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仇討
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あだうち
ふりがな文庫
“
仇討
(
あだうち
)” の例文
是が縁に成って惠梅と水司又市の二人がおやま山之助の家へ来て永く足を留める。これが又一つ
仇討
(
あだうち
)
に成りまする
端緒
(
いとぐち
)
でございます。
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「何? 小判で百両? それが種も仕掛もない話かえ。大泥棒か
仇討
(
あだうち
)
じゃあるまいし、お
菰
(
こも
)
が小判で百両持っているわけがあるもんか」
銭形平次捕物控:023 血潮と糠
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
掛一
體
(
たい
)
志操
(
こゝろざし
)
宜
(
よろ
)
しからぬ者に付同惡と
存
(
ぞんじ
)
殊
(
こと
)
に
仇討
(
あだうち
)
の
節
(
せつ
)
妨
(
さまた
)
げ致し候故
是非
(
ぜひ
)
なく
疵
(
きず
)
を付候と申ければして又其方
敵討
(
かたきうち
)
致
(
いた
)
さん爲に遊女
奉公
(
ほうこう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
仇討
(
あだうち
)
に来は来ましたが、赤堀先生は名うての腕達者、到底尋常の手段では討てまいと、習い覚えた按摩の術で先ず右腕の急所を揉み殺し
十万石の怪談
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
まず何よりも先に不審に存じましたのは、
仇討
(
あだうち
)
に参いる程の血気の若侍が、匂い袋を持っていたというお話で御座いました。
斬られたさに
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
だが、自分にはそんな力のないことがわかったし、六郎兵衛に利用されているのだと知って、
仇討
(
あだうち
)
などということは、すっかり断念していた。
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
前者は二十八年の十一月興行の中幕で、一番目は「
大坂陣諸家記録
(
おおさかじんしょけのかきとめ
)
」、二番目は「
伊賀越道中双六
(
いがごえどうちゅうすごろく
)
」の岡崎と
仇討
(
あだうち
)
であった。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
御維新
(
ごいしん
)
までは、だが、それでもよかった。
仇討
(
あだうち
)
ということが公許せられていた時代だ。併し、明治になってから生れたわしは、実に不幸であった。
白髪鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
なおさらのこと、
仇討
(
あだうち
)
などを考えているとは
微塵
(
みじん
)
見えない。
磊落
(
らいらく
)
に身を落して、
明日
(
あす
)
は明日の風としているように、泉岳寺の僧侶たちにも眺められた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それでさっきの
仇討
(
あだうち
)
という訣ですか。口真似なんか恐入りますナ。しかし民さんが野菊で僕が竜胆とは面白い対ですね。僕は
悦
(
よろこ
)
んでりんどうになります。
野菊の墓
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
写生
(
しゃせい
)
したり
荒木又右エ門
(
あらきまたえもん
)
の
仇討
(
あだうち
)
のとこを
描
(
か
)
いて見せたりそしておしまいもうお話を自分でどんどんこさえながらずんずんそれを絵にして書いていきました。
みじかい木ぺん
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
最後にこんなことになってしまったのも、そのためだと言わば言われないこともない! もし
仇討
(
あだうち
)
がこの春決行されたら、百二十余名の同志があったはずだ。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
生島慎九郎夫婦は、城下へ
這入
(
はい
)
って旧故の人を訪れ、先年討たれた矢作治部太夫の
仇討
(
あだうち
)
を、今日神指でするから、証拠人として成行きを見届けてくれと頼んだ。
討たせてやらぬ敵討
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
それが人造人間であることを看破し、その後は案山子の上に
糞
(
ふん
)
をしかけるという
仇討
(
あだうち
)
まで、やらかした。
人造物語
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
吉田の子
巳熊
(
みくま
)
は
仇討
(
あだうち
)
に出て、豊後国鶴崎で刺客の一人を討ち取つた。横井は呉服町での挙動が、いかにも
卑怯
(
ひけふ
)
であつたと云ふので、熊本に帰つてから禄を
褫
(
うば
)
はれた。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「それが忘れられるものか、それがためにわしは江戸を抜け出して兄上の
仇討
(
あだうち
)
に出て来たのだものを」
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
勅使に対しても大阪侯の夫人侍女家臣等が
腹這
(
はらばひ
)
に成るのを始め、大詰の
仇討
(
あだうち
)
の場へ日の丸の
提灯
(
ちやうちん
)
を先に立て
乍
(
なが
)
ら
帝
(
みかど
)
の行幸がある時にも舞台の人間は一切寝るのである。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
この父親を埋めた
土
(
どろ
)
のちかくに棲んでをりました一匹のこほろぎが、たいへん樵夫の子供に同情をして、きつと私が
仇討
(
あだうち
)
をしてあげますからと親切になぐさめてくれたのです。
小熊秀雄全集-14:童話集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
我々が
吉良
(
きら
)
殿を討取って以来、江戸中に何かと
仇討
(
あだうち
)
じみた事が
流行
(
はや
)
るそうでございます。
或日の大石内蔵助
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
初めドバルの
仇討
(
あだうち
)
をしようと思って銃を撃ったのがドバルの殺害者ではないと分ると、その倒れている男が可哀想になった、すぐルパンの傷口にハンカチを割いて繃帯をしてやり
奇巌城:アルセーヌ・ルパン
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
たとえば『談海集』巻二十二、寛文十一年九月九日、摂州
芥川
(
あくたがわ
)
の
仇討
(
あだうち
)
の物語の
中
(
うち
)
、松下助五郎が東海道を上るとて江戸を発足する条に、芝を過ぎて
高輪
(
たかなわ
)
を通るとて同行者岩崎覚左衛門が狂歌
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
べらべら
喋
(
しゃべ
)
る円蔵がかかっていて「八笑人」や「花見の
仇討
(
あだうち
)
や、三馬の「浮世床」などを
聴
(
き
)
いたものだったが、今来てみると、それほどの
噺家
(
はなしか
)
もいなかったし、
雰囲気
(
ふんいき
)
もがらりと変わっていた。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「何? 小判で百兩? それが種も仕掛もない話かえ。大泥棒が
仇討
(
あだうち
)
ぢやあるまいし、お
菰
(
こも
)
が小判で百兩持つて居るわけがあるもんか」
銭形平次捕物控:023 血潮と糠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
殊
(
こと
)
に心底も正しく信実な人と見込んだから、兄の
仇討
(
あだうち
)
に出立したいと助太刀を頼んだので有ろうが、山平殿は私には
然
(
そ
)
うはいかん
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
又敵
(
またがたき
)
が天下の御法度になったのは、
仇討
(
あだうち
)
であっても親を殺された子はまた相手を恨み、その子が相手を討てば討たれた子がまた相手を仇と狙う
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「父の
仇討
(
あだうち
)
を願い出ましたるところ、幸い
聴許
(
ちょうきょ
)
されて、明日某所で勝負を致すことに相成りました。ついては、必勝の太刀筋を御伝授に預りとう存じます」
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
然るべき
仇討
(
あだうち
)
の免状でも持っておいでるかと問うてみたればそれは無い。在るには在ったが、浅草観世音の境内で懐中物と一所に
掏
(
す
)
られてしもうたと云うのじゃ
斬られたさに
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
剣術修行を兼ねて
仇討
(
あだうち
)
の旅でございます、とも言えないから、素直にこう言うと、村田が
大菩薩峠:27 鈴慕の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その後
赤穂
(
あこう
)
城中における評議が
籠城
(
ろうじょう
)
、
殉死
(
じゅんし
)
から一転して、異議なく開城、そのじつ
仇討
(
あだうち
)
ときまった際は、彼はまだ江戸に居残っていたので、最初の連判状には名を列しなかった。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
これは、
仇討
(
あだうち
)
の真似事を致すほど、義に勇みやすい江戸の事と申し、
且
(
かつ
)
はかねがね御一同の
御憤
(
おいきどお
)
りもある事と申し、さような輩を斬ってすてるものが出ないとも、限りませんな。
或日の大石内蔵助
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
わが国古来のいわゆる「かたき
討
(
うち
)
」とか、「
仇討
(
あだうち
)
」とかいうものは、勿論それが
復讎
(
ふくしゅう
)
を意味するのではあるが、単に復讎の目的を達しただけでは、かたき討とも仇討とも認められない。
かたき討雑感
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
重助「へえ、頭巾をお目に掛けたら、何とかいう人だと仰しゃったが、チャンと
目標
(
めじるし
)
が有ったのが解って、
仇討
(
あだうち
)
に出ると仰しゃいましたよ」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『あの池田久右衛門ていうのか——赤穂の家老は、きっと、
仇討
(
あだうち
)
をやる
肚
(
はら
)
だろうと、おれは見ているんだ』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三十一年目の
仇討
(
あだうち
)
も前代未聞のことであり、討手が逃げてしまったのも、追討や返討の心配のない場合だけに、疑えば疑えることですが、たぶん不意に襲いかかって
銭形平次捕物控:087 敵討果てて
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そこから間違いの
仇討
(
あだうち
)
が初まった訳じゃ……その第一の証拠には、その旗本が斬られたという五月の頃おい、拙者はまだこの福岡に在藩しておったからのう……ハハハ。
斬られたさに
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
死後御検分のため遺しおく口上書とは、二日に深川八幡前で認めた
仇討
(
あだうち
)
の宣言書と
起請文
(
きしょうもん
)
のことで、その中には毛利小平太の名も歴然として記載されてあるこというまでもない。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
「江戸中で
仇討
(
あだうち
)
の真似事が
流行
(
はや
)
ると云う、あの話でございます。」
或日の大石内蔵助
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「今日こそは、先日の
仇討
(
あだうち
)
を致さねばなりませぬ」
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
という騒ぎで、村中餅を搗きましたり、蕎麦を打ったり致して一同出立を祝するという、惣吉
仇討
(
あだうち
)
に出立の処は一寸一息。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そして、それが、三五兵衛の
仇討
(
あだうち
)
だった。
八寒道中
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さて
今日
(
こんにち
)
から
寛保
(
かんぽう
)
年間にございました
金森家
(
かなもりけ
)
の
仇討
(
あだうち
)
のお話で、ちとお話にしては堅くるしゅうございますから、近い頃ありましたお話の人情をとりあわせ
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『
仇討
(
あだうち
)
——見事』
田崎草雲とその子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
苟
(
かりそ
)
めにも親の
仇討
(
あだうち
)
に出立する者が、他人の助力を受けたとあっては、後日世間の物笑いになるからな
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
図らずも蘆屋の釜
並
(
ならび
)
に山風の笛が手に
入
(
い
)
りましたから、早速右
二品
(
ふたしな
)
を渡邊外記という金森家の重役へ預け、
仇討
(
あだうち
)
の免状を殿様より頂戴致しまして、
公然
(
おもてむき
)
仇討に出立致しまして
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
是まで私が思い立った事を
果
(
はた
)
さずば、何うも私が心に済みません、神に誓った事もあり、
仇討
(
あだうち
)
に出立致す不孝の段はどの様にもお詫致す、無沙汰で家出致す重々不埓はお
宥
(
ゆる
)
し下さいと
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
然
(
そ
)
うか、
手前
(
てめえ
)
年も
往
(
い
)
かねえで能く親の
仇
(
あだ
)
を討とうてえ心になってくれた、おくのや茂之助が草葉の蔭で此の事を聞いたら
嘸
(
さぞ
)
悦ぶであろう……じゃが今の世の中では
仇討
(
あだうち
)
と云うことは出来ないが
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
翌朝
(
よくちょう
)
早天に
仇討
(
あだうち
)
に出立を致し、是より仇討は次に申上げます。
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
奉「長二郎親の
仇討
(
あだうち
)
一件
今日
(
こんにち
)
にて落着、一同立ちませい」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“仇討(
敵討
)”の解説
敵討(かたきうち)または仇討ち(あだうち)は、主君や直接の尊属を殺害した者に対して私刑として復讐を行った日本の制度。武士が台頭した中世期からの慣行であり、江戸期には警察権の範囲として制度化された。
(出典:Wikipedia)
仇
漢検準1級
部首:⼈
4画
討
常用漢字
小6
部首:⾔
10画
“仇討”で始まる語句
仇討劇
仇討本懐
仇討輪廻
仇討義理与犢鼻褌