トップ
>
天竺
>
てんぢく
ふりがな文庫
“
天竺
(
てんぢく
)” の例文
夢
(
ゆめ
)
は
五臟
(
ござう
)
のわづらひといひ
傳
(
つた
)
ふれども
正夢
(
しやうむ
)
にして
賢人
(
けんじん
)
聖人
(
せいじん
)
或は
名僧
(
めいそう
)
知識
(
ちしき
)
の人を
産
(
う
)
むは
天竺
(
てんぢく
)
唐土
(
もろこし
)
我朝
(
わがてう
)
ともにその
例
(
ため
)
し
少
(
すく
)
なからず
已
(
すで
)
に
玄奘法師
(
げんさうほふし
)
は夢を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
我朝はいふに及ばず、
天竺
(
てんぢく
)
震旦
(
しんたん
)
にも
是程
(
さほど
)
の法滅有るべしともおぼえず、
優填
(
うてん
)
大王の
紫磨金
(
しまごん
)
を
瑩
(
みが
)
き、
毘首羯摩
(
びしゆかつま
)
が
赤栴檀
(
しやくせんだん
)
を
刻
(
きざみ
)
しも、
纔
(
わづか
)
に等身の御仏なり。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
其
(
そ
)
の
向
(
むか
)
うは、
鰐
(
わに
)
の
泳
(
およ
)
ぐ、
可恐
(
おそろし
)
い
大河
(
おほかは
)
よ。……
水上
(
みなかみ
)
は
幾千里
(
いくせんり
)
だか
分
(
わか
)
らない、
天竺
(
てんぢく
)
のね、
流沙河
(
りうさがは
)
の
末
(
すゑ
)
だとさ、
河幅
(
かははゞ
)
が三
里
(
り
)
の
上
(
うへ
)
、
深
(
ふか
)
さは
何百尋
(
なんびやくひろ
)
か
分
(
わか
)
りません。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
天竺
(
てんぢく
)
まで流されて行つて、積荷を
捌
(
さば
)
いた上、大した金目のものを積んで、清水港まで來て居るのだ。
銭形平次捕物控:217 歎きの幽沢
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
久遠
(
くをん
)
のむかしに、
天竺
(
てんぢく
)
の国にひとりの若い
修行
(
しゆぎやう
)
僧が居り、野にいでて、感ずるところありてその
精
(
せい
)
を
泄
(
もら
)
しつ、その精草の葉にかかれり。などといふやうなことが書いてあつた。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
▼ もっと見る
極
(
ごく
)
かいつまんだだけをお話しても、杜子春が金の杯に西洋から来た葡萄酒を汲んで、
天竺
(
てんぢく
)
生れの魔法使が刀を呑んで見せる芸に見とれてゐると、そのまはりには二十人の女たちが
杜子春
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
梣
(
とねりこ
)
よ、
色蒼
(
いろあを
)
ざめた
天竺
(
てんぢく
)
の
赤脚仙
(
ジムノソフイスト
)
、えたいの知れぬ木、わたしの悲しい心の
悦
(
よろこび
)
。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
天竺
(
てんぢく
)
の
靈山
(
れいざん
)
此處に來れり。
唐土
(
たうど
)
の
天台山
(
てんだいざん
)
親
(
まのあた
)
りここに見る。我が身は釋迦佛にあらず、
天台大師
(
てんだいだいし
)
にてはなし。然れども
晝夜
(
ちうや
)
に法華經をよみ、
朝暮
(
てうぼ
)
に
摩訶止觀
(
まかしくわん
)
を談ずれば、靈山淨土にも相似たり。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
天竺
(
てんぢく
)
は火事じや、
世
(
よ
)
は火事じや
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
天竺
(
てんぢく
)
震旦
(
しんたん
)
古例
(
これい
)
あり
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
七
年
(
ねん
)
幾月
(
いくつき
)
の
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
はじめて、
世界
(
せかい
)
を
代
(
か
)
へた
天竺
(
てんぢく
)
の
蕃蛇剌馬
(
ばんじやらあまん
)
の
黄昏
(
たそがれ
)
に、
緋
(
ひ
)
の
色
(
いろ
)
した
鸚鵡
(
あうむ
)
の
口
(
くち
)
から、
同
(
おな
)
じ
言
(
ことば
)
を
聞
(
き
)
いたので、
身
(
み
)
を
投臥
(
なげふ
)
して
泣
(
な
)
いた、と
言
(
い
)
ひます。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一度縁あつて江戸に入りましたが、もとの
天竺
(
てんぢく
)
のお寺に
還
(
かへ
)
した方が、八方圓く納まるに違ひないと、庄司三郎兵衞も千二百兩の大金を手に入れて滿足したことでせう。
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
天竺
(
てんぢく
)
は火事じや、
世
(
よ
)
は火事じや
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「それだつて日本の文字だよ、變體假名交りの
草書
(
さうしよ
)
だけれど、オランダや
天竺
(
てんぢく
)
の文字ぢやねえ」
銭形平次捕物控:298 匕首の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
饑
(
うゑ
)
に
堕
(
お
)
ちたる
天竺
(
てんぢく
)
の
末期
(
まつご
)
の
苦患
(
くげん
)
。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「睡り藥だらう、それもきゝのよいところを見ると南蠻物だ。この間池の端の丸屋で盜まれた毒藥の中に、
天竺
(
てんぢく
)
の
阿片
(
あへん
)
から採つた、恐ろしい眠り藥があると聽いたが——」
銭形平次捕物控:239 群盗
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いづれも
天竺
(
てんぢく
)
の名木で作つたものでせう、
色彩
(
しきさい
)
も
剥落
(
はくらく
)
してまことに
慘憺
(
さんたん
)
たる有樣ですが、男女二體の
彫像
(
てうざう
)
の内、男體の額に
鏤
(
ちりば
)
めた夜光の珠は
燦然
(
さんぜん
)
として
方丈
(
はうぢやう
)
の堂内を睨むのでした。
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その人參や沈香の方も氣をつけてくれ、近頃は唐、
天竺
(
てんぢく
)
、
和蘭
(
オランダ
)
あたりの品がよく入るやうだから、——拔りはあるまいが、何處からそんな品が手に入つて來るか、突き止めるんだよ。
銭形平次捕物控:043 和蘭カルタ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
當山の大黒天は、
行基菩薩
(
ぎやうきぼさつ
)
が南海に流れ寄つた
天竺
(
てんぢく
)
の
香木
(
かうぼく
)
で
彫
(
きざ
)
んだといふ有難い秘佛ですが、本堂の破損が甚だしく、その再建のため、當山始まつて以來、百日を限つての御開帳を行ひました。
銭形平次捕物控:274 贋金
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「百兩の茶碗、五十兩の茶入。こいつは何んとか言ふ坊さんがのたくらせた
蚯蚓
(
みゝず
)
で、こいつは
天竺
(
てんぢく
)
から渡つた水差しだと、獨りで
悦
(
えつ
)
に入つて居るうちはよかつたが、——人の怨みは怖いね、親分」
銭形平次捕物控:144 茶碗割り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「面白いぢやありませんか、歡喜天といふのは、象の頭で人間の身體の
和合神
(
わがふしん
)
ですつてね。男體は
大荒神
(
おほあらがみ
)
で、女體は觀音樣の
化身
(
けしん
)
、——その聖天樣の像といふのは、
天竺
(
てんぢく
)
傳來の大した御本尊ですぜ」
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“天竺”の意味
《固有名詞》
日本、中国からみたインドの呼称。
(出典:Wiktionary)
“天竺”の解説
天竺(てんじく)とは、中国や朝鮮、日本が用いたインドの旧名。ただし、現在のインドと正確に一致するわけではない。
(出典:Wikipedia)
天
常用漢字
小1
部首:⼤
4画
竺
漢検準1級
部首:⽵
8画
“天竺”で始まる語句
天竺牡丹
天竺鼠
天竺木綿
天竺徳兵衛
天竺葵
天竺浪人
天竺織
天竺国
天竺髷
天竺屋