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ねんとう
ふりがな文庫
“
念頭
(
ねんとう
)” の例文
其
(
そ
)
れが
頻
(
しき
)
りに
交代
(
かうたい
)
されるので、
卯平
(
うへい
)
は一
度
(
ど
)
しか
郷里
(
きやうり
)
の
土
(
つち
)
を
踏
(
ふ
)
まなくても
種々
(
しゆ/″\
)
の
變化
(
へんくわ
)
を
耳
(
みゝ
)
にした。
彼
(
かれ
)
は一
番
(
ばん
)
おつぎのことが
念頭
(
ねんとう
)
に
浮
(
うか
)
ぶ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
運の悪いいろいろの事情に
災
(
わざわい
)
されていたことも考えあわせ、また大器晩成流の家風をも
念頭
(
ねんとう
)
に置いたために、深く考えても見なかったのである。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
そして、おじいさんがつえをついてきて、
二人
(
ふたり
)
に、この
光
(
ひか
)
るものを
投
(
な
)
げていった
有
(
あ
)
り
様
(
さま
)
が、なお
昨日
(
きのう
)
のように
念頭
(
ねんとう
)
に
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
されるのでありました。
幸福に暮らした二人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
僕はカビ博士のことを
念頭
(
ねんとう
)
に思いうかべた。そこで博士の貸してくれた通信機のことをも思い出して胸のあたりをさぐってみると、ちゃんとそれがあった。
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
父親
(
おやじ
)
や
母親
(
おふくろ
)
を始め、家つきを
権
(
かさ
)
に
被
(
き
)
ている女房のお辰めに一鼻あかしてやらなくては、というこころがなにかにつけて若い彼の
念頭
(
ねんとう
)
を支配していたのだった。
釘抜藤吉捕物覚書:07 怪談抜地獄
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
わたしは
女
(
をんな
)
と
眼
(
め
)
を
合
(
あは
)
せた
時
(
とき
)
、たとひ
神鳴
(
かみなり
)
に
打
(
う
)
ち
殺
(
ころ
)
されても、この
女
(
をんな
)
を
妻
(
つま
)
にしたいと
思
(
おも
)
ひました。
妻
(
つま
)
にしたい、——わたしの
念頭
(
ねんとう
)
にあつたのは、
唯
(
ただ
)
かう
云
(
い
)
ふ一
事
(
じ
)
だけです。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
朝から飲まず食わずでも、またこれからいく
日
(
にち
)
、一
滴
(
てき
)
の水を口にしないまでも、そんなことは
念頭
(
ねんとう
)
にない。まさに真剣以上の真剣だ。それに早くまいったほうが
惨敗者
(
ざんぱいしゃ
)
だ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今
(
いま
)
は
最
(
も
)
う、さつきから
荷車
(
にぐるま
)
が
唯
(
たゞ
)
辷
(
すべ
)
つてあるいて、
少
(
すこ
)
しも
轣轆
(
れきろく
)
の
音
(
おと
)
の
聞
(
きこ
)
えなかつたことも
念頭
(
ねんとう
)
に
置
(
お
)
かないで、
早
(
はや
)
く
此
(
こ
)
の
懊惱
(
あうなう
)
を
洗
(
あら
)
ひ
流
(
なが
)
さうと、
一直線
(
いつちよくせん
)
に、
夜明
(
よあけ
)
に
間
(
ま
)
もないと
考
(
かんが
)
へたから
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
そして三千代は首皇子を
念頭
(
ねんとう
)
に常に安宿を育てていた。首皇子はその幼少に三千代にみたされて育った
翳
(
かげ
)
を、より若く、より美しい安宿の現実の魅力の中で、思いだし、みたされていた。
道鏡
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
幽明
(
ゆうめい
)
の
交通
(
こうつう
)
を
試
(
こころ
)
みらるる
人達
(
ひとたち
)
は
常
(
つね
)
にこの
事
(
こと
)
を
念頭
(
ねんとう
)
に
置
(
お
)
いて
戴
(
いただ
)
きとう
存
(
ぞん
)
じます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
周圍
(
しうゐ
)
の
凡
(
すべ
)
てが
杯
(
さかづき
)
を
擧
(
あ
)
げてくれる
其
(
そ
)
の
夜
(
よ
)
の
當人同士
(
たうにんどうし
)
を
念頭
(
ねんとう
)
に
浮
(
うか
)
べる
時
(
とき
)
彼等
(
かれら
)
は
淡
(
あは
)
い
嫉妬
(
しつと
)
を
沸
(
わ
)
かさねば
成
(
な
)
らぬ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
わたしは女と眼を合せた時、たとい
神鳴
(
かみなり
)
に打ち殺されても、この女を妻にしたいと思いました。妻にしたい、——わたしの
念頭
(
ねんとう
)
にあったのは、ただこう云う一事だけです。
藪の中
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
自分
(
じぶん
)
の
身體
(
からだ
)
と
自分
(
じぶん
)
の
心
(
こゝろ
)
とが
別々
(
べつ/\
)
に
成
(
な
)
つたやうな
心持
(
こゝろもち
)
で
自分
(
じぶん
)
が
自分
(
じぶん
)
をどうする
事
(
こと
)
も
出來
(
でき
)
なかつた。それでも
小作米
(
こさくまい
)
のことは
其
(
そ
)
の
念頭
(
ねんとう
)
から
沒
(
ぼつ
)
し
去
(
さ
)
ることはなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
“念頭”の意味
《名詞》
念頭(ねんとう)
考え。心の内。
(出典:Wiktionary)
念
常用漢字
小4
部首:⼼
8画
頭
常用漢字
小2
部首:⾴
16画
“念”で始まる語句
念
念珠
念仏
念入
念誦
念力
念佛
念慮
念晴
念願