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きりしたん
ふりがな文庫
“
切支丹
(
きりしたん
)” の例文
切支丹
(
きりしたん
)
が日本に這入って来るのと同じ頃に伝わって来て、九州地方の
山窩
(
さんか
)
とか、××とか、いうものの中に行われておったという話じゃ
骸骨の黒穂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
これだけの人氣をたつた三月くらゐの間に掴んだのは、
切支丹
(
きりしたん
)
の魔法使ひではあるまいか、と飛んだことを言ふあわて者もあつた程です。
銭形平次捕物控:319 真珠太夫
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何かというと、それは銀いろをした一箇の
鍵
(
かぎ
)
でした。
亡父
(
ちち
)
の二官が公儀から役目の上に預かっていた
切支丹
(
きりしたん
)
屋敷の官庫の鍵です。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
でなくば自身
冥土
(
めいど
)
まで聞きに行ってくる
切支丹
(
きりしたん
)
伴天連
(
ばてれん
)
の秘法でも心得ていないかぎり、推断に苦しむのは当然なことというべきでありました。
右門捕物帖:10 耳のない浪人
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
あれが世にいう悪女の深情けか。まさか
切支丹
(
きりしたん
)
破天連
(
ばてれん
)
でも有るまいが、あの眼で一寸睨まれたら、もう体が痺れて
如何
(
どう
)
する事も出来ないのだそうな
死剣と生縄
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
▼ もっと見る
かの
切支丹
(
きりしたん
)
宗徒に対する特殊の拷問や刑罰は別問題として、普通の罪人に対しては右の四種のほかにその例を聞かない。
拷問の話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「まあ、いわば手品——手品でもないが、
切支丹
(
きりしたん
)
の魔術とでも呼ぶべきものでござろうな。しかし、切支丹ではない。」
釘抜藤吉捕物覚書:12 悲願百両
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「でもあんな方が
切支丹
(
きりしたん
)
でいらッしゃろうとは思いませんでしたよ。それにあんなに髪を切ッていらッしゃるのですら」
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
さし当り
切支丹
(
きりしたん
)
を槍玉に挙げて、凡そ残虐の限りを尽した家光が死んで家綱が四代将軍となつてゐた頃の事である。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
そうです、政宗はなかなか食えない男です、邪法
国
(
くに
)
を迷わすなんぞと、詩にまでうたっていながら、その事実、宣教師を保護し、
切支丹
(
きりしたん
)
を信じていたのですな。
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その恐ろしい病からのがれしめたいとひそかに
切支丹
(
きりしたん
)
に
帰依
(
きえ
)
して、神様にお祈りをしたので御座います。
血友病
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
今般、当村内にて、
切支丹
(
きりしたん
)
宗門の宗徒共、邪法を行ひ、
人目
(
じんもく
)
を
惑
(
まど
)
はし候儀に付き、私見聞致し候次第を、
逐一
(
ちくいち
)
公儀へ申上ぐ可き
旨
(
むね
)
、御沙汰相成り候段
屹度
(
きつと
)
承知
仕
(
つかまつ
)
り候。
尾形了斎覚え書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私自ら、
眩
(
くら
)
めくように覚えて、眼をあいた時は、ただ美くしい自然と地獄の噴煙とのみが目の前にあった。
切支丹
(
きりしたん
)
物語りと雲仙地獄、この二つを切離して考えることは出来ない。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
大久保
相模守
(
さがみのかみ
)
は板倉
伊賀守
(
いがのかみ
)
と
床几
(
しょうぎ
)
を並べて、
切支丹
(
きりしたん
)
の宗徒の
手入
(
ていれ
)
を検視していた。
切支丹転び
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
或無學な金持ちが、初めて蓄音機を聽いて、
切支丹
(
きりしたん
)
ではないかと驚いたこと。
泡鳴五部作:03 放浪
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
島原
(
しまばら
)
の
切支丹
(
きりしたん
)
退治
(
たいじ
)
があって、
血腥
(
ちなまぐさ
)
い
噂
(
うわさ
)
が伝わったのは昨年のことである。
討たせてやらぬ敵討
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
山のべにひそむがごとき
切支丹
(
きりしたん
)
の
貧
(
まづ
)
しき村もわれは見たりき
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
われは思ふ、
末世
(
まつせ
)
の
邪宗
(
じやしゆう
)
、
切支丹
(
きりしたん
)
でうすの
魔法
(
まはふ
)
。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
切支丹
(
きりしたん
)
屋敷のお蝶のやつが、どこへ影を消していやがるのか、さッぱり当てがつかねえので、さすがの親分も気をくさらしておいでなさる。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「手前は死んだ勘兵衛の身許を洗ってくれ。親の初代一刀斎勘兵衛は、五年前に禁制の
切支丹
(
きりしたん
)
の像に紛らわしい物を彫って、遠島になったはずだ」
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
一世を驚倒させたあの
戦慄
(
せんりつ
)
すべき
切支丹
(
きりしたん
)
宗徒の大陰謀を、またたくうちにあばきあげ、真に
疾風迅雷
(
しっぷうじんらい
)
の早さをもって一味徒党を一網打尽にめしとり
右門捕物帖:02 生首の進物
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「わたしは、ひとつ、ぜひ、
切支丹
(
きりしたん
)
の絵を描いていただいて、納めたいと思っているのでございます」
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
同時に眼にもとまらぬ
早技
(
はやわざ
)
でひゅういと空にうなった
切支丹
(
きりしたん
)
十字の
呪縛剣
(
じゅばくけん
)
、たちまちそれを、やんわり振りかぶった大上段の構えは——
寂
(
せき
)
としてさながら夜の湖面。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「我が日の本の魂が、
凝
(
こ
)
り固まったる三尺の
秋水
(
しゅうすい
)
。天下
法度
(
はっと
)
の
切支丹
(
きりしたん
)
の邪法、いで
真二
(
まっぷた
)
つに……」
芝居狂冒険
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
でなくは
切支丹
(
きりしたん
)
ではないかと、
韮山
(
にらやま
)
で興行の折は、
江川太郎左衛門
(
えがわたろうざえもん
)
様の手代衆が一応お調べになりまして、確かに魔法
妖術
(
ようじゅつ
)
ときめて、既に獄門にもなろうとしましたのを
丹那山の怪
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
かう云ふと、
切支丹
(
きりしたん
)
宗門の信者は、彼等のパアテルを
誣
(
し
)
ひるものとして、自分を
咎
(
とが
)
めようとするかも知れない。が、自分に云はせると、これはどうも、事実らしく思はれる。
煙草と悪魔
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
この古びた女人像は、
切支丹
(
きりしたん
)
宗徒が聖母として礼拝するマリアの像であった。
半七捕物帳:33 旅絵師
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「板女は
切支丹
(
きりしたん
)
の残党らしい」
女賊記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
切支丹
(
きりしたん
)
邪宗
(
じやしゆう
)
の寺の
入口
(
いりぐち
)
の
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「そうだろう、お前は
切支丹
(
きりしたん
)
屋敷を脱出した、ころびばてれんの娘だ。お前を容れる世間はなく、お前を
狙
(
つ
)
け廻す宗門役人があるばかりだ」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
隱し念佛、又はお庫念佛、一に犬
切支丹
(
きりしたん
)
と言つたところで、今の世にその實體を知つてゐる人は幾人もないでせう。
銭形平次捕物控:202 隠し念仏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
切支丹
(
きりしたん
)
禁制の記念が、遊女町の名によって残されたことを思うと、
因縁
(
いんねん
)
もまた奇妙な感じがします。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
私宅を立ち出で候所、篠宅の前へ来かかり候へば、村方の人々大勢
佇
(
たたず
)
み居り、
伴天連
(
ばてれん
)
よ、
切支丹
(
きりしたん
)
よなど、罵り交し候うて、馬を進め候事さへ叶ひ申さず、依つて、私馬上より
尾形了斎覚え書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
異国へ渡って
切支丹
(
きりしたん
)
を学び、その魔法で徳川家を呪えという、それも洞斎の遺言であったが、いずれはそうしようとも考えながら、生れ故郷の関川を未だ一歩も出ずにいたのだ。
怪異黒姫おろし
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
切支丹
(
きりしたん
)
騒動として有名なあの島原の乱——肥前の天草で天草四郎たち天主教徒の一味が起こした騒動ですから一名天草の乱ともいいますが、その島原の乱は騒動の性質が普通のとは違っていたので
右門捕物帖:01 南蛮幽霊
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
そうして、それは
切支丹
(
きりしたん
)
の魔法ではないかなどと説く者もあった。
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
信長は
切支丹
(
きりしたん
)
ぎらいではない。仏徒と闘い法城を焼き払っても、あながち仏法嫌いでないのと同じ意味で、宗教そのものの本来の価値は認めている。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「南蛮仏とも言うよ。昔
切支丹
(
きりしたん
)
が
蔓延
(
はびこ
)
っていた時、お上の眼を
免
(
のが
)
れて、これを本尊にしていたんだ。観音様と見せかけて、実は切支丹のサンタ・マリア様だよ」
銭形平次捕物控:095 南蛮仏
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「これはかいたものではございませんか。まあ、機械で、どうしてこんなによくお像を写すことができるのでございましょう、
切支丹
(
きりしたん
)
とやらの魔法のようでございます」
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
とある年の秋の夕暮、われ独り南蛮寺の
境内
(
けいだい
)
なる
花木
(
はなき
)
の茂みを歩みつつ、同じく
切支丹
(
きりしたん
)
宗門の門徒にして、さるやんごとなきあたりの夫人が、涙ながらの
懺悔
(
こひさん
)
を思いめぐらし居たる事あり。
るしへる
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
寛永十五年島原の
切支丹
(
きりしたん
)
宗徒の乱が平定したとき、祖父の
摂津守忠房
(
せっつのかみただふさ
)
島原城主として四万石を
食
(
は
)
みましたが、間もなく旅先で歿し、父の左近太夫高長その
封
(
ほう
)
を継ぎました。
奇談クラブ〔戦後版〕:12 乞食志願
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
盗んだりなんかするもんだから、あれは
切支丹
(
きりしたん
)
の、魔法使いの毛唐だと言ってるんですとさ
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
孫兵衛の母イサベラ様の幾代目かの御先祖——
黄金
(
こがね
)
色の髪の毛に愛くるしい
琥珀
(
こはく
)
の眼をもった異国娘も、その時、武装した
切支丹
(
きりしたん
)
武士に手をひかれて、阿波の海辺へ上がりました。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
唯
黄泉路
(
よみぢ
)
の
障
(
さは
)
りとなるはその方どもの未来なり、その方どもは心得悪しく、
切支丹
(
きりしたん
)
の御宗門にも
帰依
(
きえ
)
し奉らず候まま、未来は「いんへるの」と申す地獄に
堕
(
お
)
ち、悪魔の餌食とも成り果て候べし。
糸女覚え書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
切支丹
(
きりしたん
)
がさらって行って、
生胆
(
いきぎも
)
を取るんじゃありませんか——世間ではそう言っていますよ」
銭形平次捕物控:043 和蘭カルタ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その書面を
恭
(
うやうや
)
しく神棚の上へ載せて、何かあの人たちは勘違いでもしているのだろう、わたしたちのすることを、
切支丹
(
きりしたん
)
の宣伝でもするかのように誤解して、国のためにそれを憂えて
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
切支丹
(
きりしたん
)
がさらつて行つて、
生膽
(
いきぎも
)
を取るんぢやありませんか——世間ではさう言つて居ますよ」
銭形平次捕物控:043 和蘭カルタ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「今の少年が、あれで熱心な
切支丹
(
きりしたん
)
の信者なのです、イエス・キリストの……」
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
油絵などは、
切支丹
(
きりしたん
)
の踏絵より外には見ることの無い時代、茶店の店先に、鏡に映したような、お鳥の肖像があったのですから、これに驚かなければ
何
(
ど
)
うかして居ります。
裸身の女仙
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あ、それは
切支丹
(
きりしたん
)
の書物でございます」
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
“切支丹(キリシタン)”の解説
キリシタン(吉利支丹、切支丹、吉利施端、吉悧翅段、截支丹、吉利翅丹、pt: Cristão, 古いポルトガル語: Christan)は、日本人のキリスト教徒を指す。戦国時代から江戸時代、更には明治の初めごろまで使われていた日本語(古語口語)である。
江戸時代以降の当て字である『切死丹』『鬼理死丹』には侮蔑の意味が込められており、蔑称として使われてきた。
(出典:Wikipedia)
切
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
支
常用漢字
小5
部首:⽀
4画
丹
常用漢字
中学
部首:⼂
4画
“切支丹”で始まる語句
切支丹坂
切支丹伴天連
切支丹屋敷
切支丹宗
切支丹族
切支丹宗門
切支丹宗徒
切支丹侍
切支丹流
切支丹村