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御気色
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みけしき
ふりがな文庫
“
御気色
(
みけしき
)” の例文
旧字:
御氣色
逆鱗
(
げきりん
)
は申すまでもない。お留守をあずかっていた
公卿輩
(
くげばら
)
はもちろんのこと、
行幸
(
みゆき
)
に
従
(
つ
)
いてもどった人々も、その
御気色
(
みけしき
)
に
慴伏
(
しょうふく
)
して
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そういううちにも怪しき
御気色
(
みけしき
)
になり、舗道の上に両股を踏ん張って真実今にも喚き出そうふうだから、古市もとうとう兜を脱ぎ、ままよ
魔都
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「だってあの
御気色
(
みけしき
)
を
御覧
(
ごろう
)
じろ、きっとあれだ、
違
(
ちげ
)
えねえね、八丁堀で
花札
(
ふだ
)
が走った上に、怨み重なる
支那
(
チャンチャン
)
と来ちゃあ、こりゃ
奢
(
おご
)
られッこなし。」
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
翌建仁元年四十歳のとき、『千五百番歌合』のための百首を献じて、殊に
宜
(
よろ
)
しき由の
御気色
(
みけしき
)
を賜わった。間もなく和歌所が設置されて
寄人
(
よりうど
)
に加えられた。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
光
(
ひかり
)
の中につらつら
御気色
(
みけしき
)
を見たてまつるに、
朱
(
あけ
)
をそそぎたる
竜顔
(
みおもて
)
に、
一二八
荊
(
おどろ
)
の
髪
(
かみ
)
膝
(
ひざ
)
にかかるまで乱れ、
白眼
(
しろきまなこ
)
を
吊
(
つ
)
りあげ、
熱
(
あつ
)
き
嘘
(
いき
)
をくるしげにつがせ給ふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
▼ もっと見る
「ナニネ、
先刻
(
さっき
)
我輩が明治年代の丹治と云ッたのが
御気色
(
みけしき
)
に障ッたと云ッて、この通り顔色まで変えて御立腹だ。
貴嬢
(
あなた
)
の
情夫
(
いろ
)
にしちゃア
些
(
ち
)
と野暮天すぎるネ」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
ひでよし公はお市どのをうばいそこねてたいそう
御気色
(
みけしき
)
をそんぜられたそうでござりますけれども
盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
勢のよい、しかも美しい鶉の声にとう/\疱瘡の神は
烈
(
はげ
)
しい風に吹きとばされる雲のやうに追ひのけられ、王様の
御気色
(
みけしき
)
はうららかに晴れた
蒼空
(
あをぞら
)
のやうに美しくなりました。
孝行鶉の話
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
俊寛様はこうおっしゃると、たちまちまた
御眼
(
おんめ
)
のどこかに、陽気な
御気色
(
みけしき
)
が
閃
(
ひらめ
)
きました。
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
この雲行から察すると、治右の手がすでに将軍家にまでも伸びているのは言うまでもないこと、一言半句の失言があっても、
御気色
(
みけしき
)
は愈々
険悪
(
けんあく
)
、恐るべき御上意の下るのは知れ切ったことでした。
旗本退屈男:11 第十一話 千代田城へ乗り込んだ退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
せめて
暑中
(
しよちう
)
は西の京へでも、侍臣斯く申せば、
御気色
(
みけしき
)
かはり、
宣
(
のたま
)
ひけらく「
朕
(
ちん
)
西京を
嫌
(
きら
)
ふと思ふか。
否
(
いな
)
、朕は西の京が大好きなり。さりながら、朕、東の京を去らば、誰か日本の
政
(
まつりごと
)
を見むものぞ?」
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
朝雲の大き
御気色
(
みけしき
)
かすかだに仰ぎまつらばただに涙ならむ
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
御気色
(
みけしき
)
いとゞ麗はしく
在
(
いま
)
すが如くおもほえて
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
お師さま、その噂は、
真
(
まこと
)
らしゅうございます。私も
疾
(
と
)
うから耳にしておりましたが、近ごろは、ご遠方へお出ましもなく、また
御気色
(
みけしき
)
を
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
中途で退出したことを
聞召
(
きこしめ
)
されて大いに
御気色
(
みけしき
)
を損ぜられたので、浄蔵は深く
勅勘
(
ちょっかん
)
の身を
慎
(
つゝし
)
み、三箇年の間
横川
(
よかわ
)
の
首楞厳院
(
しゅりょうごんいん
)
に
籠居
(
ろうきょ
)
して修練苦行の日を送ったと云うが、世間一般の人々は
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
一面に気味悪く紫立って、
御褥
(
おしとね
)
の
白綾
(
しろあや
)
も焦げるかと思う
御気色
(
みけしき
)
になりました。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「いつにないお爽やかな
御気色
(
みけしき
)
、主水之介何よりの歓びにござります」
旗本退屈男:11 第十一話 千代田城へ乗り込んだ退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「
夫人
(
おくさま
)
は
御気色
(
みけしき
)
が悪いとおっしゃって、さきほど
御寝
(
おしずまり
)
になりました」
湖畔
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
老婦人は奥歯を
噛切
(
かみし
)
め、
御気色
(
みけしき
)
荒く
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
帝の
御気色
(
みけしき
)
は、これへ来る前とは別人のように晴々として明るい笑くぼすらたたえておられる。百官はその御容子を仰ぐとみな
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
紅葉狩
(
もみじが
)
りと、次々に催しがあるのだけれども、今年はそんな次第で殿の
御気色
(
みけしき
)
がすぐれないものだから、表でも奥でも派手な遊びは差控えることにして、ほんの型ばかりの行事を済ませた。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
と、みな色を失い、彼ら
衣冠
(
いかん
)
のつつしみぶかい眸も、せつな、こぞって
御簾
(
ぎょれん
)
のうちの
御気色
(
みけしき
)
へ、思わずうごいたほどである。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それどころでない。
逆鱗
(
げきりん
)
あらせられた
御気色
(
みけしき
)
ですらある。——きっと、今日のことは、やがて重いおとがめでもあろうぞ」
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
正成をのこして、ついと
謁見
(
えっけん
)
の
御座
(
ぎょざ
)
をお立ちになってしまった
御気色
(
みけしき
)
にみても、お腹立ちのほどは充分に
窺
(
うかが
)
われる。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もとより、御立腹には見えました。宵のころ、木工助やあると、ただならぬ
御気色
(
みけしき
)
で。……
彼奴
(
きゃつ
)
め、どこを
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
公卿百官は、競馬も見ているが、天皇と院の
御気色
(
みけしき
)
には、のべつ気をつかっている。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
然るにいま、呉君におかれては、
碌々
(
ろくろく
)
一身の安穏のみを計る文官たちの弱音にひかれて、遂に、曹操へ降伏せんかの
御気色
(
みけしき
)
にうかがわれる。実に残念とも何ともいいようがありません
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「よう
喩
(
たと
)
えられた。まことに、法皇の
御気色
(
みけしき
)
は、照り降り雨、われらが側近にあれば、また変る。お案じあるな」席には、
近江
(
おうみの
)
入道蓮浄、山城守
基兼
(
もとかね
)
、
平判官
(
へいほうがん
)
康頼、その他の人々がいた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たまたまの祭日や盆正月のみが、彼らの慰楽で、平常は日々自粛、日々奉公、
弛
(
ゆる
)
みもない民だ。——また信長も、今川風の政治は民にいたしておらぬ! ……と、きつい
御気色
(
みけしき
)
で仰せられた
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
佐々木道誉ですらも、まだその決定は知らず、妃三人を送りこんだ次の日も、なお、樗門の内へ来て、行房と忠顕に会い、昨夜の
御気色
(
みけしき
)
ぶりなどを、それとなく洩れ伺ッたりなどしていた。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
仙洞
(
せんとう
)
の
御気色
(
みけしき
)
に
諂
(
へつら
)
い、武功に誇り、頼朝にも計らわず、五位の
尉
(
じょう
)
に昇るなど、身のほどを忘れた振舞、肉親とて、捨ておいては、覇業の
障
(
さわ
)
りになる。今のうちに、九郎冠者めを討って取れ」
日本名婦伝:静御前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
法皇にも
御眉
(
おんまゆ
)
をひらかれた。うるわしい
御気色
(
みけしき
)
のうちに、御座を立たれた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
勅使は、
綸言
(
りんげん
)
を伝えていう。今日の事、
叡覧
(
えいらん
)
あって
龍顔
(
りゅうがん
)
殊のほか御うるわしく、上古末代の見もの、本朝のみか、異国にもかほどのさまはあるべからずと
宣
(
のたま
)
わせ、斜めならぬ
御気色
(
みけしき
)
に仰がれた。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一ときは、やや
御気色
(
みけしき
)
をうごかしたが、さして怪しむ容子でもなく
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、すくなからぬお驚きと、またありあり、ご不満な
御気色
(
みけしき
)
だった。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「やあ、これは。——筑前殿にはいつもながらお
麗
(
うるわ
)
しい
御気色
(
みけしき
)
で」
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、ほんとのご歓待なんてものは、形や物ではありません。その点、
御気色
(
みけしき
)
にさわるふしもありましょうが、それがしは寨中の末端者だし、何かとつい行き届きません。どうかおゆるしのほどを」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
袁術皇帝は、この秋、すこぶる
御気色
(
みけしき
)
うるわしくない。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
“御気”で始まる語句
御気
御気性
御気慊
御気丈
御気嫌
御気扱
御気振
御気散
御気焔
御気込