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呵
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か
ふりがな文庫
“
呵
(
か
)” の例文
と一声高く、頭がちに一
呵
(
か
)
しつ。
驚破
(
すわ
)
と謂わば
飛蒐
(
とびかか
)
らんず、
気勢
(
きおい
)
激しき軍夫等を一わたりずらりと見渡し、その眼を看護員に
睨返
(
ねめかえ
)
して
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
おそらくは読者諸氏もそうであろうが、訳者もまた、孔明の死後となると、とみに筆を
呵
(
か
)
す興味も気力も稀薄となるのを
如何
(
いかん
)
ともし難い。
三国志:12 篇外余録
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それにつれて一時それなりに
呵
(
か
)
し去れたと思えた娘の主張が再び心情を襲うて来て、手脚の患い以上に翁を疲らすのであった。
富士
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
ただ道也先生がこの一点の
温気
(
おんき
)
なき
陋室
(
ろうしつ
)
に、
晏如
(
あんじょ
)
として筆硯を
呵
(
か
)
するの勇気あるは、外部より見て争うべからざる事実である。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「慣れない賊などが忍び込むと、少なくとも
呵
(
か
)
の息を乱します。胸の動悸が高まるので。と天地に影響します。すぐに目つかってしまいます」
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
ふと思い立って
禿筆
(
とくひつ
)
を
呵
(
か
)
し、本書の主要部分である「キリスト教入門」の第三章以下、並びにはしがきに当たる「門をたたけ」の一篇を書き上げ
キリスト教入門
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
汝
(
なんぢ
)
凡夫を捨つべく、聖道は取るべしと存せば、則ち分別を
成
(
じやう
)
ず。
那
(
いづくん
)
ぞ宴と為すことを得ん。この句は凡聖の二境を
平
(
ひと
)
しくすること
能
(
あた
)
はざるを
呵
(
か
)
するなり。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
とあるは毎月
書肆
(
しょし
)
から若干ずつ資給されていた義理合上余儀なくされて渋りがちなる筆を
呵
(
か
)
しつつ
拠
(
よんどこ
)
ろなしに机に向っていた消息を洩らしたのであろう。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
衛士甚だ
衆
(
おお
)
かりしも、門者
呵
(
か
)
して
之
(
これ
)
を
止
(
とど
)
め、昺と貴とのみを入る。昺と貴との入るや、燕王は
杖
(
つえ
)
を
曳
(
ひ
)
いて
坐
(
ざ
)
し、宴を賜い酒を
行
(
や
)
り宝盤に
瓜
(
うり
)
を盛って
出
(
いだ
)
す。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
Authoritaeten
(
アウトリテエテン
)
-Stuermerei
(
スチュルメライ
)
というのだね。あれは仏を
呵
(
か
)
し祖を
罵
(
ののし
)
るのだね。
独身
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
出家学道昼夜精進して貧苦下賤の衆生を
慈愍
(
じびん
)
し、
恒
(
つね
)
にこれを福度し、法のために世に住する摩訶迦葉とはこの人これなりと
呵
(
か
)
するので一同睾丸縮み上って恐れ入る。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「金の一条には大困窮、英雄もこれには閉口なり
呵
(
か
)
々々」と書いて、その翌日、『リセランド窮理書』二巻と『グール小児書』二巻を抵当に知合の医者から五両借りた。
志士と経済
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
羊歯
(
しだ
)
の小自由国や、
蘚苔
(
せんたい
)
の小王国を保護して、樅落葉松の純林、
戟
(
ほこ
)
を
揃
(
そろ
)
へて隣々相立てるあり、これありて裾野の柔美式なる
色相図
(
しきさうづ
)
に、剛健なる
鉄銹色
(
てつしうしよく
)
を
点
(
とも
)
し、無敵の冬をも
呵
(
か
)
して
霧の不二、月の不二
(新字旧仮名)
/
小島烏水
(著)
されど、
嗚呼
(
ああ
)
されど、予は
硯
(
けん
)
に
呵
(
か
)
し
紙
(
し
)
に臨んで、
猶
(
なほ
)
惶々
(
くわうくわう
)
として自ら安からざるものあるを覚ゆ。
惟
(
おも
)
ふに予が過去を点検し記載するは、予にとりて
再
(
ふたたび
)
過去の生活を営むと、
畢竟
(
ひつきやう
)
何の差違かあらん。
開化の殺人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
絃
(
いと
)
をあやつる老妓あれば、
此方
(
こなた
)
にどたばた
逐
(
お
)
ひまくられて、キヤツと
玉切
(
たまぎ
)
る
雛妓
(
すうぎ
)
あり、玉山
崩
(
くづ
)
れて酒煙
濛々
(
もう/\
)
、誠に
是
(
こ
)
れ
朝
(
あした
)
に筆を
呵
(
か
)
して天下の大勢を論じ去る
布衣
(
ふい
)
宰相諸公が、
夕
(
ゆふべ
)
の脚本体なりける
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
例の壮烈な舌を
呵
(
か
)
して、一気に小次郎はこういったが、それに気を呑まれて、大勢の顔からぐの
音
(
ね
)
も出ないので、また——
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
心臓から出ずる気、
呵
(
か
)
と称し、
脾臓
(
ひぞう
)
から出ずる気、
呼
(
こ
)
と称し、腎臓から出ずる気、
吹
(
すい
)
と称し、肝臓から出ずる気、
嘘
(
きょ
)
と称し、肺臓から出ずる気、
泗
(
し
)
と称す。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
才を
呵
(
か
)
して直ちに章をなす彼の文筆が、繪の具皿に
浸
(
ひたる
)
ると同時に、忽ち堅くなつて、穂先の運行がねつとり
竦
(
すく
)
んで仕舞つたのかと思ふと、余は微笑を禁じ得ないのである。
子規の画
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
黒潮騎士 (口々に)——
煩
(
うるさ
)
い。しっしっ。——(と、ものなき竜馬の周囲を
呵
(
か
)
す。)
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
呵
(
か
)
して帝釈を石に化し千の子宮を付けて水底に沈めた。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
筆を
呵
(
か
)
して描き上げたのは燃え立つばかりの
鍾馗
(
しょうき
)
である。前人未発の赤鍾馗。
紅
(
べに
)
一色の鍾馗であった。
北斎と幽霊
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
才を
呵
(
か
)
して直ちに章をなす彼の文筆が、絵の具皿に
浸
(
ひた
)
ると同時に、たちまち堅くなって、穂先の運行がねっとり
竦
(
すく
)
んでしまったのかと思うと、余は微笑を禁じ得ないのである。
子規の画
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
然れども
彼
(
か
)
の面の醜なるを恥ぢずして、
却
(
かへ
)
つてこれを誇る者、渠等は男性を蔑視するなり、
呵
(
か
)
す、常に芸娼妓矢場女等教育なき美人を
罵
(
のゝし
)
る処の、教育ある醜面の淑女を呵す。——
如斯
(
かくのごとく
)
説
(
い
)
ふものあり。
醜婦を呵す
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
さらに、筆を
呵
(
か
)
して——
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ウェルシイニンを賞揚した、前田河広一郎氏が筆を
呵
(
か
)
して、探偵小説を作ったなら、きっと素晴らしいものが出来るだろうと、僕は常に思っている。米国を舞台でも結構である。
探偵小説を作って貰い度い人々
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
寒
(
かん
)
に
衣
(
い
)
し、
餓
(
うえ
)
に
食
(
しょく
)
するはこの人格を維持するの一便法に過ぎぬ。筆を
呵
(
か
)
し
硯
(
すずり
)
を
磨
(
ま
)
するのもまたこの人格を他の面上に貫徹するの方策に過ぎぬ。——これが今の道也の信念である。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
呵
漢検1級
部首:⼝
8画
“呵”を含む語句
呵々
呵責
大啖呵
一気呵成
呵々大笑
呵嘖
啖呵
呵成
一呵
呵然
痰呵
呵殿
弾呵
毘呵羅
御呵
彈呵
罵詈呵責
寛々呵々
大呵
啖呵負
...