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げ
ふりがな文庫
“
下
(
げ
)” の例文
「とにかく使いをやってくれ」と云いながら、五郎太はいま取り出した本の
題簽
(
だいせん
)
を読んだ、「古今和歌集、巻の五、秋の歌
下
(
げ
)
か」
古今集巻之五
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
……
干
(
かん
)
、五、
上
(
じょう
)
、
ク
(
さく
)
、六、
下
(
げ
)
、
口
(
く
)
の七ツの孔は、人間の五情の言葉と両性の
呼吸
(
いき
)
ともいえよう。
懐竹抄
(
かいちくしょう
)
を読んだことがあるだろう
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
去
(
さ
)
りながら仏のおしえは奇妙な仕置にて、大乗小乗と二つ分ちて、小乗は
下
(
げ
)
こんの人の教え、大乗は上根の人への教えと定めこれ有り候。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
所謂
補瀉
(
ほしや
)
の別である。峻烈手段には
汗
(
かん
)
吐
(
と
)
下
(
げ
)
の三法があるが、其一隅を挙げて瀉と云ふのである。張従正は瀉を用ゐた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
正三君は
唇
(
くちびる
)
から血がしたたってものすごかった。尾沢生はたちまち鼻血を流した。一
上
(
じょう
)
一
下
(
げ
)
虚々実々
(
きょきょじつじつ
)
とまではいかないが、
一
(
ひと
)
しきりは実に猛烈だった。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
▼ もっと見る
答 「
下
(
げ
)
」とは「並」の意、「手」とは「
質
(
たち
)
」の意。謂わば「並のもの」「普通のもの」、吾々が「
不断遣
(
ふだんづか
)
い」と呼ぶ日々必要な実用品を指すのである。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
どんな役に立たない、
下
(
げ
)
の
下
(
げ
)
の代物、例えば、そこいらに落ちている
襤褸
(
ぼろ
)
っきれみたいな物でも、値段がありますよ——襤褸だって紙工場へ売れますからね。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
夜十時点検終わり、差し当たる職務なきは
臥
(
ふ
)
し、余はそれぞれ方面の務めに
就
(
つ
)
き、高声火光を禁じたれば、
上
(
じょう
)
甲板も
下
(
げ
)
甲板も
寂
(
せき
)
としてさながら人なきようになりぬ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
大正六年十月十五日 帰省中
風早
(
かざはや
)
柳原西の
下
(
げ
)
に遊ぶ。風早西の下は、余が一歳より八歳
迄
(
まで
)
郷居せし地なり。家
空
(
むな
)
しく大川の堤の大師堂のみ存す。其堂の傍に老松あり。
五百句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
古今集巻十八
雑
(
ぞう
)
の
下
(
げ
)
所載「
憂
(
う
)
き世にはかどさせりとも見えなくになどか我が身の出でがてにする」と云う歌は、「つかさの解けて
侍
(
はべ
)
りける時よめる」と云う
詞書
(
ことばがき
)
の通り
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
アセチリン瓦斯の臭い下の露店と男に会う毎にさわぐ芸者共が真面にお化粧して
下
(
げ
)
すに歩くのにも石の上で三味を弾く袖乞の指先にも活きて動く世の中がひらめいて居る。
日記:02 一九一四年(大正三年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
家は
下
(
げ
)
の
下
(
げ
)
に属するものと
品定
(
しなさだ
)
めの人たちに言われるはずの所でも、そんな所から意外な趣のある女を見つけ出すことがあればうれしいに違いないと源氏は思うのである。
源氏物語:04 夕顔
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
ここに三浦
兵衛尉義勝
(
ひょうえのじょうよしかつ
)
とありますよ。この人は
従
(
じゅ
)
五位
下
(
げ
)
だ。
元弘
(
げんこう
)
二年
新田義貞
(
にったよしさだ
)
を
輔
(
たす
)
けて、
鎌倉
(
かまくら
)
を攻め、
北条高時
(
ほうじょうたかとき
)
の一族を滅ぼす、先世の
讐
(
あだ
)
を
復
(
かえ
)
すというべしとしてありますよ。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
進むと見ればたちまち退き、右によろめき左にのめくり、一
上
(
じょう
)
一
下
(
げ
)
、輾転反側。
ノンシャラン道中記:02 合乗り乳母車 ――仏蘭西縦断の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「ほほう、じゃねじ込みが又例の如しでうまく成功した訳だな。それは満足した時のだが、でもまあその
中
(
うち
)
の
下
(
げ
)
の方だね。してみると、娘さんと二人きりでは会えなかったとみえるな……」
親方コブセ
(新字新仮名)
/
金史良
(著)
...
失
(
う
)
しゃアがれ、消えてなくなれと! そこであっしがショボショボと、山をくだるの一段となる。どう考えたって
下
(
げ
)
の役だ!」ここで忠三手をうった。「あねご、行きやしょう。城之介を追って!」
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
玄象道人はじろりとお蓮を見ると、二三度
下
(
げ
)
びた笑い声を出した。
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
これはいうまでもなく
下
(
げ
)
の
下
(
げ
)
であります。
青年の思索のために
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
(木槌の音三
下
(
げ
)
四
下
(
げ
)
)
阿難と呪術師の娘
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
難中の難事たる
所以
(
ゆえん
)
は実にそこにあります。兵を用いるの道は、心を攻むるを以て上とし、武力に終るは
下
(
げ
)
なりと承っています。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
無政府主義者でも、社会主義者でも、
下
(
げ
)
の
下
(
げ
)
までの人間を理性のある人間と同一に扱おうとしているから間違っているのです。一般選挙権の問題でからがそうです。
蛇
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
昭和十年四月二十五日 風早西の
下
(
げ
)
の句碑を見、鹿島に遊ぶ。松山、黙禅邸。松山ホトトギス会。
五百句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
「
下
(
げ
)
」とは「並」の意である。私は読者がこの定義を厳守されることを望む。これに対し、「上手物」というのは少数の富貴の人のために、美術的意識から少量に作られる高価な器物を指すのである。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
これは
下
(
げ
)
の
上
(
じょう
)
であります。
青年の思索のために
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
「いやいや、策士に策をもって当るなど、
下
(
げ
)
の
下策
(
げさく
)
。白紙になって会うにかぎる。
虚心坦懐
(
きょしんたんかい
)
、ただ自分のこの一生懸命だけを云ってみよう」
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
五年十二月には
南部
(
なんぶ
)
家と共に永く東西蝦夷地を警衛することを命ぜられて、十万石に進み、
従
(
じゅ
)
四位
下
(
げ
)
に叙せられた。この津軽家の政務発展の時に当って、允成が
啓沃
(
けいよく
)
の功も少くなかったらしい。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
風早の西ノ
下
(
げ
)
に赴く。豊田、
猪野
(
いの
)
等に迎へられ猪野宅招宴。
六百句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
一人の劉備を怖れて、将来の
患
(
わずら
)
いを除くために、四海の信望を失うなどは、
下
(
げ
)
の
下策
(
げさく
)
というもので、私は絶対に賛成できません
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
孟達はこれに反し、敵の来攻を待つは戦略の
下
(
げ
)
である、すべからく関を出でて、即決進撃をはばむべしと称して退かなかった。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「どうしようといっても急には城も
陥
(
お
)
ちまい。甘寧をわざと城へ誘いこんで袋叩きにするという策は、名案に似て、実は
下
(
げ
)
の
下策
(
げさく
)
だったな、こうなってみると」
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
京へ
凱旋
(
がいせん
)
してのち、七
本
(
ほん
)
槍
(
やり
)
の
連中
(
れんちゅう
)
をはじめ
諸将
(
しょしょう
)
の下のものへまで、すべて、
論功行賞
(
ろんこうこうしょう
)
をやったかれにはまた、
朝廷
(
ちょうてい
)
から、
従
(
じゅ
)
四
位
(
い
)
下
(
げ
)
参議
(
さんぎ
)
に
補
(
ほ
)
せらるという、
位官
(
いかん
)
のお
沙汰
(
さた
)
がくだる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だが、やはり世界は
下
(
げ
)
世話が面白い。あんな石垣や城壁でかためた宿屋には、滅多に泊るものじゃない。……ところで釘勘、今日はぜひともお蝶を探し出さねばならぬ、そちも懸命に腕を
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
正四位ノ
下
(
げ
)
、
右衛門佐
(
うえもんのすけ
)
に
叙
(
じょ
)
し、越後守とし、あわせて
上野
(
こうずけ
)
、
播磨
(
はりま
)
を下さる。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
上
(
じょう
)
・
中
(
ちゅう
)
・
下
(
げ
)
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“下”を含む語句
上下
下手
下婢
足下
目下
下女
下袴
地下
放下
直下
下流
下々
下男
垂下
閣下
樹下
天下
下僕
御下
見下
...