列強環視の中心に在る日本 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
幕末維新懐古談:55 四頭の狆を製作したはなし (新字新仮名) / 高村光雲(著)
このはなはだ僭越と考えらるべき門外漢の一私案が、もし専門学者にとってなんらかの参考ともならば、著者としての喜びはこれに過ぎるものはない。
比較言語学における統計的研究法の可能性について (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
トニオ・クレエゲル (新字新仮名) / パウル・トーマス・マン(著)
僭越ながら、あなたの愛という幸福こそ求めてはおりますが、同時に不可能な義務を負うことはできません……
罪と罰 (新字新仮名) / フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー(著)
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
私は此処に平塚さんたちが道徳家を以て自ら任ぜられることの大胆に一たび驚き、また人間が人間を罰することの可能を確信せられることの僭越に二たび驚きます。
新婦人協会の請願運動 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
それは人間として僭越なことですからね。だから君も僕をこのままに打っちゃっといてくれたまえ。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死―― (新字新仮名) / 長与善郎(著)
しかしこの僭越な振舞いには、例の棺を着て硬ばっている紳士はいたく御立腹の様子であった。
ペスト王:寓意を含める物語 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
温泉宿の亭主の胸像は僭越の沙汰だから、二人の子供が亀の子を持って話しているところにして貰う。亀の冬越しから温泉を思いついたことは温泉煎餅に詳しく書いてある。
大菩薩峠:05 龍神の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
すこし僭越な言いかたをしたようだと思ったので私はなかばで言いさした。私は須磨子の自殺の原因がなんだかききもしないうちから、きくまでもないもののように思っていた。
わが探偵小説界の鬼才江戸川兄の創作集に、私が序文を書くなどということは、僭越でもあり恥かしくもあるが、同時にまた、私に序文を書かせてくれる江戸川兄の心が嬉しくてならぬ。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
しかしそのような情景を彼は想像してみるだけで、それ以上に気持をうごかして三元のことを考えることは、彼にはひどく僭越なことに感じられた。どんなことをおれが考えることが出来るだろう。
ルーシンは『僭越ながら祝辞を述べる』ことになった。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
「いろいろお話をうかがいましたけれども、まことに僭越でございますけれども、また、申し訳のないところもございますけれども、私は御意見に添うわけにはまいりません」
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達 (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
「処士の身でまことに僭越ですけれども、左近頼該から言上すべき旨を申付かってまいったのです、特に先生のおとりなしをたのむよう御迷惑ながら押してという事でお願いにあがりました」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)