“ねまき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
寝衣69.5%
寝間着6.6%
寢衣5.9%
寝巻5.1%
寝着3.9%
寐衣2.3%
寐間着2.0%
寢間着1.2%
寢卷1.2%
寝間著0.8%
寢着0.8%
寐卷0.4%
寝間衣0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
腕車くるまから降りて行った笹村は、まだ寝衣ねまきを着たままの正一が、餡麺麭あんパンを食べながら、ひょこひょこと玄関先へ出て来るのに出逢った。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
神谷は寝間着ねまきのままはね起きて、手早く窓の障子しょうじと雨戸とをひらいてみた。まさか、そんなものがいようとは、夢にも考えていなかった。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
寢衣ねまきをきて起きた僕と、暗い陰鬱な電氣の下で、約一時間ほど話をした。來るといきなり、芥川君は手をひらいて僕に見せた。
芥川君との交際について (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
それから起き上って、夜具のすそに掛けてあった不断着を、寝巻ねまきの上へ羽織はおったなり、床の間の洋灯を取り上げた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と膝に手を突いて起上りますると、鼠小紋ねずみこもん常着ふだんぎ寝着ねまきにおろして居るのが、汚れッが来ており、お納戸色なんどいろ下〆したじめを乳の下に堅くめ、くびれたように痩せて居ります。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
おもて二階を借りている伊東さんというカフェーの女給じょきゅう襟垢えりあか白粉おしろいとでべたべたになった素袷すあわせ寐衣ねまきに羽織をひっかけ、廊下から内をのぞいて
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
糸織いとをりのなへたるにふらんねるをかさねし寐間着ねまき小袖こそでめさせかへ、いざ御就蓐おやすみをとりてたすければ、なに其樣そのやうふてはないとおつしやつて、滄浪よろめきながら寐間ねまへと入給いりたまふ。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
曉方あけがたになると、せまい家のなかから、寢間着ねまきのまま出て來ては、電柱に恁りかかつて、うつらうつら眠るかど平家ひらやの少女も、蚊帳のなかに手足を伸ばしてゐるのだらう。
夏の夜 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
寢卷ねまき浴衣ゆかたを着たまゝ、人を迎へたか送つたか、兎も角、縁側に立つてうつかり月か何か眺めたところを、沓脱くつぬぎに居る曲者が、下から脇差で、一と思ひに左乳の下を突き上げたものです。
さあ、それからは、宛然さながら人魂ひとだまつきものがしたやうに、かつあかつて、くさなか彼方あつちへ、此方こつちへ、たゞ、伊達卷だてまきについたばかりのしどけないなまめかしい寢着ねまきをんな追𢌞おひまはす。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それからあがつて、夜具やぐすそけてあつた不斷着ふだんぎを、寐卷ねまきうへ羽織はおつたなり、とこ洋燈らんぷげた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
とき着物きものいで、寐卷ねまきうへに、しぼりの兵兒帶へこおびをぐる/\きつけながら
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「さァ苦しゅうない、寝間衣ねまきの上からでは思うように通るまい、肌襦袢じゅばんの薄い上から、爪痕立て、たとえ肌をきずつけようと好い程に」
怪異黒姫おろし (新字新仮名) / 江見水蔭(著)