“凹凸:おうとつ” の例文
“凹凸:おうとつ”を含む作品の著者(上位)作品数
寺田寅彦9
中谷宇吉郎4
江戸川乱歩3
吉川英治3
海野十三2
“凹凸:おうとつ”を含む作品のジャンル比率
自然科学 > 物理学 > 物理学8.7%
自然科学 > 地球科学・地学 > 気象学7.7%
文学 > フランス文学 > 小説 物語3.8%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
しかし、年をとるにつれて、樹皮がこぶだらけになり、凹凸おうとつができる一方、たくさんの短い枝が幹にあらわれるのである。
黄金虫 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
わだちの跡の凹凸おうとつも、彼にとっては地理的の大変化であって、タウヌス連山などとほとんど匹敵するものだった。
なかんずく月の表面の凹凸おうとつの模様を示すものや太陽の黒点や紅炎やコロナを描いたものなどはまるでうそだらけなものであった。
断水の日 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
煙の柱の外側の膚はコーリフラワー形に細かい凹凸おうとつを刻まれていて内部の擾乱渦動じょうらんかどうの劇烈なことを示している。
小爆発二件 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
凹凸おうとついわかたち自然しぜん船臺せんだいをなしたるところ其處そこいま工事中こうじちゆう
肢体したいに殆どじかに感じていた土の凹凸おうとつや、何んともいえない土のやわらか味のある一種の弾性や
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
次に出来る場合というのは、土の表面に小凹凸おうとつがあって、その中のとがった点から凍り初めた場合であるということを確めている。
「霜柱の研究」について (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
春吉君は、細心の注意をはらって、竹べらをぬらしては、茶わんのはらの凹凸おうとつをならしていった。
(新字新仮名) / 新美南吉(著)
手燭を持ち添えた大きな顔が二つ、凹凸おうとつをくっきりとくま取らせて、赤鬼のようにのぞいている。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
蝋管に刻まれた微細な凹凸おうとつを巧妙な仕掛けで郭大した曲線を調和分析にかけて組成因子の間の関係を調べたりして声音学上の知識に貢献した事も少なくない。
蓄音機 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
その実体鏡でみると、この狭い家の中の遠近がハッキり見え、そして多勢の身体も実体的に凹凸おうとつがついていて、本当の人間がチャンとそこに見えるのであった。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そこにはヴァテカン美術館のそれにも劣らない一面の壁彫刻が微細に凹凸おうとつしていた。
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
デパートアルプスの頂上から見おろした銀座ぎんざ界隅かいわいの光景は、飛行機から見たニューヨーク、マンハッタンへんのようにはなはだしい凹凸おうとつがある。
銀座アルプス (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
刑部は、月のほうへ顔を向けた。油で濡れているように、顔の凹凸おうとつが青く光る。
大谷刑部 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この力は大変強いので、北満ほくまんでは煉瓦れんが造りの家屋がそのために崩壊したり、それよりも困るのは、鉄道線路に凹凸おうとつが出来て汽車が走れなくなる。
そして十二日も雪に明け、十三日も雪に暮れ、十四日の大江戸は、ほとんど雪の底に丸い凹凸おうとつを示しているだけで、世間は終日ひねもす、ほとんど人声もしない。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一方はただ不規則な乾燥したそして簡単な繊維の集合か、あるいは不規則な凹凸おうとつのある無晶体のかたまりであるのに、他方は複雑に、しかも規則正しい細胞の有機的な団体である。
病室の花 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
写真では黒白の線しか分らないのであるが、眼で見た時は、こまかい小凹凸おうとつがあるために、繊細なあの模様の縁に空の光が反射して、水晶細工のような微妙な色が見えるのであった。
雪雑記 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
スピッツバーゲンの北西隅にあるアムステルダム島は、わが右舷のかたに当たって見える——島は火山岩の凹凸おうとつ線をなし、氷河を現出している白い地層線と交叉こうさしているのである。
もっとも地球が完全な球形であるというのは本当は間違いで、第一に地球の表面にはヒマラヤの山もあれば、日本海溝もあるので、詳しく言えば、凹凸おうとつのあることは勿論もちろんである。
地球の円い話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
その潜水艦は、艦体が、壊れかかったセルロイドの玩具のように、凹凸おうとつになっていた。潜望鏡のくだも、マストも、折れ曲ったまま、ぶらぶらしていた。しかし艦体は、ピカピカに光っていた。
二、〇〇〇年戦争 (新字新仮名) / 海野十三(著)
地上の凹凸おうとつが雪の表面にうかがわれた。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
熊笹くまざさにせばめられた道、凹凸おうとつのはげしい坂、いきをあえぎあえぎ、そのいわもとまでいそいできた四人は、そこへくると同時に、岩の上をふりあおぎ、声もひとつによびかけた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小さいなりに、完全な真氷河であることは、「クレッヴァス」の凹凸おうとつが、かなりの遠くから肉眼でもハッキリと見えるし、大氷河でなくては、滅多に見られないところの、側堆石までを具備しているのでも伺われる
火と氷のシャスタ山 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
その一つは、わずかな高低凹凸おうとつの複雑に分布した地面の水準測量をするのに、わざと夜間を選び、助手に点火した線香を持って所定の方向に歩かせ、その火光をねらって高低を定めたと言い伝えられていることである。
藤棚の陰から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
多分身体全体を化粧しているのでしょう、青味がかった白さに、肉体の凹凸おうとつに応じて、紫色の隈を置いた、それ故に一層陰影の多く見える裸体が、背景の真赤な花の屏風びょうぶの前に、次々と浮出して来るのです。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
そうして、ある大きさの週期のものが最も安定であって、それに因る沈積の結果から生ずる凹凸おうとつが、ちょうどその渦流に好都合なような器械的条件に相応すれば、この凹凸は自然に規則正しく発育成長するのが当然である。
自然界の縞模様 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
常緑樹林におおわれた、なだらかなすそ野の果ての遠いかなたの田野の向こうには、さし身を並べたような山列が斜め向きに並び、その左手の山の背には、のこぎり歯というよりは乱杭歯らんぐいばのような凹凸おうとつが見える。
軽井沢 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
顔の部分は、白絹は凹凸おうとつを作って、細い皺まで一つ一つ現わしてあったし、娘の髪は、本当の毛髪を一本一本植えつけて、人間の髪を結う様に結ってあり、老人の頭は、これも多分本物の白髪を、丹念に植えたものに相違なかった。
押絵と旅する男 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
あの、紙のように薄い乳房の附いた、板のような平べったい胸、その胸よりも一層小さくくびれている腹、何の凹凸おうとつもない、真っ直ぐな背筋と腰と臀の線、そう云う胴の全体が顔や手足に比べると不釣合に痩せ細っていて、厚みがなく
陰翳礼讃 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
うちの洗面台はきわめて粗末な普通のいわゆる流しになっていて、木製の箱の上に亜鉛板を張ったものであるが、それが凹凸おうとつがあって下の板としっくり密着していないために、洗面鉢の水が動揺するにつれて鉢自身がやはり少しの傾斜振動をする。
日常身辺の物理的諸問題 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
その説明を聞きますと、一応は理由がわかったものの、今度は、顔を映してもでこぼこに見えない滑らかな表面が、反射させると明きらかに凹凸おうとつが現われるという、このえたいの知れぬ事実が、たとえば顕微鏡で何かをのぞいた時に味わう、微細なるものの無気味さ、あれに似た感じで、私をゾッとさせるのでした。
鏡地獄 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
凹凸おうとつし、錯雑し、のこぎり形をし、入り組み、広い裂け目を銃眼とし、それぞれ稜角堡りょうかくほうをなす多くの築堤でささえられ、そこここに突起を出し、背後には人家の大きな二つの突出部が控えていて、既に七月十四日(一七八九年)を経てきたその恐るべき場所の奥に、巨大なる堤防のようにそびえていた。
いま動物どうぶつはそのおほきいしつ天井てんじよういてあつたが、いし凹凸おうとつたくみに利用りようして突出部とつしゆつぶ動物どうぶつ腹部ふくぶとし、くろ褐色かつしよく彩色さいしきをもつていてあつて、それがあり/\とのこつてをります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)