自然のなかへ、溶け込んで了ひたいといふ切願を
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
▼ もっと見る
押領
(
あふりやう
)
せんと
巧
(
たくむ
)
智慧
(
ちゑ
)
の深き事
量
(
はかる
)
べからずと雖も英智の
贋物
(
にせもの
)
にして
悉皆
(
こと/″\
)
く
邪智
(
じやち
)
奸智
(
かんち
)
と云ふべし大石内藏助は其身
放蕩
(
はうたう
)
と見せて君の
讎
(
あだ
)
を討ちしは忠士の
智嚢
(
ちなう
)
を振ひ功名を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
小谷の
放蕩
(
はうたう
)
は由子が来る前からのものだつた。今はどうにか自然と止まつてゐるが、由子は結婚以来殆ど楽しい思ひをしたことがないほど小谷の放蕩に悩まされた。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
家
(
いへ
)
のうちには
不愉快
(
ふゆくわい
)
で
居
(
ゐ
)
たゝまれないからのお
遊
(
あそ
)
び、こんな
事
(
こと
)
をして
良人
(
をつと
)
を
放蕩
(
はうたう
)
に
仕
(
し
)
あげて
仕舞
(
しま
)
ふたのです、
良人
(
をつと
)
は
美事
(
みごと
)
家
(
うち
)
を
外
(
そと
)
にするといふ
道樂者
(
だうらくもの
)
に
成
(
な
)
つて
仕舞
(
しま
)
ひました。
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一時は
放蕩
(
はうたう
)
さへ働けば、一かど芸術がわかるやうに思ひ
上
(
あが
)
つた連中がある。この頃は道義と宗教とを談ずれば、
芭蕉
(
ばせを
)
もレオナルド・ダ・ヴインチも
一呑
(
ひとの
)
みに呑みこみ顔をする連中がある。
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
池上權藏
(
いけがみごんざう
)
は
此日
(
このひ
)
から
生
(
うま
)
れ
更
(
かは
)
りました、
元
(
もと
)
より
強健
(
きやうけん
)
な
體躯
(
からだ
)
を
持
(
もつ
)
て
居
(
ゐ
)
て
元氣
(
げんき
)
も
盛
(
さかん
)
な
男
(
をとこ
)
ではありましたが、
放蕩
(
はうたう
)
に
放蕩
(
はうたう
)
を
重
(
かさ
)
ねて
親讓
(
おやゆづり
)
の
田地
(
でんち
)
は
殆
(
ほとん
)
ど
消
(
き
)
えて
無
(
な
)
くなり、
家
(
いへ
)
、
屋敷
(
やしき
)
まで
人手
(
ひとで
)
に
渡
(
わた
)
りかけたので
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
(翁の門人惟然が作といふ翁の肖像あるひは画幅の肖像、世に流伝するものと此説とあはせ視るべし)小川破笠俗称平助
壮年
(
さうねん
)
の
頃
(
ころ
)
放蕩
(
はうたう
)
にて嵐雪と
倶
(
とも
)
に(俗称服部彦兵ヱ)其角が堀江町の
居
(
きよ
)
に
食客
(
しよくかく
)
たりし事
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
勿論
(
もちろん
)
、その間にも、家々の浮沈がないでもない。それはかなりにある。ある家では息子が
放蕩
(
はうたう
)
で田地の
半
(
なかば
)
を失つた。ある家では養蚕に成功して身代がその三倍になつた。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
持程の
損
(
そん
)
はなし夫故我は妻をも持ず
世繼
(
よつぎ
)
には人が
骨
(
ほね
)
を
折
(
をつ
)
て
養育
(
やういく
)
した子を
貰
(
もら
)
へば
持參金
(
ぢさんきん
)
も何程か
附
(
つく
)
なり
縱令
(
たとへ
)
放蕩
(
はうたう
)
を仕たればとて無した金は持參金より
引去
(
ひきさり
)
離縁
(
りえん
)
さへすれば
跡腹
(
あとばら
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
彼奴
(
きやつ
)
の家を御覧なさい、
彼
(
あ
)
の
放蕩
(
はうたう
)
を御覧なさい、軍艦のコムミッションと、御用商人の
賄賂
(
わいろ
)
ぢやありませんか、——
貴嬢
(
あなた
)
を妻に欲しいと云ふのも、決して貴嬢の学識や品性を重んじて言ふのぢや無い
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
(翁の門人惟然が作といふ翁の肖像あるひは画幅の肖像、世に流伝するものと此説とあはせ視るべし)小川破笠俗称平助
壮年
(
さうねん
)
の
頃
(
ころ
)
放蕩
(
はうたう
)
にて嵐雪と
倶
(
とも
)
に(俗称服部彦兵ヱ)其角が堀江町の
居
(
きよ
)
に
食客
(
しよくかく
)
たりし事
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
村の人の幾らか好くなつたらうと望を
属
(
しよく
)
して居たのにも
拘
(
かゝは
)
らず、相変らず
無頼
(
ぶらい
)
で、
放蕩
(
はうたう
)
で後悔を為るどころか一層大胆に悪事を行つて、殆ど傍若無人といふ有様であつた。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
情なき事に思ひ或時は
放蕩
(
はうたう
)
の
擧動
(
ふるまひ
)
等御座候故是又其儘に
打捨難
(
うちすてがた
)
く
諫
(
いさ
)
めつ
宥
(
なだ
)
めつ致し候中
不※
(
ふと
)
藤五郎
不行跡
(
ふぎやうせき
)
のこと御座りしを主税之助は幸ひに亂心と申
立
(
たて
)
座敷牢
(
ざしきらう
)
に
押込
(
おしこめ
)
我が
實子
(
じつし
)
佐
(
すけ
)
五郎を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何程
(
なんぼ
)
花婿が
放蕩
(
はうたう
)
して、
大切
(
だいじ
)
な娘が泣きをつても、苦情を
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
此間も一度さういふことを考へたが、その夜もかれはかれ自身と
放蕩
(
はうたう
)
無残な行為をした兄弟子との二つの生活をつづいて考へずには居られなかつた。兄弟子は慈雲と言つた。
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
祖父は
歿
(
な
)
くなる、親は追出す、もう誰一人その
我儘
(
わがまゝ
)
を
抑
(
と
)
めるものが無くなつたので、初めの中は自分の家の財産を抵当に、
彼方
(
あつち
)
此方
(
こつち
)
から金を工面して、
猶
(
なほ
)
その
放蕩
(
はうたう
)
を続けて居た。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
“放蕩”の解説
放蕩(ほうとう)とは、自分の思うままに振る舞うこと。やるべきことをやらず、飲酒や遊びにうつつをぬかすこと。
(出典:Wikipedia)
放
常用漢字
小3
部首:⽁
8画
蕩
漢検準1級
部首:⾋
15画
“放蕩”で始まる語句
放蕩者
放蕩無頼
放蕩息子
放蕩児
放蕩三昧
放蕩家
放蕩費
放蕩親爺
放蕩漢
放蕩癖